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1998年11月1週

レシピもいくつかありますが、後日掲載。
3日のスパゲッティ 6日の水餃子→めしまんへ

1998年11月1日(日) 晴
 晴れてはいるが、肌寒い。おや、11月ではないか。寒くてもしかたがないね。
 冬物を少々出す。月末に引っ越しを予定しているので、出しすぎず、寒くないようにしなければいかん。
 今日も、水底は山で虫取り。こんにゃくがおいしいらしい。
 金曜から土曜日にかけて徹夜だったので、昨夜午後11時にはぐっすりと電灯もつけっぱなしで眠ってしまった。そして、起きたのは11時。まるまる12時間寝ていたことになる。我ながらめずらしいことだ。
 そういえば、中学、高校の頃、田舎の私の部屋は2階だったのだが、周囲に家が少ないためよく目立つ場所だった。私は今と同様に、深夜、マンガや小説を読み、ラジオに耳を傾けて、あげくに電灯をつけたまま寝ていたのだが、人々はそんな明かりを見て、なんと勉強する子どもだろうと思っていたらしい。
 さてと、現実の私は、のそのそと起き出して、部屋の掃除などを行なう。
 食事は…、手抜きですわ。昼が、ワカメとキクラゲにゴマをたっぷり入れ、海苔を添えたインスタントラーメンにキャベツサラダとご飯。夜は、スパゲッティバジルソースにキャベツとソーセージとジャコの炒め物とご飯。とほほ。

食:12時、インスタントラーメン、キャベツサラダ、ご飯。
食:22時、スパゲッティバジルソース、キャベツとソーセージとジャコ炒め、ご飯。
その頃、水底は
朝:宿にて、ごはん、きのことわかめの味噌汁、きのこの佃煮、きのことわかめの味噌汁、きのこと豚肉の炒め物、春菊の胡麻和え、きのこのみぞれ和え、白菜漬け2種
昼:大鹿村ビガーハウス(土産物屋兼食堂)にて、各自、朝雑貨屋で仕入れた鬼まんじゅう、石のような赤飯おにぎり、もらったかき揚げ、自作オヤツ(くるみのビスコッティ、ペカンナッツのパウンドケーキ)
夜:宿にて、鮎の塩焼き、こんにゃくの刺身、マツタケのホイル焼き、川魚の刺身、鶏と野菜の素揚げ、クリタケごはん、マツタケ豆腐、ごぼうの味噌添え、川魚のねぎ味噌炒め、大根の煮物、豆腐ときのこの味噌汁、野沢菜漬け


11月2日(月) 曇り
 寒い。今日予定されていた会議が急きょ中止になった。風邪がはやっているようだ。実は私も少々鼻がたれる。わざわざこんな日に、とも思うが、髪を切りに行った。いつも髪を切るとちょっと風邪っぽくなるが、髪を切りたくなるのもこんな日である。私は髪の毛の数が異様に多いため、ちょっと伸びると頭に熱がこもって頭痛の原因となる。ここ数日、「そろそろ」と思っていたところであった。それが風邪のせいなのか、髪の毛のせいなのかは分からない。切ってみれば分かることだ。
 どうやら風邪のせいだったらしい。しかし、髪を切らなければ、頭痛はひどくなるだろうし、風邪の時に辛いだろう。風邪を引いたのも、頭に熱がこもったせいかもしれない。ならば、風邪だろうが、風邪でなかろうが、髪を切らなければならないことには変わりない。ならば、よし。
 昼は、インドカレー屋に入り、本日のスペシャル(マトンと野菜)カレーとナンを食べる。カルダモンが効いていて、風邪や胃腸にはよさそうである。その後、鯛焼きを食べ、小豆で体力を取り戻す。
 水底が帰ってくる前に、懸案であった障子の補修と網戸の補修を済ませる。
 夜は、水底のおみやげである手作りこんにゃくを用いて、刺身をつくる。それに、カボチャ、キノコ、里芋、厚揚げ入りの味噌汁、大根葉とジャコと桜エビのピリから炒め、ゴボウのツナ・ゴマ・マヨ・サラダ・キュウリ添え、ジャガイモのベーコンバジルペースト炒めチーズかけをこしらえて食べる。やっと日常が戻る。

朝:宿にて、ごはん、根菜ときのこの豚汁、つる菜のおひたし、茗荷の梅酢漬け、きゅうりの漬け物、きのこの佃煮(水底のみ)
食:13時、インドカレー、ナン、コーヒー、鯛焼き(私のみ)
食:20時、ご飯、味噌汁、コンニャク刺身、ツナゴボウサラダ、バジルジャガイモ、大根葉炒め。


11月3日(祝) 晴
 冬の中ですっきりと晴れてちょっと暖かくなった1日という風情。わが親愛なる友人たにお(独身男性、会社員)も引越しが決まったという連絡があり、身内界隈では突如として引越しブームになってしまった。
 たにお氏の部屋は、私がひとりでいたころにはよく訪ねたものだが、水底とともに住むようになってからは一度も訪ねていなかった。水底がぜひ見たいと言うので、みやげに団子を持って遊びに行く。狭い部屋はパソコンが入り、身動きができなくなっていた。かつては、ここに5人ほど集まって鍋をしたり、3人で牡蠣打ちからはじめた牡蠣づくしパーティをしたこともあった。彼は、ここに4年ほど住んだことになる。帰りに、別の友人からの預かりものをもらった。ハムと漬け物らしい。
 水底がつい先日から、「ハムステーキ」とつぶやいていたので、ちょうど良い。夕食にはハムステーキとしよう。
 ところが、である。いただいておきながら恐縮するのだが、ロースハムを厚切りにして焼いて食べたれば、これが、腹にたまる。口の中にはアニアニと何かが残る。ううっ、市販一般製品ときたら…。すまぬ。食べたが、腹が重い。残りは、明日、焼きめしにしよう。ならば、おいしいだろう。
 ちなみに昼は、スパゲッティを食べる。昨日の大根葉炒めを使い、ニンニク、トマト、しめじ、大根を炒めたもの。水底が作ってくれた。うまかった。飯のおかずにもなる。

食:13時、ごはん、スパゲッティ。
食:21時、ご飯、ハムステーキ・ニンニクと椎茸添え、キュウリとキャベツのユズマヨサラ、里芋と大根とコンニャクとゴボウの煮物、小松菜と油揚げの味噌汁、どんから味噌。生卵(水底のみ)。


11月4日(水) 晴
  本日、里地ネットワーク主催で民族文化映像研究所のセミナーに参加。
 民族文化映像研究所は、主に日本の民族(民俗)を映像で残す仕事をしている。今日は、高知県椿山の焼畑とその村について、1970年代に4年ほどかけて撮影した映像を見て、その後、研究所所長で映画のディレクターである姫田さんに話を聞くというもの。この映像が、おもしろい。まず、焼畑の方法やそこで栽培される雑穀の播種、収穫方法、伝統的でていねいな豆腐の作り方、数世代に渡るヒエの備蓄や食べものに対する思い、地域習俗などがていねいに、そして撮影者の節度をもって描かれていた。
 傾斜30度のまさに急な斜面にへばりつくような30世帯の小さな集落。画面一杯の山が何度もあらわれる。
 インタビューがあるわけでもない。様々な人の行為、自然の摂理を描き、時に語るだけの映像。しかし、この映像は、集落とは何か、社会とは何か、農という営みとは何か、生活とは何か、現代の我々が何を見失っているのかを無言のうちに語りかけてくる。
 その静かな迫力と、静かな空間は、とても居心地の良いものであった。
 映画は体験ではなく、二次体験にしか過ぎない。しかし、「百聞は一見にしかず」。たとえば、「脱穀」の一言ですまされる行為が、どんな工夫と歴史を持つ知恵なのか、「焼畑」という言葉でくくられる一連の所作が、単なる農業形態を超えて、生産、消費、生活、存在にまでかかわることなのか、言葉で規定されない映像のメリットがここにある。
 また、映画のあとに伺った姫野さんのお話は、文化論、言語論、宇宙論、民族学など幅広い論や学を超えて、人と人との関係や、社会、人のありよう、個人の、集落の存在について考え、行動するエネルギーを与えてくれるようなものであり、不思議な、そして、楽しい、久しぶりに知的興奮のひとときを過ごすことができた。
 映像に、山の上で食べる夏みかんや、祝いの席、先祖を供養する蒸し饅頭などが登場し、腹がへる。
 終わってからついついラーメン屋さんの香りに惹かれ、水底とふたりで入る。博多系とんこつで、シンプルでもなかなかの味。

食:12時、もち粟入りご飯、ハムとタマネギとニンニクの焼きめし、小松菜とサツマイモと油揚げの味噌汁、煮物の残り、煮物の汁で煮た高野豆腐、サラダの残り、どんがら味噌。
食:21時、ラーメン。


11月5日(木) 晴
 木枯らし一番。ぐっと冬らしい天気になる。友人3名を招いて、手打ち蕎麦をふるまう。蕎麦粉8割に地粉2割を使い、500gずつ2回、合計1kgの蕎麦を打つ。蕎麦は実に面倒な作業だ。蕎麦は水を吸わないため、水回しと言って、少し水を入れては、指でぐるぐるぐるぐると押すようにかき回す作業を、何度も何度も繰り返し、パウダーが粒になり、粒が小さな玉になり、かたまりになるまで、根気よく回し続けるのである。一度に大量につくらないと労働力が食事のカロリーを超えてしまいそうな作業である。が、おもしろい。
 合わせて、友人のひとりに、手抜きうどんの実践を披露。安く、かつ、おいしく簡単にできるうどんである。魚柄仁之助氏のレシピによるもの。
 さて、ふるまったのは、他に、人参とタマネギと桜エビのかき揚げ、サツマイモとジャガイモのフライ、蕎麦かりんとう、ポークパストラミ(もらいもの)である。
 さらに、水底が、パンプキンパイを作り、デザートとする。食べた。

食:14時、買い食いのおいなりさん。
食:18時、手抜きうどん、手打ち蕎麦、かき揚げ、サツマイモとジャガイモのフライ、蕎麦かりんとう、ハム、パンプキンパイ、ビール、オレンジジュース。


11月6日(金) 晴
 朝、炒り豆腐と味噌汁をこしらえ、ご飯を食べて市ヶ谷へ。学校給食ニュース関係の打ち合わせ。どうも悪い風邪がはやっているようだ。昼、そのメンバーと日本テレビ前のうどん屋で昼食。午後、飯田橋で遺伝子組み換え関係の会合。夕方、そのメンバーと喫茶店でO−157や牛の品種の話で盛り上がる。夜、目白で里地ネットワーク関係の会合。地域づくりのあり方について話を聞く。ひさしぶりに、12時間働いた。
 夜は、買えると水底が水餃子を作ってくれていた。堪能する。

食:8時、ご飯、人参入り炒り豆腐、ジャガイモフライ、豆腐と油揚げと葱と呉汁素の味噌汁、納豆。
食:13時、うどん、ご飯。(私)
食:23時、ご飯、水餃子、葱と油揚げの味噌汁、炒り豆腐。


11月7日(土) 曇り
 午前中、不動産屋に行き、新住居の契約を済ませる。えらくきちんとしたところで、細かいところまで説明をしてくれる。本来そうあるべきなのだろうが。しかし、阪神大震災や地下鉄サリン事件以後、ずいぶんと契約条項が厳しくかつ細かくなっている。また、不況ということもあるのだろう。まいるね。とりあえず、新居が決まってめでたしめでたし。しかし、駐車場が付いていて、車を持っていないので何となく口惜しい。
 午後は、栄養士の勉強会で短大の栄養学教授に話を聞く。あまりに食物が多様化しているので、それが何からできているのか、どういう栄養があるのかを知ることが難しくなっている状況の中、食物が何から、どのように作られていることを知ることが大切だというお話だった。
 それにしても、食の外部化とは、誰が、どのようにして、何から作っているのか分からないものを、購入して食べるということである。しかも、その分からない範囲というのは、加工度が進むにつれ広がっていく。みんなよくそこまで他人を信じられるものだ。ある意味で、社会が成熟したと言えるのだろうか。生命の源を、まったくの第三者にゆだねているわけであろう。それだけの信頼がなければ、そのような委託はできないと思うのだが、いかがか。
 私は、不信のかたまりのような人間なので、素材ひとつとっても、どこから来たのかが気になって仕方がない。

食:12時、パン、オレンジジュース。
食:18時、ご飯、ケチャップハムライス、キャベツとキュウリのサラダ、炒り豆腐、小松菜と大根と油揚げの味噌汁。


6日の炒り豆腐 3日のサラダ
3日の煮物(こっちがメインだね) 3日のハムステーキ(えへへ)←めしまんへ


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