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06月07日木曜日 2001年6月1日~7日 (はる食日記)

2001年6月1日(金)
晴れ。洗濯する。家でまじめに仕事。 水底は外出。昼は、昨日のスープとご飯などで軽く済ます。夜も、水底にまかす。大麦のたっぷり入ったごはん、干し椎茸と、豚バラ肉、 昨日の鶏手羽先スープにハスの実が入ったベトナム風スープとやらができている。なかなかにおいしい。 ハスの実というのは私の食歴にない食材である。こりこりしている。あまり味はないような気がする。キュウリとトマトの春雨サラダ、 鶏手羽先と大根のサラダも登場。水底はこのところ手作り化粧品に凝っていて、ジンのゴードンを買い、 我が家にしまわれていた私のウォッカのフィンランディアで、漢方薬や薬草などを漬け込んでいる。そんな瓶がいくつもある。ローズマリー、スギナ、 ヨクイニンなどなど…。
フィンランディア、私が酒飲みだった頃に好きだったウォッカの銘柄である。フィンランドのウォッカだが、日本ではあまり見かけない。 癖のない味が特徴である。水底と暮らしはじめてから、本当に飲まなくなった。そして、飲めなくなった。まったく飲めない水底が、 ごはんばかりを食べるものだから、ついついつられて飲まなくなったのである。

食:13時、野菜スープ、ご飯、塩鮭。
食:17時、食パン(私のみ)
食:22時、ご飯、ベトナム風スープ、春雨サラダ、塩鮭、納豆、鶏と大根のサラダ、冷や奴。

6月2日(土)
晴れ一時雷、雨、晴れ。天候めちゃめちゃ。夜、大きなムカデが出る。寝る前のことで、起きていてよかった。ペットボトルで胴体を固定し、 顔のところに毒を吹き付けてそのまま待つ。顔の部分が弱る。顔よりしっぽまでは動いているが動きは鈍くなる。箸で袋に入れて、放置する。昨年、 数カ所かまれて1か月ぐらい痛みが続いたのでおびえている。水底も私もおびえている。ここは、スズメバチやムカデに毎年遭遇する。 都市近郊の森は、とりわけ、人と虫や獣の緊張関係が高まる。人間が悪いのだが…。
昼に、ベトナム風スープと焼きめしをつくる。焼きめしは、ニンニク、葱、卵のみで、味は薄めの醤油味。さくさくと食べる。夜は、 先日の届き物キーマカレー。それに、オカヒジキとジャガイモ、納豆で食べる。
わが家の納豆は、国産大粒納豆である。しかも、賞味期限を1週間ほど過ぎたぐらいから食べはじめる。だいたい、 製造後1週間ぐらいが消費期限なのであるが、それからが、ショリショリしたところやうまみが出てくるのだ。時には3週間ぐらいのものも食べる。 それでもおいしいのだ。わが家では、基本的に賞味期限を鼻と舌で判断することにしている。もちろん、大腸菌O157のように、 少数の菌で毒素を出すような新しい菌が繁殖するようになってしまったのが現代の実相である。しかし、 基本となる衛生管理はそれほど変わらないのだ。もちろん、時にはお腹をこわす。こわしたら、反省する。時に自らを菌にさらすことも必要である。

食:14時、焼きめし、ベトナム風スープ、春雨サラダ、鶏と大根のサラダ。
食:22時、ご飯、カレー、納豆、ベトナム風スープ、オカヒジキ、ゆでジャガイモ。

6月3日(日)
晴れ。近所の友人と水底と一緒にホームセンターに行く。友人宅には、わが家のスナネズミの子どもが2匹行っている。もうかれこれ半年は過ぎた。 すっかり彼の家族である。育ったので、もう一回り大きい水槽を購入するために車を出したのである。ついでに、郊外のスーパーで買い物をする。 私の出身地である九州球磨地方の葱が売られていたのを水底がめざとく見つけて購入。いわゆる青葱だが、博多の葱ほど細くない。 東京で売っている青葱ほど太くない。香りが高く、辛みが少ない葱である。熱い汁に刻んだ葱を入れて、 その葱がしんなりするころに食べると実にうまい。ラーメンも、うどんも、味噌汁も、広島風お好み焼きも、これが合うのである。 久々に感動を覚える。この葱が潤沢に手にはいるといいのに。有機栽培で。ということで、夜はお好み焼きにする。キャベツ、豚バラ肉、モヤシ、 イリコ粉、焼きそば麺、それに中力粉と卵。広島風のお好み焼きである。最後に葱をたっぷりかけたのは言うまでもない。 市販の焼きそば麺は3つ売りをしていることが多い。そこで、もう1玉は焼きそばにする。お好み焼き2枚と焼きそばで、キャベツ4分の3を使う。 キャベツが食べたければ、広島風お好み焼き!みかんストレートジュースが1リットル紙パックであったので購入する。 国産みかん汁を搾っただけのものだ。有機、低農薬のものも含めて、みかんジュースで濃縮果汁還元でないものはほとんどない。手間がかかる、 コストもかかる、価格が高い、それほど売れないからであろうが、おいしいのに。とにかく、おいしいのに。こんなにおいしいのに。値段が倍でも、 倍以上おいしいのに。おいしいものが虐げられている。悲しい。

購入:葱、焼きそば麺、せんべい、みかんストレートジュース、サバ缶、モヤシ、かまぼこ。

食:14時、ご飯、ベトナム風スープ。
食:20時、食パン。
食:22時、お好み焼き、焼きそば、ご飯の残り。

6月4日(月)
晴れ。仕事を明け方まで。午後起床。洗濯する、買い物にも行く。水底の好きな物ははっきりしている。夏はナス。 夏はそうめん、冷やし中華、冷やしうどん、そば。イカ。これは毎年変わらない。水底は本当にナスが好きである。だから、 冬はナスを食べない。じっと我慢している。今日、ついに我慢の限界に達した。有機・ 低農薬栽培コーナーにナスが出ていたので我慢ならなくなったらしい。購入。昼は、水底のリクエストで冷やし中華。 買い物に行く前だったので、ありもので具を揃える。モヤシ、ワカメ、かまぼこ、青葱、油揚げ。キュウリもトマトもハムもない。 でも見た目は豪華にできる。なかなかおいしいのである。夜は、久しぶりの赤飯。飯炊き用土鍋は、おいしく炊きおこわができる。 火力が強い、保熱力が高いので、可能なのだ。赤飯はおいしい。赤飯はいい。つぼん汁が欠かせない。つぼん汁は、 我が田舎で赤飯と対になる吸い物である。ごぼう、里芋、人参、大根、葱、鶏などが入っている醤油味の吸い物。ところが、 ごぼうも里芋もなかった。鶏は胸肉があったので、それと、人参、大根、葱、小松菜、干し椎茸、焼き豆腐、油揚げでごまかす。 おいしかったけどね。もちろん、ナスは水底が揚げて、特製酢醤油ごま風味だれに漬け込んであった。小松菜のごま和え、 じゃが芋のごま和えもできている。このごま和えのたれには、ねりごまが入っている。ちょっとお高いけれど、これもまた、 食を豊かにしてくれるのである。

購入:玉葱、人参、ナス、じゃが芋、小松菜、コンニャク、焼き豆腐、ヨーグルト、 オレンジジュース、冷凍うどん、ねりごま、戻しもずく。

食:15時、冷やし中華。
食:21時、赤飯、鶏汁、小松菜のごま和え、じゃが芋のごま和え、ナス揚げ漬け。

やさいを食べています。本当にたくさん。

6月5日(火)
晴のち曇り夜に雨。新宿や知り合いの自然食品店に買い物に行く。どうやら6月で店を閉めるらしい。残念。醤油の調達先がなくなる。困ったなあ。 新宿には資材購入。相変わらず人が多い。用紙やインクトナーや充電池、コンパクトフラッシュメモリなどを購入する。明け方までまじめに仕事。
昼は、赤飯。それから昨日の汁にいりこでだしをあつくし、醤油を加えて、冷凍うどんを放り込む。熱々。夜は赤飯。昨日のごま酢だれじゃが芋、 小松菜に大根、かまぼこ、煮干し、味噌を入れた不思議な味噌汁。唐辛子と香菜を入れたらエスニックスープになる。生もずくがあったので、 これをナス揚げ漬けの汁で食べる。三杯酢みたいなもんだ。ニシンの蒲焼き缶詰は佐渡で買ってきた物。どうやら、 身欠きニシンをサンマの蒲焼き風にしたものらしい。あっさりしている。やはりサンマの蒲焼き缶の方がおいしい。赤飯が終わる。おいしかった。

購入:醤油2升、薄口醤油、酢、キュウリ、小松菜、生姜、いんげん、ヨーグルト。

食:13時、赤飯、けんちんうどん。
食:21時、赤飯、ごま酢味噌汁、ナス揚げ漬け、もずく酢、ニシンの蒲焼き缶詰。

もう、この時期は毎日ナスです

6月6日(水)
雨。ずっとイスに座ってパソコンの前にいる。仕事である。とにかく働く。自分で計画して仕事のスケジュールも内容も方針も決めるのだが、 やはり波がある。たとえば、来週は1週間フィリピンに行くのだが、パソコンを持っていかない。持っていっても意味のないところに行くからだ。 通信もできない。電気も使えない。古いモバギを引っ張り出して、乾電池を大量に持っていくが、 これもデジタルカメラのデータバックアップとメモ用というにしか使えそうにない。その1週間のために仕事を前倒しする。 もっと前から前倒しできそうなものだが、そういうわけにもいかない。いくら自分で仕事を立てているからといっても、原稿をもらったり、 資料をもらったりしなければ成り立たない。そこで、時として、波が起きるのである。ざぶん。ぶくぶく。
昼は、水底作のあんかけスパ。茹でキャベツ、それに、人参、玉葱、いんげんを炒めたもの添え。夜も水底作。大麦ご飯に、大根と小松菜の味噌汁、 茹で鶏、キュウリ、ワカメの上に、ごまだれをかけた、最近の言葉でいえば冷しゃぶにあたるものがメイン。涼しげで美味。

食:15時、あんかけスパ。
食:22時、ご飯、味噌汁、茹で鶏とキュウリとワカメのごまだれ、魚肉ハムと茹でキャベツ、納豆。

6月7日(木)
晴のち大雨。千葉県本八幡に行き、小学校の給食を食べる。本日の献立は、カレーライス、ひじきとモヤシの和え物、夏みかん、牛乳。 牛乳は人にあげた。朝は晴れていたのだが、給食室を出た頃には曇り始める。夕方新橋の事務所についた頃には、土砂降りの雨。 大雨洪水警報が出たらしい。宅配が届いていて、それもびしょぬれであった。夜は、新橋の事務所で合流した水底、T氏、S氏と飲みに行く。 私はウーロン茶とおにぎり、それにつまみ類。本日は外食ばかりなり。

宅配:キャベツ、サラダ菜、大根、ほうれん草、ピーマン、トウモロコシ、キュウリ、人参、メロン、 長葱、玉葱、じゃが芋、鶏もも肉、胸肉、手羽先、豆腐、油揚げ、卵。

食:12時、カレーライス、和え物、夏みかん(給食、私のみ)
食:19時、居酒屋でおにぎりなど(外食)

空豆はおいしい。うれしい。豆はいい。

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06月14日木曜日 2001年6月8日~14日 フィリピン編 (はる食日記)

6月8日(金)
曇りのちやや晴れ。洗濯をして外出。神保町で会議。 コーヒー類の飲み過ぎで胃ががぼがぼいう。昨日はサッカーの国際大会決勝進出で号外が出る。今日は、 大阪府池田市の小学校で起きた虐殺事件で大騒動になっている。またひとつ日本社会のたががはずれた。昼は水底が寝ていたので、 めんどうでカップ麺と一昨日のご飯にキャベツの千切り、魚肉ハム焼きで済ます。後で聞くと、水底もそういうご飯にしたらしい。夜は、 きちんと食事。イカを3杯買ってきたので、水底が刺身にする。私がゲソとエンペラを大根と生姜、ニンニクで炒め合わせる。ご飯を炊き、しじみ汁、 ホットポテトサラダ、もずくとキュウリの酢の物とする。ご飯をたっぷりいただく。しじみ汁はしじみがあまりおいしくなかった。残念。 刺身はとてもとてもおいしかった。

購入:もずく、イカ、しじみ、青葱、カレールー、沢庵。

食:12時、カップ麺、ご飯、ハムとキャベツの千切り。
食:22時、ご飯、しじみの味噌汁、イカ刺し、イカゲソと大根炒め、ホットポテトサラダ、もずくキュウリ酢、トウモロコシ茹で。

6月9日(土)
晴れ曇り。外はすっかり新緑。近頃また時間が元に戻り、明け方に寝て午後起きる生活になる。寝付こうとすると、 外で野鳥の叫び声が聞こえる。ゲー、キョエー、キエー、ケッケッケ。野生の王国。しかし、やはり、アオサギは戻ってこなかった。 どこへいってしまったのやら。少し寂しい。今日は台所でいつもの黒蟻とともにカマキリの幼生を見かける。わが家の中も野生の王国。 午後起きて、ご飯の準備をしようと思ったら、近所の友人Nが登場。おみやげにシュークリームを持ってきたので、 それを食べながらいろいろおしゃべりする。彼が去った後、葱と卵と醤油の焼きめしで遅いご飯。それから、昨日風呂に入らなかったので、 早めの風呂。といっても午後5時である。普通の家でも休日だと1日を終えて風呂ということもあるだろう。やれやれ、 まだ気持ちは朝なのだが。
わが家の風呂は、外が見えるガラス張りである。回りはすべて木々なので、外から見られる心配はない。ぼんやりと初夏の夕方の森を眺める。 虫が飛んでいる。
買い物に出かけ、出張の準備をしてから夕食。鰹の半身を水底が刺身にする。もうプランターの大葉が大きくなったので、それが添えられる。 この大葉は、昨年プランターで植えたものの実生である。今年、土の入れ替えをしようと思ったらたくさんの大葉が生えていたので、 それを育てている。本日は、水底がいつもの大麦入りご飯を炊き、鰹の刺身を準備、それと黒ごま、白ごまをすって、 ほうれん草のごま和えをこしらえる。このごま和えは、ごまの量が多く、きちんとすってあるので、ねっとりして美味。本当においしかった。 私の仕事は冷や奴、もずくの準備とタンタン麺。豚の挽肉を解凍する。白葱を刻む。青葱を刻む。ニンニクと生姜を刻む。 白葱とニンニクと生姜をごま油で炒める。豚の挽肉に黒胡椒をふりかけて炒める。豆板醤を入れて炒める。テンメンジャンを入れて炒める。水を注ぎ、 煮立たせる。醤油、ねりごまを入れる。ねりごまは遠慮なくたっぷり入れる。今日は、九州の棒ラーメンを使ったのだが、 このスープは粉と油に分かれている。ふたり分のスープのうち粉1袋だけを化学調味料代わりに加える。べつに鶏スープでもよいし、 使わなくてもよい、フォンドボーみたいなものでも、固形スープでもいい。麺を茹でる際に小松菜もひとふさ茹でておく。色づけである。 麺がゆだったら、お椀にスープ、麺、それに青葱をのせる。ごま油、ラー油を上から軽く振りかける。香りづけである。これでできあがり。本日のは、 とにかく、まことにみごとにおいしかった。勝った。タンタン麺は私のものだ。わはは。いろんなところで食べたかいがあろう。やはり、 料理の腕を磨くには、同じ料理を食べ歩くに限る。しかし、素人だから、同じ物を2度はつくれない。そのときある食材、素材、 感覚的な調味料合わせになるからだ。でも、おいしかったのだ。とても。

購入:鰹、オレンジジュース、ナス、納豆、もずく。

食:16時、焼きめし、沢庵。
食:22時、ご飯、タンタン麺、ほうれん草のごま和え、鰹の刺身、冷や奴、もずく酢。

6月10日(日)
晴のち雨。水底がうどんを所望。キンカにぼしをしばらく水に漬けておく。弱火にかけ、沸騰する直前に火を止めてキンカをとりだす。そこに、 佐渡で購入してきたアゴ(トビウオ)のめんつゆを入れる。油揚げをそぎ切りにして煮る。冷凍うどんを入れて、できあがり。青葱をたっぷりちらす。 本日のうどんは実にうまい!何か、とりついているようなうまさである。
勢いづいて、約束のカレーを作る。鶏肉、玉葱、人参、ニンニク、生姜、トマト缶、ピーマン、じゃが芋、ナス、それに、ローレル、クミン、 カルダモン、クローブ、胡椒、ターメリック、コリアンダー、醤油、お好みソース、カレールー。何もカレールーを入れるまでもないのだが、 ごくごく普通のカレーを使いながらも、別の味に仕立てるのは、これはまた楽しい作業であるのだ。

食:15時、うどん。
食:22時、カレーライス、ご飯、沢庵、コールスロー。


ナスの入ったカレー

6月11日(月)
曇り。多摩から成田、成田からマニラ、マニラからソラノの手前まで。今日から出張記録となる。実際の記録は最終日に行っている。 いつも午前4時頃に寝るのだが、本日の自宅出発は午前4時過ぎ。寝ずに過ごす。水底が梅干し入り海苔おむすびを握ってくれる。それを持って出発。 新宿駅でS氏と合流。今回は、S氏が昨夏に行ったフィリピンの地域を訪問、調査を行うのが目的。地域名をリトルタジャンという。 リトルタジャンは、ルソン島北部、いわゆる北ルソンのイフガオ州のアルフォンソ・リスタ市にある。リトルタジャンは、 タジャンから入植してきた人たちである。一番最初の入植者は1965年に入植。すでに森は切られ、裸の土地であったらしい。 ここで約300弱の世帯が4000ヘクタールという広大な土地にいくつかの集落を作って暮らしている。 牛の放牧とトウモロコシの単作地帯であるが、80年代まではいくつかの作物を作っていたらしい。その後、 メジャー向け飼料トウモロコシ単作地域となってしまい、トウモロコシの価格低迷、仲買が1つであること、 隔離された地域ということもあって経済的には大きな問題を抱えている。しかし、幸いなことにまだ土地の所有は個々人のものであり、 一部を除いて借金のかたに土地を奪われた人は数名であり、すべての土地ではない。
この地の最大の問題は、飲料用、農業用水を得ることが非常に厳しいとことである。そこで、今回は、水問題を中心に、 農業改善などの可能性について調査し、それを、 この地域で持続可能な開発に向けた協力活動をしているNGOのCORDEDVとともに今後の活動に生かそうというものである。 CORDEVのリトルタジャン地域担当をしているグレッグは私と同じ37歳。元人権活動家であり、リトルタジャンを担当する神父でもある。 フィリピンでは貧困地域などの経済的、社会的支援に教会が大きな役割を担っている。アジアで最大のキリスト教国でもあるからだ。
昨年からこの地では、日本の有機農産物取り扱い団体が認証を受けたオーガニック飼料用トウモロコシの作付けを提案し、実験的にはじめている。 S氏はその関係で昨年この地を訪れているのである。不幸にもこの有機トウモロコシは2年続けてうまくいっていない。 これにもCORDEVが関わっており、CORDEV、とりわけ、 グレッグ神父がリトルタジャンに関与する様々な非政府組織の調整を担っていると言ってもよい。なお、 CORDEVは北ルソンのバナナプロジェクトにも関わっている。これは、日本の生協や消費者団体、有機農産物流通団体、 市民団体とフィリピンの団体が行っているもので、 もともとネグロス島で飢餓に見舞われた土地なし農業労働者の自立を目的にはじめられたプロジェクトである。このプロジェクトは各地に広がり、 フィリピンでの物流をATC(オルタートレードコーポレーション)が担い、日本ではATJ(オルタートレードジャパン)が担っている。 ATCはフィリピンの非政府組織が作った会社であり、ATJは日本の同様の会社である。CORDEVは、 このATCとともに北ルソンのバナナ地域についての自立とバナナ生産、流通プロジェクトも担っている。
さて、成田である。あいかわらずの成田であり、ここで食べ物は買わない。空港のシートでもさもさとおにぎりを3つ、漬物とともに食らう。 同行のS氏と国内の地域づくりNGO里地ネットワークの事務局長T氏にも勧めたが、食べてきたというので、私が3つともおいしくいただく。
航空便はJAL。あまり機内食には期待していない。和食と洋食が選べたので和食を選ぶ。メインはブリ大根のご飯添え。 デザートの黄桃フルーツシロップ添えはおいしかった。
マニラに到着。CORDEVの依頼を受けたATCマニラの運転手が、ATCの緑色のバンで迎えに来てくれる。彼はマリオ。 このようにフィリピンでは、スペイン由来の名前か英語由来の名前が多い。ほとんどがそういう命名のようだ。 マリオはATCに入ってまだ日が浅いので初対面である。私は、前の仕事の時、バナナプロジェクトの関係で数回フィリピン・ ネグロス島を訪れており、ATCで知っている人もいる。しかし、最後におとずれたのは7年も前だ。車も新しくなっており、時の流れを感じる。
なにより時間を感じたのは、自転車にサイドカーをつけたようなシクロタクシーが交通渋滞の原因としてすべて禁止されたことだ。しかし、 民衆は強い。自転車を単にバイクに変えて、前のサイドカーを取り付け、シクロタクシーとして庶民の足となり、マニラの交通渋滞に貢献している。 マニラに到着して、ひたすら車は走り、夜9時、目的地の手前の町でホテルに泊まる。そのホテルで食事をしたのだが、 マンゴージュースは缶ジュースだった。がっくり。淡水魚のテラピアを揚げ、モヤシとインゲンが添えられたご飯プレートを注文。 T氏がマッシュルームスープに目をつける。私は何も言わないが、それはクノールですよ。なんと3人前も注文してしまい、 みんなでこのクノールスープを味わう。インドネシアでも同じ目にあった。豚肉と玉葱の炒めサラダはとてもおいしい。 塩と胡椒中心のシンプルな味付けだが、ご飯のおかずによく合っていた。ホテルのレストランは、バーになっていて、 カラオケとビリヤードに人が集まっていた。月曜日なのに遅くまで騒いでいる。このホテルで就寝。

食:8時、おにぎり、漬物。
食:12時、機内食。
食:21時、ごはん、テラピア揚げのモヤシとインゲン添え、スープ、豚肉と玉葱サラダ、缶ジュース。

6月12日(火)
晴れ。ソラノからオウロラ経由リトルタジャンまで。朝、テレビを見たら、今日がフィリピンの独立記念日で祝日だった。 どうりで昨日遅くまで人が騒いでいたのだ。朝ご飯もホテルにて。干し豚を焼いたものとご飯、目玉焼きにインスタントコーヒー。まだ、 フィリピンに来て食事に恵まれていない。食後、ソラノのCORDEV事務所に行く。黒砂糖で煮たバナナを食べながらミーティング。その後、 スタッフがつくった昼ご飯。ラプラプ(ミルクフィッシュ)を焼いたもの、茹でオクラにはエビ味噌のギノモスを漬けて食べる。鶏肉入り春雨スープ、 メヌードはスペイン料理。人参、キュウリ、豚の白モツ、じゃが芋、ソーセージがトマトベースで煮込まれている。それにご飯。何もかも美味。 うれしい。おいしい。
昼食後、緑車に乗って現地へ向かう。途中でパイナップルを売っている人がいたので、そこでパイナップルをごちそうになる。 塩を付けて食べるのだが、とにかくジューシー。暑くて喉が渇くのでうれしい。その家ではゴーヤの種を干していた。みんなゴーヤが好きらしい。 目的地のリトルタジャンを前に、麓の町オウロラで緑車と別れる。ここからは、週に2回のミニバス往復便で山を登る。オウロラは水があり、 平たい場所でちょうど雨期の入りとあって田植えをしていた。田植えは、苗を手で植えるのと、直播きが混在している。水田地帯を過ぎ、 最後の川を過ぎるとあとはひたすら悪路を登る。まわりは牧草地かトウモロコシ畑だけ。古いエンジンはうなるだけ。我々はただ、 ミニバスのシートにつかまってがたがた揺られるだけ。途中、井戸をひとつ確認し、リトルタジャンの中心部へ。もう夕方である。 お世話になるジュリアスの家につき一休み。といっても風呂があるわけではない。水がないのであるから。雨水を溜め、 井戸から水を運ぶのが日々の仕事である。ジュリアスは農大を出た青年ですでに結婚している。ジュリアスの父は健在で、 彼がこの地で唯一ため池を掘った男である。 水牛のカラバオと家族の力だけで数年かけてため池を掘るという難行をもってジュリアスの家はなかなかこの地では裕福な方である。もちろん、 比較する経済レベルは低いのだが。彼の家でだらだらしていたら、近所のおばさんが大トカゲ(モニターリサ)を売りに来た。 今日はアヒルを締めることになっていたらしいのだが、大トカゲはとてもすばらしいごちそうであり、方針が変わる。 値切ってアヒル2羽分の値段で購入した全長150センチ以上もある大トカゲは、表面を焼かれ、内臓を抜き、切り分けてから調理される。 調理はアドボである。ニンニク、玉葱、生姜、醤油、ココナッツ酢で汁気がなくなるまで煮る。夕食はこれとご飯。大トカゲのアドボは中の肉が鶏、 外の皮と皮の下はちょうどうなぎの蒲焼きを煮たような味と食感であった。大トカゲはなかなかとれないらしく、こちらでもごちそうである。 もちろん、我々が大トカゲを食べる機会など、そう滅多にあるものではない。一生に1度かも知れない。トカゲ。 おいしかったのは料理法にもよるのだろう。トカゲ、水底がきっと食べたがるに違いない。
蚊帳をつって板間に寝る。鼻をつまんでも分からないぐらいの暗闇。

食:7時、ご飯、干し甘豚、目玉焼き、コーヒー。
食:12時、バナナ煮、ご飯、メヌード、ラプラプ、オクラ、鶏春雨スープ。
食:20時、ご飯、大トカゲのアドボ。

6月13日(水)
晴れ。リトルタジャン、中心エリアからマジカルエリアへ。朝から暑い。午前7時には日陰で27度を超えている。湿度は90%近く。こちらは、 日が昇るに連れて下がっていく。朝は、昨日の大トカゲにゆで卵。午前中は、この地のリーダー会議が行われる。 朝から地方行政府の担当者であるフリオ氏がやってきた。後で知るのだが、 彼は今日行くマジカルエリアで我々に宿泊場所を与えてくれる人でもあった。そのときはそんなことは知りもしない。 会議がなかなかはじまらないので、グレッグを置き、フリオとジュリアス、さらに中心エリアの数名とともにこの中心エリア唯一の泉をめざす。 干ばつでも水が枯れないところだがいかんせん2キロメートル以上離れている。山を越え、トウモロコシ畑を超えて行く。汗びっしょり、 喉はカラカラ、今にも熱射病になりそうである。ぐったりして帰ると、しばらくして会合がはじまる。会合には、 教会で水問題担当の技術者をしている神父が参加。彼が今日、我々の行くマジカルの先まで行くので送っていってくれることになった。会議は、 なかなか難しい話、しかも、こちらは英語で話さなければならない。厳しい。なんとか会議が終わり、昼ご飯はジュリアスの家に戻る。 昼は鶏をつぶしてくれた。鶏とそれを煮たスープは塩胡椒味。自家製の唐辛子酢もあるので、それをつけてもよい。さらに、 タケノコを醤油で炒めたもの、ヤム芋をゆでたもの。タケノコの方はまさしくキンピラ。 ヤムの方は里芋をゆでて茹で溶かした里芋に芋を浮かせたようなもの。昨日のアドボもある。 会議に出た現地以外の人がみんな揃ってのごちそうであった。
昼ご飯を食べて、くだんの技術者神父と出発。彼の車はミニバン。彼とそのスタッフは500メートルメジャーを持って水源などの調査している。 たとえば井戸と一番高い場所の距離を測るのに、それが8キロメートルならば500メートルメジャーで16回繰り返すわけである。ただ、 高度計などないので高低差は勘である。そうやって距離と高低差をはかりながら、どうやって水の入手が困難な地域に水をもたらすかの調査と提案、 設置活動を教会の事業として行っている。もちろん、グレッグもまたリトルタジャンをエリアとして教会の神父の側面でも活動をしている。 その神父の活動にはCORDEVと同じ目的を持つ側面があるわけだ。彼は、T氏が持っていた高度計、角度計付きの時計をいたく欲しがっていた。 むべなるかな。
さて、中心エリアからマジカルエリアへの6キロメートルの道中。赤土は少しの水でぬかるむ。ずぶずぶ、ずぶずぶ。そのたびにバックしたり、 ローリングしたり、最後はみんなで押すしかない。全身泥だらけ。それでも、ここを歩くよりはずっとずっとましだ。
マジカルエリアに着き、そこで青パパイヤを振る舞ってもらう。唐辛子酢や塩をつけて食べる。キュウリのサラダといったところか。 このマジカルエリアはもっと水がないので、コーヒーは雨水を沸かしたものにインスタントを溶かしたもの。贅沢は言えない。
一休みして、水源や土壌流出の現場を確認、さらに、一番高いところである道路から歩いて全体を見て回る。 T氏が地図をこしらえていたら人が集まってきた。
アヒル、鶏、豚、犬、子どもがわらわらといる。もちろん、水牛(カラバオも)。人と動物の暮らし。家を建てているところがあった。 働くのは近隣の人。結いである。昼ご飯を振る舞い、仕事が終われば酒を振る舞う。そうして家ができていく。
夕ご飯は、魚を下の町から買ってきてくれた。ミルクフィッシュを塩胡椒で茹でたもの、それにバナナとご飯。贅沢です、これでも。

食:7時、ごはん、ゆで卵、大トカゲのアドボ。
食:12時、ごはん、ゆで鶏、鶏スープ、タケノコの炒め、ヤムの煮たの、大トカゲアドボ。
食:20時、ごはん、ミルクフィッシュ煮、バナナ、青パパイヤ。

6月14日(木)
晴れ。リトルタジャン、マジカルエリアから中央エリアへ。明け方、アヒルの騒ぐ声がする。思った通り、朝はアヒルをつぶしてくれた。 今日も朝からごちそうである。昨日周りを歩いていたアヒルである。塩と胡椒でゆでたもの。これに、 アヒルゆでスープとシシトウをゆでたものがつく。昨日パパイヤにつけて食べたのと同じ、唐辛子入り酢をつけながら食べる。アヒルがうまい。 ああなにもかもうまい。スープをごはんにかけて食べる。もう、これは極楽である。雨水コーヒーを飲み、フリオ家と別れて出発。今日は車が違う。 古いおそらくは米軍の装甲車車台にミニバスと同じ座席と屋根を付けたもの。エンジンはイスズ製に交換済みだとか。タイヤも大きい。昨日、 あれほど苦労した場所もすんなりと通っていく。それでも、何回かはバックをしたり、スコップを必要とした。ただ、 押さなくてよかったのはうれしい。いったんセンターエリアのジュリアス家に寄り、一休みして同じ大型ミニバスで再出発。今日は、 ジュリアスの父が87年頃に数年かけて掘った池のあたりまで行くのである。ジュリアス父と母が毎朝カラバオでやってくる農場小屋に車を止める。 鶏やアヒルや犬が走り回っている。そのうちの鶏1羽が、すぐにジュリアスらによって締められる。我々の昼食。日本から我々が来たせいで、 寿命が縮まったのである。すまぬ。が、おいしくいただくよう腹をすかせよう。そこから池までは徒歩。 カラバオと家族だけで掘ったというふたつの池はとても大きくて、魚も多い。まわりには、ザボンの木やパパイヤ、バナナなどが生えている。 水田もある。T氏が釣り竿を取り出し、また、竹藪から細い竹を切り出してきてテグスをつけ、ミミズを掘って釣りをする。 すぐにジュリアスが手頃なテラピアを釣り上げる。小さなテラピアならすぐにかかる。あとは、T氏がテラピアとナマズを釣り上げる。私は、 ザボンとパパイヤで軽く腹を満たす。
それからジュリアス父の農場小屋に戻ると、ジュリアス父はすでに私たちが釣りをしたのとは別の池で網を投げ、 小さなテラピアをたくさんとってきていた。1尾ずつ腹をさばいて塩づけにしている。
農場小屋のすこし下に井戸が掘ってあり、そこで体を洗う。ここに来てはじめての体洗い。じりじりとした太陽の下、草むらの中の井戸で裸になり、 手こぎポンプで水を出しながら石けんで体を洗う。太陽が気持ちよい。
昼は、鶏を煮たものと鶏スープ。塩、胡椒で煮てある。スープが絶品。これに、我々が釣ってきた魚を煮たもの。唐辛子酢はなく、塩と唐辛子が出る。 これで味にアクセントをつけて食べる。みなは蒸留酒を飲む。私はコーヒー。
午後しばらく農場小屋でみなといろんな話をする。農業手法の改善可能性や、酪農導入の可能性について。
それから、トウモロコシ畑で調査をして、ジュリアスの家に戻る。そこで、ジュリアス父にインタビュー。池を掘った理由、池の場所を決めた理由、 この地域で他の池を掘るための問題点や可能性など。ここで、彼に2-4-Dの危険性について話す。ここでは、2-4-Dとグリホサート (日本の商品名ではラウンドアップ、ここではパワー)が除草剤として使われているが、 2-4-Dの方が安いのでそちらを使っている人が圧倒的に多い。しかし、山に畑があり、そこからすべての水が集まってきているので、 地下水の2-4-D残留濃度はそれなりに考えられる。ダイオキシン汚染である。 日本やアメリカやヨーロッパで使用が禁止された農薬を今もこうして規制のない国で販売し続ける、この非道徳性、非人道性をもって、農薬メーカー、 化学・バイオメーカーの正体が知れようというものである。まったくもって怒りがおさまらない。
ジュリアス父は、この危険性についてみなにきちんと話をするという。もちろん、グレッグもそれに取り組む。もちろん、 グリホサートも使わずにこしたことはない。しかし、どうしても使うというなら、まだ2-4-Dよりもましである。消極的選択。
値段は、グリホサートの方が高い。これが一番大きな問題になる。
夕ごはんは、牛肉。ついに牛肉まで登場。もちろん、牛をつぶしたわけでなく、下の町から誰かが買ってきたものである。 牛肉とジャガ芋を一口大に切り、塩、胡椒で煮たもの。スープに浮いた感じ。これと、マンゴー。もちろん、これも買ってきたもの。初マンゴー。 よく熟れていておいしい。マンゴーはシーズンがあるのでなかなか食べられない。もうシーズン終わりとのこと。ぜいたくな毎日。
夜は、ジュリアスの妹に日本語を教える。19歳の彼女はカレッジで日本文化のクラスをとっているという。数字について教えたら、 すぐに日本の万千百単位について理解した。かなり頭がよい。しかし、日本文化ということで、俳句や有名人などを聞かれ、みな困る。俳句は、 S氏が芭蕉の「しずけさや岩にしみいる蝉の声」、私が蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」「春の海ひねもすのたりのたりかな」を紹介。 英訳が難しかったが、あとは芭蕉の「古池や~」しか思い出せなかったのでしかたがない。日本人の教養が疑われるね。

食:7時、ごはん、ゆでアヒル、アヒルスープ、シシトウ。
食:12時、ごはん、ゆで鶏、ゆで魚、鶏スープ、ザボン、パパイヤ。
食:20時、ごはん、牛肉ジャガ芋スープ煮、魚煮、マンゴー。

 

| カテゴリ:はる食日記 | 2001年6月8日~14日 フィリピン編 | 2001年6月14日

06月21日木曜日 2001年6月15日~21日 フィリピン編 (はる食日記)

6月15日(金)
晴れ。リトルタジャンからソラノ、 ソラノからマニラ。結局雨は1日も降らなかった。朝、5時に起きてT氏の調査に同行する。グレッグも一緒。 中心エリアから一番遠い井戸までの高度と距離を確認。この井戸は、干ばつ時に最後まで枯れなかった水源である。しかし、 周辺はすべてトウモロコシ畑。水は畑の地下を経て井戸に集まる。深さはわずかに4メートル。井戸のまわりには農薬の缶や箱が落ちている。 2-4-Dの影響が大いに心配される。ふだんはあまり使われていないという。
途中、T氏とグレッグがもう少し先まで調べるというので、私はそのまま井戸の近くの道路で彼らを待つことにする。 20分ほど歩いたのでおなかが動きはじめた。あたりに人はいない。それほど人は通らない。おもむろに道から少し下がった草むらにしゃがみこむ。 野に糞を放つのは実に気持ちがよい。最後に同じことをしたのはいつのことだろうか。それほど昔ではないが、思い出せない。戻って、 いつものインスタントコーヒーを飲み、朝食を食べる。昨日、池でジュリアス父が網を打って揚げた小さなテラピアは、 その場で腹を割かれて塩漬けにされていた。今朝は、それの唐揚げである。テラピアは、トゲトゲの多い顔のこわい魚である。 針のようなトゲに気をつけながら、頭からがりがりと食べる。小アジの唐揚げがもっとトゲトゲしているようなもの。さらに、 遠くから買ってきたミルクフィッシュを醤油で煮付けたもの。ここの醤油味煮付け料理の基本は水気がなくなるまでちゃんと煮付けることである。 1日、あるいは、明日の朝まで食べることがあるので、保存性を高めるためであろう。さらに、調理用の小さなトマトをサラダがわりに。 生食用の大きなトマトもあるが、これはとても高価だという。とりわけ大きなものは、 マクドナルドなどの外資系ファストフードチェーンに買われていく。このほか、昨日の牛肉とジャガイモ煮もでる。ごちそうである。毎日、 非常なごちそうを出してもらっている。もちろんお金は払うのだが、調理時間や使う水の量、手間を考えると申し訳ない。 ミルクフィッシュも甘めの醤油で煮付けると、ちょうど煮ウナギのように皮と脂と白身のバランスがひきたつ。ごはんに合うおかずであろう。
ジュリアス家、フリオ家とも、調理は薪の火が基本であった。ネグロスの土地なし農民に比べれば、使う薪の量や火力は大きい。しかし、 油が高いのと水が少ないせいか、炒めるという料理法はあまりなかった。せいぜい、今日の唐揚げぐらいである。そのかわり、 煮物料理は実にすばらしいバランスだった。これが、リトルタジャンでの最後の食事となる。
食後、ジュリアスと別れの挨拶をして、昨日の大型輸送車風ミニバスに乗り込み、リトルタジャンを離れる。時刻はまだ7時半だが、 もう外は30度を超えている。行きと違って車が大きいので車のスピードは速い。山を下りるとそこは水田地帯である。1本植えをしていたり、 直播きをしている。もう直播きしてから1カ月は経っている田圃もある。ここらになると川があり、水があるのだが、 それでも雨期をあてにして稲を植えていることには違いない。今年は雨が少ないので、心配である。アウロラには、ATCの緑バンが待っていた。 事務局長のテッドとCODEVのスタッフがやってきていて、ATCの運転手ではない。あとは黙々とソラノののCODEV事務所をめざす。 11時頃に到着。ATCの社長のダンやロイと再会。ロイは覚えていてくれた。
本来なら、深夜バスでマニラに向かう予定であったが、ダンとロイが途中、中央ルソン大学によってからその日のうちにマニラに戻るため、 彼らの車に乗せてもらえることになる。運転手はマリオ。この1週間で2往復しているらしく、少々疲れている。
S氏は別のプロジェクトのために、そのまま今日はCODEVに残留。ここで別れる。
昼は、CODEVの事務所で手作り。カレカレという牛肉テールスープが登場。牛テール、インゲン、タケノコ、バナナの花、ナスなどが、 ショウガ入りピーナッツソースで煮られたもの。スープはたっぷりめ。実においしい。作り方を聞いたら、 日本人はいつもこのレシピを聞くと言って笑われた。これに、テラピアを焼いたもの、小さなスルメイカを串焼きにしたもの、さらに、 フィリピン風ワンタンスープが出る。肉入りワンタンを塩、こしょうと酢のスープで煮て、最後に青葱を散らしてある。これまた実に美味。降参。 まいりました。
時間がないので急いで食事をして、マリオの運転する緑バンにて出発。爆睡。中央ルソン大学は広大でいかにもユニバーシティという感じ。 そのなかにCollege of Arts and Sciences というのがあった。私が出た広島大学総合科学部は、 Integrated Arts and Sciences なので少しうれしい。彼らの会合が終わるのを待ち、出発。 マニラが近くなるにしたがって車の量が増えてくる。マニラ郊外にある唯一のハイウエイに乗る。渋滞。 もっと渋滞がひどくなる場所に近づくというので、高速道路沿いのピザハットで夕食をとるはめになる。マンゴージュースはおいしかった。 ピザについては言うことがない。トッピングの野菜は、おそらく日本のものより味が濃かっただろう。あとは、 これで1食つぶれたことが残念だったというほかない。
長い長い渋滞を経て、チャーターハウスホテルへ。ここは、かつて数回泊まったことがある。ところが、表から中まできれいに改装してあり、 とても立派に見えるホテルになっていた。部屋の作りはそのままだから、内装を変えただけだが、チェックインもコンピュータだし、 ドアもカードシステムになっている。時は流れる。
バーエリアでフィリピンのレモンというか、山みかんであるカラマンシーのジュースを飲む。酸っぱくておいしい。 朝の7時半から夜の11時まで食事時間をのぞくと車に乗り続けてきた。さすがに疲れる。それにしても、重ね重ね残念なのはピザハットである。 あれがなければ、ここで食事がとれたのに。

食:7時、ご飯、小テラピア揚げ、ミルクフィッシュ醤油煮、トマトスライス、 牛肉とジャガ芋のスープ煮。
食:12時、ご飯、カレカレ(牛テールと野菜のピーナッツソース煮)、イカ焼き、テラピア焼き、フィリピン風ワンタン。
食:20時、ピザハットのピザ、マンゴージュースほか。

6月16日(土)
晴れ。マニラから東京へ。朝、チャーターハウスホテルにて中国粥の朝食を食べる。白粥に卵が落としてある。 スルメを細かくでんぶのように裂いたものと、キュウリの漬物がついてきて、白粥の味付けはこのふたつ。外にでると専門店があるのだが、 めんどうなのでホテルで食べる。卵の黄身が黄色い。月日の経過はこんなところにも現れる。鶏の飼育時にカロチン分を与え、 黄身を黄色くしているのだ。以前は黄身も白身も白かった。養鶏といっても伝統的な庭先放し飼いと大差なかったのであるが、今は、 日本の高度な集約型養鶏と大差なくなってきたようだ。当然、味は落ちている。残念。しかし、スルメだしはいい。私の九州の田舎では、 正月の雑煮にスルメだしを使う。中国大陸とのつながりを感じる。
早めにチェックアウトして空港へ。15分ぐらいの距離であるが、1時間以上かかることが多いからだ。ところが、渋滞もなく、 スムーズに到着してしまった。航空券のチェックインまで時間が余る。そこで、この日記で1週間をまとめている。
出国カウンターを抜けて、免税店などで買い物。ドライマンゴーなど、とにかく今回はおみやげを買いそびれているので高くても買う。それから、 レストランで昼食。チャプスイを食べる。鶏、海老、カボチャ、玉葱、人参、キュウリ、インゲン、練り製品などまさしく八宝菜。 チャプスイもチャプチャイもチャンプルーもチャンポンもみんな同じ語源である。野菜はおいしい。
JAL便に乗り込み、機内食を食べ、本を読み、成田に到着し、新宿までのバスに乗り、電車に乗り、タクシーに乗り、帰宅。
水底が大量のいなり寿司を準備してくれていた。大根と油揚げの味噌汁、キンキの塩焼き、大根おろし、沢庵、梅干し、 不在中につくったアドボの煮汁で煮たじゃが芋、大根、人参。トマトなどのサラダ。食べて、しゃべって、寝る。長い1日、長い1週間だった。

食:8時、中国粥、コーヒー。
食:12時、ご飯、チャプスイ、カラマンシージュース。
食:16時、機内食
食:23時、ご飯、いなり寿司、味噌汁、野菜の煮物、キンキの塩焼き、トマトサラダ、ワカメ、もずく、大根おろし、沢庵、梅干し。

油揚げに幸あれ。これほどうまい寿司はない

6月17日(日)
曇りのち晴れ。水底妹が1週間泊まっていたので、水底とともに車で家まで送ることに。昼ご飯は、 昨日のキンキの塩焼きをほぐして葱と卵で焼きめしをつくる。車で買い物をして家に戻り、一仕事して、うどんをつくり、食べて仕事して寝る。 うどんは、キンカとイワシの煮干しでだしをとり水底かえしを入れたものを汁にする。葱をたっぷり入れる。明日は冷凍してあるカレーを食べよう。

購入:ミカンジュース、ヨーグルト、冷やし中華、もずく。

食:13時、焼きめし、鮭のお茶漬け、いなり寿司、野菜の煮物。
食:21時、きつねうどん、野菜の煮物、板わさ、バナナ。
油揚げに幸あれ。これほどうまいうどんはない

6月18日(月)
晴れ。昼飯は、カレー。フィリピンに出かける前につくったカレーを水底が冷凍しておいたのだ。大麦とグリーンピース入りご飯を炊き、 カレーを温める。カレーはおいしい。いついかなるときでも。午後は、車で外出。ねもはもの印刷が上がるので印刷所に取りに行く。 そのまま新橋の事務所へ。メールがウイルスに汚染されているようだということで騒いでいる。ウイルス駆除ソフトを購入し、 インターネットでウイルスファイルを更新した上でチェック。メールソフトがマイクロソフト社ご謹製ではないため、感染はしていない様子。やはり、 マイクロソフト社ソフトを使わないように設定しておいて正解であった。しかし、今後のこともあるので、 全パソコンにウイルス駆除ソフトを導入することで合意する。今度、パッケージを購入し、導入する。すでに、 先日私がシステムを決めたパソコン2台が到着しているのでそれの設定を21日に行うこととした。
夕方水底が合流し、みんなで居酒屋へ。スタッフの一人が家族ぐるみでスイスのジュネーブに3年間暮らすため、その壮行会である。母子で参加。 父親は家で荷物整理をしているという。ジュネーブでの食事と子育てについてメールで原稿をもらいたいとお願いする。楽しみ。
居酒屋の料理は、魚料理をうたっているわりに、刺身が水っぽくていけない。もちろん、私は酒を飲まないし、車でもあるのでウーロン茶も控え気味。 ずっと水底とおかずばかりを食べていた。
帰宅後、満ち足りない気持ちだったが、一仕事して寝る。

食:12時、豆ご飯のカレーライス。
食:19時、居酒屋で刺身、鉄板焼きなど。

6月19日(火)
晴れのち曇り一時雨。九州などでは大雨とか。梅雨である。朝から宅配や電話やFAXやメール。仕事だ、仕事だ楽しいな。いや、 もちろんフィリピンも仕事だったのだが。まだ頭が戻っていない。数日経ってから鮮烈な印象になるような気がする。まだ、早い。
インターネットの接続環境がまもなくADSL化すると思ったら、YAHOOが8メガで低価格のDSLサービスをはじめるという。 通信の世界で低価格化はものすごい勢いだ。まいった。しかし、しばらくは1.5メガのADSLで過ごそう。それから考えることにする。
昼は、九州棒ラーメン、キクラゲ、葱、海苔、ごま入り。それに昨日の残り。夜は、気合いを入れる。水底の希望で、干し椎茸の煮物。 それだけだと何なので、人参と大根も入れる。味付けは醤油と日本酒。干し椎茸の戻し汁で味噌汁。大根、小松菜、アオサ。 水底が下処理して冷凍保存していたアジフライを揚げる。タマネギ、トマト、卵をオリーブオイルで炒めて塩胡椒で味付けする。納豆、もずく、 残っていたカレー。ご飯は、昨日同様グリーンピースと大麦のご飯。豪華絢爛。肉はアジだけだけど。

食:13時、ご飯、ラーメン、カレー。
食:21時半、豆大麦ご飯、アジフライ、卵タマネギトマト炒め、椎茸と野菜の煮物、納豆、もずく、味噌汁、カレー。

6月20日(水)
曇り、夜に雨。午前中、少しだけ仕事をすませ、昨日と同じようにタマネギとトマトを、今度はニンニクも加えて炒め、卵を落とした具をつくる。 これに国産スパゲッティを茹でて混ぜると、洋風焼きうどんとでも言えるものができる。午後からは、千葉市まで足を運ぶ。多摩からは、とても遠い。 環境運動を続けている私よりも年下の女性が次の参議院議員選挙で千葉県選挙区より立候補することになった。応援がてら、勉強会の講師に呼ばれる。 農業や食料についての動向、農政について。今、そんなことをしているときではないのだが、当選するには歩き回り、話し続けるしかない。大変だ。 がんばって欲しい。
夜遅く帰還。水底がご飯をつくっておいてくれる。とは言っても野菜などがあまりない。水さらしの玉葱とワカメのサラダ、サンマの缶詰、 お麩と小松菜の味噌汁、マカロニとアボガドのサラダ、昨日の煮物の残り。それに、冷凍してあったキーマカレー。ごちそうじゃないか。家はいい。

食:12時、洋風焼きうどん風スパゲッティ。
食:24時、ご飯、味噌汁、サラダ、煮物、サンマ缶、マカロニサラダ、カレー。

もうなんだかわからないスパゲッティ

6月21日(木)
雨。朝早くから外出。新橋の事務所へ。終日パソコンのネットワーク設定を続ける。2台新たにウィンドウズ2000の高性能マシンを組み入れ、 そのうち1台をファイルサーバにする。それにあわせ、各パソコンのセキュリティを強め、また、ネットワーク環境を変える。 プリンタにサーバを導入する。そんな作業をずっとずっとずーっと、続ける。朝の9時から夜の10時半まで続ける。帰宅は深夜。ぐったり。 水底のご飯を夜中に食べて寝る。ご飯、サバの缶詰、納豆に、トマトとキャベツが鶏を煮たスープで煮込まれている。小松菜のごま和えがある。 キュウリの酢の物がある。ビバ、おかず。ビバ、ご飯。味噌汁は、油揚げが大切りにしてあって、とてもおいしかった。ビバ、味噌汁。家はいい。

宅配:キャベツ、レタス、しそ、アスパラ、キュウリ、トマト、トウモロコシ、小松菜、スモモ、 メロン、豆腐、油揚げ、納豆、鶏もも肉

食:9時、パン(買い食い、私のみ)
食:12時、立ち食いそば
食:19時、立ち食いそば
食:24時、ご飯、味噌汁、トマトとキャベツのスープ煮、小松菜のごま和え、キュウリの酢の物、サバの缶詰、納豆、カレー。

ナスです。きれいにむけてます。

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06月30日土曜日 2001年6月22日~30日 (はる食日記)

6月22日(金)
晴のち曇り。ブロードバンドがやってきた!朝、 NTTの工事が入る。わが家の電話回線は、2回線引かれていたことが判明。そこで、このもう1回線を有効利用してADSL化する。なぜなれば、 わが家は、ISDNを残したままの契約だからである。NTTの局より遠いので、 もしかすると回線速度が200KBぐらいしか出ないかも知れないということを教えられる。なお、 多摩ニュータウンあたりで平均800MBぐらいだそうだ。工事はあっけなく終わり、いちおう品質も安定したので工事の人が帰る。
こちらは、LANの設定を変えるのに少々手こずったが、それでも15分ぐらいで開通。あっけないものだ。友人が多摩の近所に住んでいて、 すでにフレッツADSLを運用しているので電話をかけて、お互いに同じベンチマークをとってみる。プロバイダの違いもあろうかと思うが、 2割ほど彼の方が早い。しかし、それでも私のところで800KBぐらいは出ているので、使用には不満がない。早い。仕事の効率が上がる。嬉しい。
久しぶりに髪を切る。すっきりした。
水底妹来る。夕食は水底がつくる。いつもの大麦たっぷりご飯、油揚げと豆腐の味噌汁、アジの塩焼き、アジのなめろう、焼きナス、 揚げナス三杯酢びたし、焼きナスペーストのババガヌージュ、ナスと野菜の冷製スープ、ナスづくし。

購入:かまぼこ、納豆、ナス、アジ、モヤシ、ケチャップ、もずく、冷やし中華乾麺、冷凍うどん、 食パン。

食:12時、冷やし中華、ご飯、小松菜のごま和え、キュウリの酢のもの。
食:21時、ご飯、味噌汁、アジの塩焼き、アジのなめろう、焼きナス、揚げナスびたし、ババガヌージュ、ナスの冷製スープ、 トマトとキャベツのスープ煮残り、キュウリの酢の物残り、小松菜のごま和え残り。

この下に麺があります。冷やし中華

焼きなすはなすとはちがうなすにちがいない

あじはこわい、こわいこわい。食べてしまおう

6月23日(土)
曇り。午後起床。ババガヌージュをおいしく食べるためにパスタを茹でる水底。ついでにトーストも焼く。焼きナスペーストは、 いろんなものによく合う。
ふたりで外出。私と水底の元同僚の女性達3人と会食。私の回りには女性が4名。素敵なことである。タイ料理とベトナム料理が出る料理屋に行く。 みな総じて健啖家なので私と水底以外はよく飲み、よく食べる。私たちはただひたすら食べる。 米を発酵させたものが入っているソーセージは酸味があっておいしかった。また、ココナッツフレークやピーナツ、 唐辛子などなどをシソ科の葉にくるんで食べる宮廷のおやつとやらは、そのままビールのつまみや軽いご飯のふりかけといったところであった。 食べながら、食べものの話で盛り上がる。韓国通がいるので、今度韓国に連れて行って欲しいというお願いをする。みんなで韓国に行き、 ご飯を食べて食べて食べまくるのだ。韓国のご飯はおいしい。隣の国なのに食への関心の高さは全然違う。学ぶべきところが多い。 料理屋は新宿の歌舞伎町の奥なので行きも帰りも人が多い。タバコもすごい。私は帰り道でタバコの火が手にあたって熱い思いをした。 よくぞ暴動が起きないものだ。空気も悪いし。結局ぐったりして帰る。帰宅し、風呂に入り、食パンをかじってパソコンに向かい、寝る。

食:14時、ババガヌージュスパゲッティ、食パン。
食:18時~、タイ料理、ベトナム料理(外食)

6月24日(日)
曇り。東京都議会議員選挙。ペルーで大地震、フィリピンのルソン島南部マヨン火山噴火。昼前に、 某大手生命保険会社の新入社員にたたき起こされる。ドアベルが鳴ると、仕事で宅配便などの可能性があるため、出ないわけにはいかない。 宗教や営業の場合だと本当に脱力する。新聞が差してあるということは、まだ起きていない可能性が高いということである。 たとえそれが昼であっても、だ。もし本当に相手にして欲しかったら、そういう状況も見極めるべきだよ、新入社員諸君。
3日前のご飯を冷蔵庫に発見。玉葱と人参とともに炒めることでよしとする。キャベツ、モヤシ、人参、 アスパラを入れたインスタント塩ラーメンをこしらえる。塩ラーメンは水底の好物。とりわけキャベツを入れた塩ラーメンを好む。
夕方選挙に行く。私と水底の選挙や政治に対する考え方は異なっているが、選挙に行くという権利行使についてだけは一致している。 せっかく近代に確立した権利である。放棄する人が多いのは誠にもったいない。もちろん、 投票しないという権利も持ち合わせているのだからそれを間違っているとは言わないが、留保してもたまる権利ではないのだから、 行使するにこしたことはないと思う。
その後買い物。金目鯛が少し安かったので、煮付けにしようと衝動買い。安いといっても、ふだん買う鯵や鯖、鰯といった魚よりは高い。 今日はぜいたくだ。
ご飯を炊き、炒めた人参と玉葱入り、グリーンピース入りのポテトサラダをこしらえる。小松菜とモヤシと油揚げと豆腐の味噌汁をこしらえる。 金目鯛を醤油、日本酒、みりんなどで煮付ける。鹿児島の薩摩揚げを売っていたので、それもおかずにする。納豆も食べる。もずくも食べる。 豪華な食卓。そして、ほっとする。
深夜、地震。短く大きく揺れる。怖い。

購入:オレンジジュース、金目鯛、葱、じゃが芋、塩ワカメ、薩摩揚げ、牛乳、分付き大麦。

食:14時、炒めご飯、ラーメン。
食:22時、ご飯、味噌汁、金目鯛の煮付け、ポテトサラダ、もずく酢、納豆、薩摩揚げ。

もずくともくずはよく似ている、これはもずく、 おいしい方

6月25日(月)
曇り。蒸し暑い1日。実家から修理すべきパソコンと野菜が届く。パソコンは音を鳴らしたいそうである。鳴らしましょう。野菜は、 九州の太陽をあびて、おいしそうな濃い色をしている。ナスが大量に届く。実家の付近の地元品種である。味噌汁によく合うのだ。
水底が風邪気味でお腹の調子がよろしくないらしい。雑炊にする。昆布、干しエビ、小松菜、葱、卵、モヤシぐらいしかなかったが、 それでもおいしくできた。夜は、大麦入りご飯をいつものように炊く。味噌汁は、豆腐、小松菜、じゃが芋、人参、ナス、玉葱。 薄切りにしたゴーヤをごま油で炒めて日本酒、みりん、醤油、卵でゴーヤ炒めをつくる。インゲン、アスパラ、ナス、小松菜、玉葱、人参、ピーマン、 冷凍エビを使って八宝菜をこしらえる。ちょうど8品目ある。あ、キクラゲを入れればよかった。キュウリを薄く切り、塩もみ後、 酢と梅シロップとマヨネーズで和える。もずくも、納豆も食べる。もずくは、戻しもずくのパックを買ってきて、酢をたっぷり入れる。 味付けもずくの5倍ぐらいの密度で入っているためふたりともたっぷりのもずくとたっぷりの酢を食べている。納豆は大粒。もちろん、大粒。 大粒に限る。毎日ごちそうだが、あまり畜肉を食べていないことに気がつく。

購入:小松菜、じゃが芋、玉葱、人参、ヨーグルト、トマトペースト、もずく。
届き物:ナス、ゴーヤ、ピーマン、キュウリ、粕漬け、高菜の古漬けなど。


食:15時、雑炊、金目鯛、ポテトサラダ。
食:21時、ご飯、味噌汁、八宝菜、ゴーヤ炒め、もずく酢、納豆、キュウリのサラダ。

ゴーヤって美しい野菜です。

赤い魚はどこから来たの、脂に乗ってどこから来たの

暑いときには暑く食べる。あんかけじゃい。

6月26日(火)
蒸し暑い。新橋の事務所。いつものように事務所のそばの立ち食いそばやでそばを食べる。いつもなら温かいそばを食べるのだが、 さすがに今日はせいろ。汗が出て止まらない。ネットワーク設定、打ち合わせなどをすませて夜帰宅。ご飯は、トルコのナス料理。 ナスとヨーグルトとバターとオリーブオイルとニンニクの入ったようなペースト。挽肉と玉葱炒めクミンなどで風味をつけた具をナスに詰め、 トマトでフタをしてオリーブオイルをかけてオーブンで焼いたもの。それに、小松菜やじゃが芋、人参の味噌汁。高菜漬けに納豆。 大麦入りのご飯をわしわしと食べる。

食:12時、立ち食いそば(外食、私のみ)
食:21時、ご飯、味噌汁、ナスの肉詰めオーブン焼き、ナスペースト、納豆、高菜漬け、八宝菜の残り、キュウリサラダの残り。

これもまた焼きなすのひとつのかたち

夏野菜をオーブンでいじめる

6月27日(水)
晴れ。蒸し暑い。まるで東南アジアだ。湿度の中を歩いている感じ。首都中心部では33度以上だったらしい。明日からの東北出張に備え、車の点検、 水底の必要な物買い出しにでかける。車の整備は問題なし。そろそろタイヤを交換しなければならないと思っている。
昨日ご飯を冷蔵庫にしまい忘れていた。梅干しも入れ忘れていた。すえていた。料理をすべて終えてから気がつく。やむなくあらためて炊く。 悪くなったご飯は、裏山に置いた。菌の餌である。さすがにもうこの時期になると、ちょっと油断すると傷みが早い。気を付けよう。ご飯は、 私がゴーヤとトマトを刻み、ごま油で炒め、卵を炒め醤油で味付けしたゴーヤ炒め。それに、ニンニク、生姜、豚の挽肉、ドウチ、豆板醤、胡椒、 ごま、ごま油、ナス、醤油、日本酒でつくる麻婆ナス。ナスがおいしい。高菜の古漬けはごま油、ごまと一緒に炒めた。 こうすると酸味が利いて実においしくなる。夜は、キャベツ、インゲン、ピーマンの焼きそば。水底が人参をオリーブオイルで炒め、 ヨーグルトと塩で和えたトルコ風サラダをこしらえる。

購入:ミカンストレートジュース、ヨーグルト、飲むヨーグルト、牛乳、インスタント焼きそば、 カレールー、トマト缶。

食:15時、ご飯、昨日の味噌汁、麻婆ナス、ゴーヤとトマトの卵炒め、高菜漬け炒め、 ナスヨーグルトペースト、食パン。
食:23時、焼きそば、人参ヨーグルトサラダ、ご飯、麻婆ナス、ゴーヤ炒め、高菜漬け炒め。

6月28日(木)
晴れ。日中仕事。買い物など。夜、車で出発。秋田県まで高速道路をひとりゆく。水底はお留守番。水底が風邪気味であり、少し気がかり。 これから1週間、東北の田んぼを回る仕事。
昼にそうめんと、ナスのレンジ蒸し。夜はカレー。長期出張の時にはカレーを作るならいとなっている。ニンニク、生姜、玉葱、人参、豚バラ肉、 ナスとピーマンをたっぷりたっぷり入れてつくる。

宅配:大根、ほうれん草、キュウリ、空豆、スモモ、トマト、人参、レタス、トウモロコシ、バナナ、 梅、ジャガイモ、玉葱、ナス、ところてん、レモン果汁、豚バラブロック、油揚げ、豆腐、こんにゃく、鶏もも肉。

食:13時、そうめん、ナス蒸し。
食:21時、大麦入りご飯、ナス豚カレー、キュウリの塩もみサラダ、ヨーグルト。

6月29日(金)
今日は、長い長い1日。午前3時頃から少しずつ闇が明けていく。秋田道路に入り、秋田側となったところで土砂降りの雨が降りはじめる。 小さな車なのでスリップしやすい。路面は冠水、前は見えない。予定より早く、7時前にに大潟村入り。 八郎潟のコンビニでブルーベリーマーガリンパンを食べる。ローカルメーカーのパンだが、これが実にまずい。 とりわけブルーベリージャムがどうしたわけか気持ち悪い。徹夜で車を走らせていたのもあろうが、1日中なんども気持ち悪くなる。
大潟村の道も水であふれていた。
予定より早く着いたので、大潟村の温泉に行き、そこで朝定食を食べる。魚の煮付け。大潟村の温泉は塩っぱい。
一休みして、山本町へ。米生産確認が主目的だが、大豆を作ってもらっているので、その確認もする。カエルが山ほどいた。 それをめあてにアオダイショウもいる。我々が来ると驚いて、カエルが田んぼに飛び込み、アオダイショウも田んぼに飛び込む。 アオダイショウは泳ぐ。頭を水の上に出したまま泳ぐ。1メートルクラスのヘビが泳ぐ様は壮観である。
昼は、山本町の生産者宅にて。出前の刺身と寿司。鶏とゴボウとマイタケの鍋に豆腐と葱とジュンサイを入れて食べる。ここの鶏だしは美味。 このほか、山菜でフキによく似たミズの炒め物や漬け物を食べる。
その後大潟村へ。今度は五城目の温泉に行く。こちらは山の温泉でイオウ臭いが体がよく温まる。夕食は和風レストラン。牡蠣やアユ、ミズのたたき、 刺身定食などを食べる。ミズの根っこ部分を叩いて味噌であえたものは粘りが強くなかなかの美味であった。

食:6時、パン、コーヒー(以下私のみ)
食:8時半、朝定食、ご飯、味噌汁、豆腐、魚の煮付けなど。
食:12時、寿司、刺身、鶏ごぼうキノコ鍋ジュンサイ入り、ミズの炒め物、漬け物など。
食:21時、刺身定食など。

6月30日(土)
晴れ。大潟村。朝、目が覚めたのが8時、温泉の朝定食には間に合いそうにない。 大潟村によく来ているS水さんとともに昨日のY本さん宅に押しかけ、朝食をごちそうになる。バラ寿司、卵焼き、漬け物、アサリの味噌汁など。
午前中は、大潟村の生産者グループ、ライスロッヂ大潟のほ場確認会と勉強会。
ここのメンバーは全員が勉強熱心である。さすが入植組だけのことはあり、有機農業のための技術や農業知識、経験が奥深い。それぞれが一論を持ち、 しかも、それを議論するので聞いているこちらも勉強になる。
大潟村は今年カエルが少ない。山本町とは対照的。
昼に、S水さんとともに大潟村を出発。
午後3時頃に野菜入りタンメンを食べる。
S水さんは、釣り道具屋で釣り道具一式を購入。毎回送ったりしていては、宅配代がかかりすぎるので、 それぞれの生産者のところに安い竿を一式置いておくとのこと、それでいつでも好きなときに釣りができるとか。早起きのS水氏ならではの発想。 釣り道具屋は様々な道具があっておもしろい。私は麦わら帽子を購入。
空曇りはじめ、やがて雨が降ってくる。
麦わら帽子のせいか。
山形県庄内のS藤さんと合流し、飲み屋を経由してS藤さん宅へ。夜中、 約1年前に購入して接続していないインターネットへの接続をすることになる。ざっと見てから、奥方とお金の相談をして、方針決定。 翌朝接続のための手続きをすることになる。奥方、高校3年生の娘さんがとても喜んでいた。
午前1時就寝。夢も見ない。

購入:カボチャ、西洋カボチャ、豆、カボチャパイ、稲庭うどん、そうめん。

食:8時半、バラ寿司、味噌汁、卵焼き、漬け物(Y本さん宅にて)
食:15時、タンメン(ラーメン屋)
食:19時、厚揚げ(ざぶとん)、生ガキ、イワシ刺し、弁慶めし(焼きおにぎり
菜っぱ包み)、枝豆、ウーロン茶(居酒屋)

| カテゴリ:はる食日記 | 2001年6月22日~30日 | 2001年6月30日

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