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1998年10月3週

ようやくサンマの写真…しかし、一口食べてから撮るとは。

10月15日(木) 曇り
 遠くの台風が影響しているのか、蒸し暑く、風が強い1日。10月も半分。日記を読み返してみると、外出が多かったせいもあるだろうが、肉をほとんど購入していないことに気づく。先月末に水底がつくった砂肝の南蛮漬け、それに、熊本で購入した黒豚皮付きバラ、都内で購入した鶏モモ1枚、以上である。ところが、外出すると、よく肉を食べている。外食すると、調子が悪いのは、そのせいであろう。別に、肉が悪いというのではない。肉は、旨い。特に、コラーゲンのようなものは肉ならでは。ただ、肉では、腸内の微生物が喜ばないのだ。野菜をたっぷりとると、腸の調子がすこぶるよろしくなる。これが、野菜中心になってしまう理由でもある。

食:12時、レタス春雨スープ、ご飯、キュウリのマヨサラ、ゴボウとレンコンと油揚げの煮物、キムチ。
食:20時、韓国風春雨味噌汁、ご飯、塩鮭、納豆、キュウリとキャベツとソーセージのサラダ、ほうれん草のおひたし。


10月16日(金) 曇り時々雨
 蒸し暑い、1日中風が強い。昨日と同じだ。ついにエアコンを入れてしまった。なにやら今月は忙しいようで、せっせと働いている自分がいる。働くと言っても、打ち合わせや会議で外に出るのと、部屋にこもってパソコンの画面や資料とにらめっこするだけなのだから、しようがない。すぐに運動不足による体調不良がやってくる。いいものを食べているが、それだけでは人間あかんのだ。適度な運動、できれば畑作業のようなものを1日数時間すればよいのだが。

食:13時、押し麦入り胚芽七分米、ほうれん草とワカメの味噌汁、塩鮭、天ぷら(サツマイモ、レンコン、タマネギかき揚げ)、キムチ。
食:21時、トムヤムアヤムのビーフン、ご飯、キムチ、塩鮭、天ぷらの残り。


10月17日(土) 雨、曇り
 台風の日だが、東京は静かなものである。昨日とは違って少々肌寒い。
 先日、結婚パーティでもらった新米を炊く。昨日までの胚芽七分米とは全然違う。炊き加減がややこしい。食べると、新米コシヒカリである。甘い。
 水底がビビムパブを食べると言って、ゼンマイ、豆モヤシ、人参のナムルと、ニンニクとゴマたっぷりのコチュジャンタレをつくる。さらにサンマの刺身をこしらえる。私は、飯を炊き、サンマの塩焼きと、キュウリと人参とタマネギ入りのポテトサラダ、油揚げとワカメの味噌汁をこしらえる。
 ふたりでがつがつと食べてしまった。どんぶりは危険だ。

食:12時、昨日の麺の残り(私)。
食:12時、台湾小皿料理屋で会食(水底)。
食:20時、ご飯、ゼンマイ、豆モヤシ、人参のナムル、サンマの刺身、ポテトサラダ、味噌汁、キムチ、サンマの塩焼き。


10月18日(日) 晴
 明け方激しい風で家が揺れた。日中は晴れたが強風であった。洗濯して、午後からは、知らない町探索に出かける。遠出の散歩である。3時間ほど歩き回り疲れて、甘味屋に入った。ちゃんとご飯を食べずに出てきたので、水底はきしめんに目がくらむ。私は、ぜんざいとおいなりのセットに目がくらむ。
 夜は、広島風お好み焼きの夕べである。豚バラ肉、キャベツ、豆モヤシ、少量のタマネギ、スルメ天、干しエビ、イリコ粉、カツオブシ、青海苔、麺、卵が層状に焼かれ、蒸されていく。広島風お好み焼きは、ピザであり、包み蒸しサラダである。

食:16時、甘味屋。
食:21時、広島風お好み焼き、ご飯、人参とゼンマイのナムル、ポテトサラダ、キムチ。


10月19日(月) 晴
 日本消費者連盟で打ち合わせなど。魚柄仁之助氏に電話で講演を依頼する。すぐに了解してもらえた。一度、直接話を伺いたかった人なので、楽しみである。
 魚柄氏は、俗に「ひと月9000円の食費」とか「貧乏料理のテクニック」などの言葉で知られているが、実のところ日本などの伝統的な乾物、保存食をうまく使って、栄養も、味も、見た目も、気持ちも豊かになる料理を紹介したり、その背景にある食生活や農業のあるべき姿などを表現している人なのである。自分の家に、自分が1カ月、2カ月は暮らせる食料があるという基本姿勢は、我が家と同じであり、我が家以上に徹底していて共感がもてる。
 夜は、水底が春雨と人参、豚バラ肉、レモン、唐辛子、パクチー(コリアンダー)などでつくる、タイのサラダ「ヤムウンセン」を仕込む。私は、レンコン、ゴボウ、人参、大根、生姜、油揚げと、水底が残した豚バラ肉を使って、根菜味噌汁を仕立てる。ずいぶんと寒くなってきたので、身体があたたまるものが欲しいのだ。

食:13時、コーヒー、オープンサンド(私)
食:13時、スパゲッティバジルソース(水底)
食:20時、大麦入りご飯、根菜汁、ヤムウンセン、キュウリとキャベツのサラダ。


10月20日(火) 
 ここ数日、貰い物の新米コシヒカリを食べている。くれた人に申し訳ないので、あまり批評めいたことは書かないでおこうと思ったのだが、なるほど、と思う部分もあったので、やはり書くことにしよう。
 私も、水底も、自他共に認めるコメ食いである。ここだけの話だが、調子にのるとおかず少々、コメ3合をふたりで軽く平らげることもある。
 ところが、新米コシヒカリを食べはじめてから、ふたりで1合半も入らない。コメが。さらに、それから数時間、ふたりとも胃がもたれてしまい、ガスがたまってしまう。
 どうしたことか。
 ふつうに3合食べるときは、直後は苦しいものの、しばらくすると俄然調子がよくなるのに、コシヒカリはとたんにもたれて、眠くなるが寝苦しいというつらい気持ちになってしまう。
 それに、おかずに合わないのだ。
 甘くて、甘いだけで…。
 きっと、このコメは、我々がふだん食べている有機米よりも高いのだろう。そして、食べるひとは、お茶碗に1膳で満足してしまうのだろう。
 こりゃあ、コメの消費量が落ちてもしょうがない、という感じである。
 ここからは想像だが、このコメには、微量成分が欠けているのではなかろうか。化学肥料中心でつくられているために、稲の根にも葉にも力がなく、微量な「力の素」になりそうなものが足りないままにコメの形をとるのではなかろうか。だから、腸の中で、微生物もふだんとは違い、ガスが溜まったりするのではなかろうか。
 あと、数キロ。早く、いつものコメに戻りたいと、高級コシヒカリ新米を前にため息をつくふたりであった。
 でも、くれた方への名誉のために申し添えると、そこら辺のまずいコメとは比べもんにならない位、質のいい、おいしいコメなんですよ。ただ、我々のわがままというヤツです。
 水底が、コショウとクミンの効いた豆スープをこしらえる。南アジア風でうまい。

食:13時、チャーハン、根菜汁の残り、サラダの残り、ヤムウンセンの残り。
食:21時、ご飯、豆スープ、イカのトマト煮。


10月21日(水) 曇りのち雨
 とても寒かった。冬が来るのではなかろうか。このところ、野菜が高いというニュースをよく見るようになった。長雨や天候不順で、葉菜、根菜ともに不作である。ここから持ち直せば、年末には回復するのだろうが、どうだろうか。あまりあてにできまい。
 百姓さんもつらいのだから、あるものを食べてしのごうと思うのが人情というものだが、おっとどっこい、太平洋の空を渡ってレタスが飛んでくるという。いやあ、91年の不作の時には、船便でレタスが来たものだが、今度は空ですかい。それだけ金をかけても儲かるときた。しかも、レタス。水と空気のかたまりではないか。それを、貴重な燃料と、空気を汚して、わざわざ日本の食卓へ。おいおい。
 輸入食品というものは、そのまま、産地国の土と水である。産地国では、日本よりも貴重であるべき土と水をわざわざ日本に渡しているのである。そして、日本は、それを有機物の形で購入するものだから、豊かな大地が過剰になり、海に溢れ出して汚れてしまう。
 困ったものだ。
 新米豪華コシヒカリ対策として、炊き込みご飯を思い立ち、結構する。干し椎茸、人参、大根、ひじき、煮干し、干しエビ、ゴボウ入りである。どうだ、まいったか、と思ったが、やはりコシヒカリは手強い。
 夜は、寒いので湯豆腐に。ところが、敷いた昆布に大根が入り、小松菜が入り、えのきが入るから、調子が狂う。あげくに、水底が簡単うどんを打ったため、それも入る、魚のつけ揚げも入るときた日には、これはもう湯豆腐ではなく、湯豆腐なべ、うどんすき風。これに、すいません、ちょっとざせつして、古米でも肌になじんだあきたこまちを炊かせていただきます、ということにあいなった。許せ。

食:12時、炊き込みご飯、豆スープの残り、イカのトマト煮、ワカメと小松菜の味噌汁。
食:19時、手打ちうどん入り湯豆腐鍋、タマネギとジャガイモの手作りベーコン炒めチーズがけ、ごはん。


15日夕食のサラダ。たまにはこーゆーのも。 16日の天ぷら。サツマイモがおいしいんです。
16日の天ぷら。タマネギだけだけど、甘い。
17日のビビムパブ。サンマの刺身です。 手作りベーコン。できたてがうまい。

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