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2004年11月 1日月曜日 今回のテーマは塩とだし (はる食日記)

11月1日(月)
 晴れ。水俣から熊本へ。昨日ほどは寒くなかった。Aさんの小屋の外には竈があり、露天風呂がある。入り口には、 唐辛子やイタリアントマト、里芋などがざるに入れて置かれている。食べものがあちこちにある。空気がおいしい。
朝ご飯は、塩鮭に漬物、納豆に、味噌汁。それに、おでんの最後の残りをいただく。
お礼を言い、宿泊のお礼をお支払いし、紅茶を購入して出発する。

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まずは、9月に訪ねた頭石に向かう。村丸ごと生活博物館である。元気村である。 会場となる頭石コミュニティーセンターで村丸ごと生活博物館の説明を聞きつつ、隣半分でつくっている料理に目を光らせる。
近所のKさんが畑仕事をしていたので、お話しをうかがう。種を蒔いたり、畑の草取りをしながらである。タヌキが毎晩出ては畑を荒らし、シシ(猪) も時々出てくること。山の反対側には鹿もいて春には鳴き交わすのが聞こえること。時間があると釣り竿をもって川に行き、 コイやハエを釣っていること。食べずに池に入れていることなど、頭石の生活を話してくれる。この方は、生活職人でも生活学芸員でもないが、 「よそもの」である我々に気長につきあってくれる。これもまた、村丸ごと生活博物館の効果であろうか。
前回食べた料理の数々を拝見し、ぐっとこらえて、頭石を去る。駆け足である。

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行った先は、袋地区の杉本水産である。水俣の婦人会の方々が食の生活文化祭・田舎の丸ごと食べあるきツアーの参加者として集まっていた。 すでに船は着き、生しらすを茹でてしろごにしたり、市の職員が炭火で太刀魚を焼いていた。
いりこと塩でだしをとり、そうめんに竹輪とかまぼこ、葱をのせてだしをぶっかけたぶっかけ素麺。生しらす、茹でただけのしろごには、 いかやたこも混ざっている。これが楽しい。太刀魚の刺身は銀色に光っていて美しい。たこの刺身と、焼いたたこ。干し椎茸、干し竹の子、里芋、 蓮根、干しぜんまいを塩だけで炊いた煮しめ。塩だけで味を付けた短冊さつま芋揚げのがね揚げ、それに、柿、みかん、うべ(パッションフルーツ)。 すべて地の物である。杉本栄子さんは、「今回のテーマは塩とだし」という。自然塩を使い、いりこだしなど素材のだしを活かした料理の数々。 素材の力に圧倒される。圧巻なのが、しろごの茶漬けである。ごはんにしろごをたっぷりののせ、醤油をふりまわし、 お茶をかけてご飯をかきこむのだ。これは、もう、頭がまっ白になってしまううまさである。言葉はおいつかない。今、その目の前の海で獲れ、 それを茹でただけのしろごは、魚の臭みなどまったくない。うまみしかない。お茶も、醤油もごはんとしろごをただちょっとだけ支えるだけだが、 この支えがあると、ごはんとしろごのうまさが、ぐいぐいと表に出てくる。舌に溶け、鼻に開き、のどをこす。おいしい。 ここでしか食べられないおいしさである。
その後、杉本栄子さんの話を聞き、婦人会の方々との交流が続いた。

 水俣とはここで分かれ、駅で人吉の両親と落ち合う。彼らは、鹿児島の親戚に会ってきたのだ。これから妹のところまで車で行き、 泊まることとなった。両親の車は、親戚2軒からもらった、焼酎、みかん各種、豆腐、油揚げ、厚揚げ、里芋、赤飯などに、家から持ってきた鹿肉、 新米、布団、着替えなどでまるで引っ越しのようである。これに私の荷物を積んで北上する。
途中で日奈久竹輪を購入し、食べながら運転する。
熊本で、鰺の刺身、ぶりの切り身などを購入する。母が、鹿肉を焼き、ぶりを煮付け、酢の物をこしらえ、しろごをだしてビールを飲む。 親戚がつくる豆腐、厚揚げはなかなかうまい。豆腐屋だから当たり前だが、おいしくない豆腐屋も多いのだからおいしい豆腐に感銘する。 鹿肉もおいしかったが、母が焼きすぎていた。いつものことだ。

購入:紅茶、緑茶、しろご、いりこ。

食:8時、ご飯、味噌汁、漬物、塩鮭、おでん。
食:12時、ご飯、ぶっかけ素麺、太刀魚の塩焼き、刺身、たこの刺身、焼いたたこ、生しらす、しろご、煮しめ、がね揚げ、柿、うべ、みかん。
食:18時、ご飯、赤飯、豆腐、厚揚げ、竹輪、しろご、鰺の刺身、ぶりの煮付け、酢の物、ビール、汁。

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[はる食日記 |2004年11月 1日 ]

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