農と食の環境フォーラム版
大豆トラスト3年目の報告

牧下圭貴

 全国で主に米の減反により大豆の作付けが増えています。国産自給率がとても低い大豆ですから、そのことにはとても喜んでいるのですが、ふたつ、気がかりがあります。ひとつは、遺伝子組み換えの動向です。遺伝子組み換え種子メーカー(農薬メーカーです)が、試験的栽培を各地の生産者にもちかけたという情報が入っています。栽培だけを依頼し、収穫はさせなかったということです。すでに、農水省の栽培確認、厚生労働省の食品としての確認を受けた遺伝子組み換え大豆があります。それらは、国内で栽培、出荷することができます。そこで、テストと本格的普及を前にした下準備ではないかと考えられます。
 国産=非遺伝子組み換えと思ってきたのですが、このままでは国産も要注意ということになりかねません。
 もうひとつは、価格の動向です。大規模な国産大豆作付けが行われる一方で、大豆畑トラストや契約栽培などを除き、流通、加工側の需要が少ないため、国産大豆が大幅にだぶつき、価格が暴落しているというのです。それでも、減反にともなう補助金などもあり、生産者は栽培しているようですが、農業生産としては成り立たないような状況だといいます。一時期のブームで終わるのではないかと心配です。
 国産大豆を消費者が選び、それが、加工流通業を動かします。国産大豆作付けが一時のブームに終わらないよう、取り組みたいものです。

 さて、6月号でご紹介した大豆畑トラスト、今年も収穫を迎えました。今年も取り扱いの量はほんのわずかで、40kg弱でしたが、申込者数は若干増えましたので、今後とも続けていきたいと思います。
 今年のできは、過去最高。収量はそれほどよくなかったそうですが、粒はとても大きくてきれいで、そして味も上々です。きっとおいしい味噌ができるでしょう。
 生産者からの手紙が届いています。

開拓農場豆だより

 こんにちは。ごぶさたでした。今年も無農薬栽培大豆をお届けさせていただきましてありがとうございます。
 6月18日に種蒔きをいたしました。6月29日には、牧下さんが提携米ネットワークもかねての現地確認に参りました。
 その後の生育は順調で、11年12年連続の猛暑も、今夏はすごしやすい天候でしたので秋の実入りも良好でした。
 今年も、他の早く種蒔きをした人の豆はカメムシにやられました。当然農薬使用です。ですが、僕はよそ様より遅く種蒔きをするためカメムシの活動のピークを過ぎてから花が終わり、稔りはじめるので食害もほとんどなく、木酢液を1回散布、それも田んぼにやるついでだったのですが、それだけで終わりました。
 ただ、春先からの雨不足で土が乾いて、ネキリ虫が多発して、発芽まもないのをかなり食べられてしまい、結果的に疎植になりました。収量ではプラスになりませんでしたが、粒が大きめでキレイな豆が穫れました。食味もよいです。
 どうかよい味噌をおつくりになってください。
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 秋田県山本郡山本町、土橋敏郎、義子


 来年度も引き続き行いますので、ぜひご参加ください。
 次のような内容です。

 大豆は、無農薬。品種はリュウホウ。作付けは6月20日頃、出荷は、収穫して一応の選別をかけた状態で、12月はじめになります。
1口=2kg、1200円から何口でも。
事務局(多摩市)に大豆を取りにこられる方、または、相談の上、事務局の人間が車で届けられる地域にお住まいの方は、1口から申し込めます。
事務局は遠いという方は、最低5口=10kgを近隣で集めて、一括して申込みください。その場合、送料がかかりません。
生産者からのお便りや事務通信は、電子メールで行います。
募集期間:7月10日頃まで。
申込は、農と食の環境フォーラム・牧下圭貴までお願いします。

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