ちれぢれ草 「食事編1」  2001.11.12
池田久子

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〜〜〜〜  ちれぢれ草 〜〜〜〜 1巻  「食事編1」  2001.11.12
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「 ちれぢれ草」は、チリ共和国に青年海外協力隊の村落開発普及員として
赴任しているわたくしが、日本から17000キロ離れた任国チリを少しでも知
っていただきたく、日々雑感を徒然なるままに綴ってお送りさせて頂きます。
ご不要の方はお手数ですがご連絡ください。   送信者:池田久子
 
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食事編1

日本では「チリ」と呼ぶけれど、スペイン語で「チレ」と発音するこの国、
「チリソース」をイメージされて、辛い料理が多いのか?と心配され
ましたが、スペインの田舎風料理というのがチレの伝統料理らしく、
味付けもいたってノーマルな洋食です。レストランによっては塩辛い
ところもあるけれど、幸い我が家のマリア小母さんの味付けはとても
おいしいので、いつも大げさに思いっきり褒めちぎりながら食べてます。

チレでは昼が1日で一番大事なので、前菜、メイン、デザートのように
きちんと食べますが、朝や夕方はほとんどパンとお茶類だけであまり
調理しないのが普通のようです。
私も朝8時すぎにパンと農家宅配の牛乳で朝食をとり、出勤?します。
1時には職場から200メートルほどの家に戻って、2時までゆっくりと
お食事。サラダかスープを、次に肉などのメイン料理、最後にフルーツ
というかんじです。そうそう、忘れてはならないのが赤ワイン。
コーラやジュースよりも安い1リットル50円くらいの農家手製のもので、
透明度は低く素朴な手作りというかんじですがこれが結構いけます。
コップに3分の1杯くらい飲むだけですからご心配なく、酔いませんよ。
それでも対岸の牛の放牧地を眺めながら、赤ワインをちびり、とやると
無添加で地元産のこのワイン一口がなんとも贅沢で満ち足りた気分に
浸れるのですよ、ほんとうに。ちょっと自慢たらしいですね?

さて夕方は7時半か8時ころパンと紅茶。つぶして塩を加えたアボガド
やチーズ、ハムなどをパンにはさんで食べたり、トマトや卵、ソーセージ
を食べる程度。慣れてしまうとこれで十分で、お菓子の買い食いもしず、
体調も良く、あれ?少しズボンがきつくなったかなというような感じ。

この家で暮らし始めて2ヶ月半、毎日の食事メニューの記録を続けて
います。日記はなかなか続かないのだけどこれなら続きそうです。
話題づくりや料理のリクエストにこの食日記も一役買っています。
「料理は一種の芸術よ」と言いきるマリア小母さん。おいしさの秘訣
は弱火で時間をかけること、そして大切な調味料は愛情、だそうです。

小母さんは「40年同じように料理を作ってきたけど夫は誉めることなく
ただ食べるだけ。あなたが来ていつも誉めるから、影響されて最近は
おいしいと言ってくれるようになったワ」と喜んでくれています。
今のところまだチレ料理に飽きないというのは、小母さんのたっぷり
そそがれた愛情のおかげと感謝しつつ、未だ十分でない言葉を補う
笑顔と大げさなリアクションでこれに応えていこうと思う毎日です。

次回は私の大好物メニューをご紹介します。

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