1998年1月

1月は寒い

1998.1.1
晴のち曇り。
明けましておめでとうございます。
1日寝正月だったのよ。テレビをだらだら見ては、寝て、ちょっと起きては、寝て。本を読んでは、寝て。まだ、年賀状もできていないというのに。
食:0時頃、年越してしまったそばを食べる。水底がつくったそばつゆに鶏肉を入れ、温めておいた。昨年ふたりで打ったそばを茹でて、水にさらし、そのそばつゆに入れて温め直し、青ネギと唐辛子をふって食べる。昨夜のうち立て盛りそばも、しこしこして美味かったが、温めた汁そばも、そばの香りがつゆとだしの濃さに負けておらず、満腹であったにもかかわらず、軽く食べてしまった。
食:12時頃、おせちとお雑煮を食べる。僕は房州地ビール、水底はご飯。おせちの内容は、田作り、黒豆、サバの昆布巻き、ムラサキイモの芋ようかん、放牧豚の味噌豚、煮しめ、紅白なます。煮しめは、干しタケノコ、干し椎茸、芋がら、こんにゃく、人参、レンコン。本日のお雑煮は、丸目風の山雑煮。スルメと干しエビ、鶏肉でダシをとり、大豆もやしや小松菜、人参を煮て、焼き餅を入れる。本当は、かまぼこなども入れるのだが、買い忘れていた。田作り、黒豆、昆布巻き、芋ようかんは水底製。あとは、僕。
食:22時頃、食べる。年末より仕込んでいたおでんと雑煮の残り汁を使った吸い物。それに、鶏の胸肉を使った簡単蒸し鶏。ご飯、日本酒。おでんは、29日頃より、牛のアキレスをぐつぐつと煮込み、3度ほど水を換えて下地を作った。それに、昆布、人参、ジャガイモを入れ、しばらく煮込む。さらに、大根、こんにゃく、生ダコ、牛スジ、ゆで卵を入れ、薄口醤油、日本酒、みりんで味を調えて煮込む。さらにさらに、チクワ、天ぷら、餅入り巾着を入れて煮込み、完成。うおう。うおう。うおう。吸い物は、ホタテとエビ、モヤシを加えたものである。うおう、うおう、スルメのダシがうまい。日本酒は、天狗舞の純米山廃仕込み。うおう、うおう。むふう。蒸し鶏にはゴマだれをかけて食べた。うおう、うおう。おっと、おせちも食べたんだ。忘れるところだった。



1.2
深夜、ふたりはごそごそと起きだしてパソコンをいじるのであった。ようやく年賀状に着手。
今日の出来事。水底は少々ぼけが入っている。短期記憶障害が年末年始にあって、ちょっと不安。食事後1時間足らずで「飯食べたっけ」とか、私が風呂から上がって30分もしていないのに「風呂入ったっけ」というのは怖い。しかし、今日の出来事は違った。ちょっと外出するのにテレビを消そうとして、いつものように「リモコンどこだっけ」と尋ねると、自信満々でコードレス受話器を差し出した。「ねえ、それは…」と言うまで、水底は気が付かなかったのだ。ああ。爆笑。
食:12時頃、水底が海の雑煮を作る。水底の雑煮は、鰹節と鶏肉のダシに、人参、大根、小松菜が入り、「はば」と呼ばれるアオサと鰹節をのせるすまし汁である。これに焼き餅を入れるのだ。「はば」は静岡県御前崎の特産であり、本日は、代用として青海苔を使う。さっぱりとして海の香りがする。実にうまい。これに、ご飯、昨夜のおでん、キムチ、おせちなどを用意して食べる。丹那酪農王国のビールも飲む。
食:20時頃、ラーメン、おでん、ご飯、キムチ、を食べる。ヨーグルトドリンクを飲む。丹那のビールも飲む。ラーメンは、人吉球磨地方のJAが作った棒ラーメンとんこつ味を使用。それに鶏肉、大豆もやし、青葱を入れ、最後に海苔と、煮豚を乗せる。ラーメン添付のスープを半分にして煮豚の味が染みた味噌を入れる。これが極上のうまさ。ヨーグルトドリンクは、オレンジジュースにミカンとバナナを加えたもの。



1.3
静岡御前崎水底実家にて。新幹線とバスを乗り継いで久しぶりの海沿いの町である。新幹線はそれほどでもなかったが、バスが東名高速に入ると、下りにもかかわらずUターンラッシュの渋滞にはまってしまう。
どうも、風邪のようで、寒く、だるく、頭が痛い。以前に来たときも鼻かぜで往生していたのだが、タイミングが悪いようだ。
食:家の冷蔵庫をのぞくと大変なことになっている。豚バラの固まりや鶏モモの1枚肉が冷蔵状態で加熱料理を待っている。大量の大豆モヤシもある。仕方がないので、ゴーヤチャンプルーをこしらえる。ゴーヤ、人参、モヤシ、豚バラ、鶏モモを使う。半分ほどを食べ、残りはおせちなどとともに持参することに。おでんは固形物の残りを食べ、冷蔵庫へ。大根、人参、卵、ジャガイモなどが余っていた。それに、餅入りきんちゃくを食べる。炭水化物が少ないので、丹那の地ビールを飲むことにした。
食:夜、御前崎に着くと早速ご飯が用意されていた。やはり、そこはそれ、刺身である。トンボマグロ、イカ、トリガイ、カンパチ、タイ、ウニ、サケ、さらに、ズワイガニがどどーんと1杯。それにおせち。酢の物やハムまでも、ご飯にハマグリの吸物付き。キムチや白菜の漬物などもあった。豪華絢爛である。日本酒を1合強いただく。食後にミカンをたくさんいただく。風邪薬もついでにいただいた。



1.4
深夜大荒れの天気、午前中曇っていたがやがて晴れる。1日中風が強かった。昼間おさまっていた風は、夕方から再びひどくなって家がごうごうと鳴っていた。岬の町なのだ。山の町とは違い、風が遠くから渡ってきて遠くへ行ってしまう。途中でさえぎるものは何もなく、風はおもむくままに真っすぐと吹いてきて、はじめて当たる障害物に驚き、怒りを直接的にぶつけてくる。ぶつけられたほうはたまったものではなく、家はきしみ、唸る。しかし、家もそこに住んだことのある人も慣れたものである。風に驚き、音におびえるのは、山の激しくも短い風にしか出会ったことのないよそ者だけである。
昼まで寝ている。食後も、ふとんでごろごろと本を読む。バニラとクリームとバターの香りが階下から香ってきて心地好い。「虫とけものと家族たち」(ジェラルド・ダレル、集英社文庫)ギリシャの田舎に暮らし、自然と一風変わった人々に囲まれながら成長した著者の追想であるが、虫や生命の描写、人々の描写、自然の描写が生き生きとして軽妙でやさしく美しい。ほっとしつつ、笑える1冊である。
映画「ベイブ」を見る。牧羊豚になった豚の話である。豚の役者が変わるのは、きっと、撮影中に次々に成長するからに違いない。しかし、水底も僕も豚が変わることにすぐに気がついてしまう。豚については詳しいふたり。さて、原題の「BABE」だが、ここからバリ島「バビ・グリン」が、ベイブ・グリルであることに思いいたった。そうか、英語か。ちなみに、グリングリンのグリンでないことは言うまでもない。きっと、もとは、フィリピンの「レチョン」のようなバリ語の表現があったのだろうが、インドネシアのイスラム化と、英語の導入によって今のような呼び名になったのだろう。
食:12時頃、我々が持ってきた料理を味噌汁とご飯で食べる。ゴーヤチャンプルーがうまい。味噌豚は大好評。煮しめはもう傷んでいた。薄味過ぎたのかもしれない。
食:5時頃、水底&水底妹がこしらえたシュークリームと買ってきてあったチーズケーキでお茶の時間となる。バニラビーンズ入りのクリームが香りよくてついつい多く食べてしまう。
食:7時頃、夕食。ハマグリとタラコのパスタ。寿司太郎の寿司。夜ミカンをたくさん食べる。



1.5
晴れ。早朝起き出して満天の星を見る。流星なんてここ数年見ることがなかったのに気がつく。そして、自分の目がさらに悪くなっていることにも。
世の中では今日から仕事はじめらしい。皆、仕事に出かけてしまった。水底と私は、ぼんやりしているだけだ。「それでいいのだ」と、かの赤塚先生もおっしゃっておられる。それでいいのだ。星も見られたし。
化学繊維製の猫じゃらしでトラ猫と遊ぶ。前日も遊んだのだが、本日はのべ30分ほど遊んだ。必死になってとらえようとする猫の姿は涙ぐましくも笑える。後半はばててしまって、上半身だけで動き回っていたが、ずいぶんと体力を使い、同時にストレスをためたようだ。別の毛玉を転がしたら噛み付いてぼろぼろにするまで放さなかった。それでも、時間を置いて再びひっかかって来たのだから、きゃつも納得がいかなかったに違いない。そしてその後、水底姉妹がいくらいたぶっても、もはや反応を示すことすらできないようで、呆然と宙を見つめていた。動物虐待だろうか。明日になれば分かる。
食:10時頃、御前崎風雑煮、ごはん、おせちの残りなどを食べる。
食:15時半頃、菓子パン半分と金ちゃんヌードル、ご飯、キムチを食べる。菓子パンを食べたのには訳がある。日本中を自転車で回っている「なりちゃん」がチョコバー入りのパンを北海道で見つけたとメールで書いてきたことがあった。僕にとっては懐かしいだけの品物だが、水底は見たことがないとのたまう。そこで、それ以来ふたりでずっと探していたのだ。今日、スーパーで類似品を見かけたと思い、買ってしまったのだが、実は内容表示が「クランチ入りチョコレート、バタークリーム」ではなくて「クランチ入りチョコレートバタークリーム」だったのだ。愕然としながら、水底とふたりでつまらない菓子パンを食べてしまった。ところで、ジャンクついでだが、金ちゃんラーメンをご存じだろうか。徳島の徳島製麺が出しているブランドで、袋麺とカップ麺がある。僕はかつて広島に住んでいたので、大手メーカーよりも安い金ちゃんラーメン袋麺にはずいぶんと世話になったのだが、静岡あたりまではカップ麺の金ちゃんヌードルが進出しているのである。金ちゃんヌードルもくせ者で、プラスチックの二重になったカップにきっちり閉めることができるプラスチックの蓋がついている。中身は 、スープと具が分かれて麺とは別に袋に入っていて、スープは関西風のあっさり醤油味だが、具が濃いのだ。フリーズドライとは思えない干し海老、刻んだ干ししいたけ、豚肉の干したものに人参、卵までが入っている。韓国のインスタント袋麺にも、しいたけなどが入っていて具が充実しているが、日本のカップ麺で和風のまま具を充実させているケースはあまりない。容器の二重性にしても、外はつるつるのコップ状だが、内側はひだひだになっていて、保温性に富んでいる。持つ手は熱くなく保温性が高いのは実に優れている。東京ではなかなか手に入らないが、静岡以西の本州では見かけることがあるのでぜひ手にとってもらいたいアイテムである。ちなみに茹でた三つ葉が残っていたので、一緒にして食べた。
食:7時頃、ナシゴレン3種とガドガドの食事。ガドガドは、人参、ジャガイモ、モヤシ、厚揚げ、ブロッコリーに、落花生をすりつぶして作ったソースを掛けて食べた。ナシゴレンは、その場で手作りサンバルソースが主役。ニンニクが入らない普通の焼き飯と、ニンニクが少しだけ入ったチキンライスと、ニンニクたっぷりの焼き飯である。素材は、鶏肉、玉ねぎ、人参、ニンニク、ニンニクの芽、ピーマン、セロリ、モヤシ。さらに、クルクップとトマト、キュウリ、目玉焼き添え。野菜たっぷりの食事であった。ちなみに、クルクップは、過日熊本の百貨店で購入したインドネシアのものであるが、味が子どもの頃に食べたカルビーの仮面ライダースナックにそっくりであった。やや甘く、ほんのり辛く、ねっとりした食感である。



1.6
晴れ。風が強く、雲が流れる。青空の中で、雲海が道でもできているかのように同じ場所を流れ続けている。ここよりかなたへ。形を変えながら先を急いでいる。城壁のように、龍のように、帆船のように。ごうごうという風は、相変わらず家を揺らし、鳴らし続けている。散歩にでも出ようかと思ったが、風が冷たそうなのでやめた。昨日は車に乗って数件買い物に出かけたが、それ以外、こちらに来てからほとんど出歩いていない。部屋の中の幽霊である。そういえば、東京の家でもあまり出歩かない。それはそれで、家の中で忙しいのだが。ぼんやりととりとめのないことを考えては、うとうととしている。世の中は急速に不況になっているようだ。インフレは、失業者にとって辛いものだが、それ以外は、取り急ぎ慌てることもない。ゆったりと世の中の動きを見ていよう。参加していないものの特権である。
昨夜再び寒くなり、風邪がぶり返してきた。ひどくはないのだが、今度は鼻がでる。
食:12時、ご飯、昆布の味噌汁、キムチ、海苔、野菜炒め。野菜炒めは、白菜とトマト、ピーマン、モヤシ、ハムをソースとケチャップで味付けしたものである。
食:15時、お茶と抹茶おてもちというおはぎ。赤福の一種。
食:8時頃、ご飯、そば、鯛の香草焼き、白菜の漬物。そばは、水底と僕が打ったもの。今年初めてのそば打ちである。やや乾燥ぎみになってしまったが、まずまずの出来であろう。水底と水底妹が作った3種のミニマドレーヌも食べた。丹那のビールと日本酒をいただく。
食:22時頃、水底父作トマトソースのスパゲッティをいただく。寝る前にヨーグルトを食べた。起きたらきっと胃がもたれていると思う。



1.7
御前崎の朝は、雲一つないすばらしい天気だった。御前崎より静岡、静岡より東京へとバスを乗り継いで、水底、水底妹と帰った。
食:7時頃、御前崎にて七草粥を食べる。餅が入っていたのは初体験である。海苔のつくだに、ふりかけゴマで食べる。
食:12時半頃、バスの中にて。静岡駅の魚河岸寿司売店にて購入した寿司を食べる。魚河岸寿司のネタは、自動機械で握っているにもかかわらず、しゃりを取り巻くように分厚く長い。そして、新鮮だ。ひかりものを中心にがつがつと食べる。いなり寿司、マグロのフライ、コロッケ、カボチャコロッケも食べた。なかでもマグロのフライは1パックにたっぷり入って130円だったことを付け加えておこう。お茶は缶のもの。
食:20時頃、自宅にて鍋をする。鶏に骨付きもも肉と、昆布、塩豚を入れ、生椎茸、白菜、小松菜、チンゲン、大豆もやしの水炊きをメインにした。それと、先日のおでんだしを使い、タマネギ、人参、長ネギと牛バラ肉を煮込んだ牛丼皿も用意した。もちろん、キムチも食べるのである。それに、ご飯。鍋のタレは、僕が醤油と酢、ゆずこしょうとキムチ。水底はゴマだれゆず風味である。味はふたりとも違うのだが、おいしいと言い合う。いつもの鍋風景。牛肉もおいしかった。



1.8
雪。大雪。昼過ぎから降り出した雪は、関東地方、とりわけ首都圏を混乱の渦に巻き込みながら降り積もっていった。僕と水底は、所用を足した後、新宿に映画『MIB』を見に行った。水底は、長靴にフード付きコートフードかぶりという都会人らしからぬいでたちである。すでに行きでもずいぶん降っていた雪は、映画を終えて出てくると吹雪いていた。ああ。雪。ふたりで震えながら帰る。
食:12時頃、昨日の鍋にご飯をつっこんで雑炊に。
食:4時頃、映画館にてモスバーガーを食べる。ポテトも。ああ、輸入食材。遺伝子組み換え。ああ。
食:21時頃、チゲ鍋を水底が作る。コチュジャン、麦味噌、もろみ、韓国納豆、すりごま、醤油、ごま油、砂糖、ニンニクすりおろしを練った「みそ」と、骨付き鶏肉、煮干し、昆布、かつお節のスープを使う。大根、白菜、春菊、豚バラ肉、大豆モヤシ、ネギ、豆腐、キムチを煮込み、さらに、冷麺を茹でてタレにつけて食べる。ご飯4杯に、麺でとても苦しいほどに食べた。苦しい。苦しい。苦しい。苦しい。おいしかったのだが、この食事は実に危険だ。他の鍋とは違って、しっかりと具があるし、味もしっかり付いている。



1.9
晴。昨夜とはうってかわって大快晴になる。10センチほど積もった雪が目に痛い。首都圏は大混乱していて、スーパーには牛乳や豆腐などが入荷されないなど生活にも影響が出ていた。
食:3時30分頃、日本消費者連盟でお汁粉をいただく。もちろん、手作り。ストーブの上でことこと煮られていた。
食:6時頃、ヨーグルトジュースと柿の種。ヨーグルトとミカン、バナナ、オレンジジュースである。
食:8時頃、昨日の鍋に韓国春雨を入れたもの。ご飯。あとは、昨日と同じ。こういう日もある。



1.10
晴。まだ道路には雪が残っている。
食:12時頃、昨日も食べた韓国鍋にご飯をぶっこむ。雑炊というより石焼きビビンバのようなものになった。
食:4時頃、仕事をしながら、リッツクラッカーやミカンをむしゃむしゃと食べる。ストレス食という。
食:8時頃、水底の関係で届いた自家製ミートソースがあったので、スパゲッティを茹でて食べる。茹でキャベツとキャベツと塩豚、ニンニクのウスターソース炒めも食べる。茹でキャベツはマヨネーズ。さらに、キムチも…。辛いのが欠かせなくなったのである。ミートソースは、あっさり味。



1.11
晴れのち雨。今日も寒い1日だった。テレビを見る。よく寝る。
食:12時頃、ようやく牛丼として、例のものを食べる。キムチ、昨日のミートソース、キャベツ炒めもご飯に加わる。どうも、ここ数日、似たようなものを食べている。正月明けのせいかしらん。
食:21時頃、雑炊とラザニア風マカロニを食べる。水底作。雑炊は、カツオと昆布でだしがとってあり、人参、大根、小松菜、ネギ、餅、チーズ、トマトなどが入っている、醤油味の上品な風味。トマトの酸味に餅の食感と、チーズのうま味がアクセントとなって実にうまい。キムチを入れると、さらに別の酸味と風味が加わってうまい。ラザニア風マカロニは、昨日のミートソースを使用。クリームソースを作り、上にチーズなどがのったもので、本来はラザニアを使う代わりに大きくて筋の入ったマカロニが敷き詰められている。濃厚なようであっさり、ふんわりとして、しっかりした、不思議な食感である。このようなものははじめて食べた。トマトたっぷりのミートソースとクリームソースにチーズがオーブンで焼かれると、みごとに調和して、絶妙なうまさとなる。よい経験をさせてもらった。明日の朝は、これにしよう。



1.12
またもや雪である。水底が朝から所用で出かけるため、弁当をこしらえる。弁当の内容は、ご飯、梅干し、海苔、春菊のおひたし、ポテトオムレツケチャップ添え、マカロニサラダ、ごまだれをかけた茹でニンジン、昨夜のラザニア、ミカン、リンゴ、ヨーグルトである。うおう。僕も午後から環境パートナーシッププラザで「たけちゃん」に会うことになっており、雪の中を渋谷から表参道まで歩く。プラザは、国連大学の横にあるのだが、東京に多い現代建築ビルであり、屋外には2つなぎのエスカレーターが長く地下へと延びていた。雪に傘を差しつつ、エスカレーターを上り下りするのは実に嘘くさい。人間らしからぬ光景である。いつから人間は、こんなに阿呆になったのだろうか。
食:8時半、ご飯、大根とジャガイモの味噌汁、納豆、キムチ、ラザニア、マカロニサラダ、オムレツ、春菊のおひたし。
食:12時頃、ご飯、ラザニア、味噌汁、春菊のおひたし。
食:22時頃、ご飯、レンコンのゴママヨサラダ、鍋。鍋は、昆布、塩鮭、かつおでだしをとり、里芋、シイタケ、大根、コンニャク、ニンジン、白菜、銀杏、豆腐、韓国春雨を入れたもの。これを、僕は、酢醤油、自家製チゲナベみそ、ゆずこしょう、ゆず酢などで食べる。
夕方、水底が作っておいたシフォンケーキを食べる。



1.13
晴。よく変わる天気である。というのも、冬の間太平洋に張り出すはずの高気圧が見えないのだ。そのため、西からの低気圧が来るタイミングで北からの高気圧(寒気団)がやってきて、関東地方に雪を降らせているようだ。15日も雪だという。洗濯物がたまる。
食:13時頃、昨日の鍋にご飯を入れて雑炊に。
食:18時30分頃、ヨコイのスパゲッティソースにほうれん草とゆで卵をのせたスパゲッティと、レバーペーストとクラッカーとパン。



1.14
曇り。今朝、というより午前2時過ぎ、地震があった。寝入りばな、結構揺れたのに、テレビではほとんどニュースにならなかった。
食:9時前、ご飯、大根と里芋と人参の味噌汁、塩鮭、白菜のソース炒め、レンコンサラダ。
食:13時頃、つばめグリルでハンブルグステーキとビール。水底は、ビーフシチューとかぼちゃプディング。
食:20時頃、ご飯、うなぎの煮たの、五目豆、中華風チリビーンズ。五目豆は、レンコン、大豆、人参、こんにゃく、昆布、干し椎茸、銀杏、鶏胸肉。チリビーンズは、大豆、鶏胸肉、玉ねぎに豆板醤とケチャップとニンニク。



1.15
成人の日。大雪。白、白、白。雪が音を立てて窓に当たるのをはじめて聞いた。芽をふくらませはじめた梅の木にも、先日の雪が融けきっていなかった屋根にも白が降り積もっている。
食:13時頃、キャベツとエビとほうれん草とキクラゲ、海苔が入ったラーメン。ご飯。ラーメンは、生協しょうゆ味のスープを半分にしてかわりにチゲ鍋味噌を使用。こってりとした味噌ラーメンに変わる。五目豆、中華チリビーンズも。
食:18時頃、作業しながら磯辺焼き。
食:22時頃、カレーライス。マカロニサラダ。福神漬。カレーは大根、鶏肉、ニンジン、ジャガイモがごろごろと大きく入った男前のあっさり味。しかし、ハヤシライスの素と2種類のカレーの素が入っていた。水底作。マカロニサラダには、長芋とキャベツ。



1.16
晴れ。雪で玄関を開けると階段が斜めの滑り台になっていた。慌てて雪かきをする。
食:12時頃、カレー、納豆、サラダ、五目豆。
食:16時頃、Nさんとそば屋にて日本酒4本、厚揚げ、つくねの塩焼き、ポテトサラダ、和風にら玉。
食:23時頃、ピエンロー、ご飯、ビーフン。白菜が実にうまい。白菜ばかりをばくばくと食べてしまった。これでいいのだ。



1.17
曇り。阪神大震災から3年が経った。そうか、3年しか経っていないのか。思えばあれが転機であった。多くの人の動きを変えたのが、あの震災だった。私も、私の周りの人たちも、あの日からいろんなことが始まり、あの日からいろんなことが終わった。
今日は、雪をかき、キムチを漬ける。
食:12時頃、ピエンローの残りに麺とモヤシを入れて食べる。
食:18時半頃、銀杏を炊き込んだご飯。大根と油揚げとほうれん草の味噌汁、カレーの残り、五目豆の残り、塩鮭、辛子明太子。
食:18日2時頃、棒ラーメン。もやし、キャベツ、ネギ、エビ、鶏肉、大根入り。チゲ用味噌を半分、ラーメンスープを半分。



1.18
雨。夢見が悪かったようで、起きられない。だるだるな一日。ほとんど何もしなかった。「トウガラシの文化誌」を読み終える。おいしい唐辛子と唐辛子料理が食べたくなった。ここ数日キムチを食べていないので、よけいにそう思う。
食:13時頃、ご飯、豆腐と大根などの味噌汁、キャベツと鶏肉のサラダヨーグルトとごま風味、納豆、塩鮭、カレーの残り、とろろ芋、辛子明太子。
食:20時半頃、ニラとタマネギとエビと玉子のチャーハンを作る。干しシイタケ、ジャコ、干しエビでだしをとった雑煮を作る。具は、大根、人参、とろろ芋、ほうれん草。



1.19
曇り時々晴れ。よく夢を見る。どうも、追い立てられているようだ。困ったものである。よくよくぼんやりし続けるのが不得意なようである。自分に言い聞かせて本を読むことにする。
食:14時頃、ご飯、キャベツと塩豚炒め、油揚げと大根とニンジンの味噌汁。それに塩鮭、辛子明太子、カレーの残り。
食:20時頃、ご飯、鶏皮鍋(鶏の皮と大根のみ)、大根葉炒め、切り干し大根、キムチ。キャベツ炒めの残り。大根葉炒めは、大根葉、ジャコ、干しエビを炒め、醤油、日本酒、みりんで味を整える定番料理。切り干し大根は、戻した切り干し大根と干しシイタケ、人参の千切り、ジャコ、油揚げの千切りを鍋で炒め、水を足して醤油、みりん、日本酒で味付けする。キムチは自家製で3日目であるが、あっさりして辛く、うま味はまだ少なかったがしっかりとキムチになっていた。



1.20
晴。あらら快晴。久しぶりに半日で洗濯物が乾く。映画「ラヂオの時間」を見る。演劇的な展開で、小気味よい画面転換が重くなったり、辛くなりがちな狭い空間での人間関係をコミカルにしていた。荒唐無稽なものに観るものを引きつけるのも、巧妙な画面転換があったからである。いつかはきっとと思いながら、いつも妥協で、結局いつまでも妥協。そういうよくありがちな現代的世界をうまく描いていた。
食:8時頃、ご飯、昨日の鍋で雑炊。醤油を一たらししただけなのに、実に甘くて旨いみりんを入れたのかと間違えるほどの甘み。自家製キムチと切り干し大根も。
食:11時半頃、玉子と豚肉のココナッツミルク醤油煮込みという料理の豚肉と、切り干し大根、ふりかけ「ご飯の友」をご飯にのせ電子レンジにかけて丼を食らい込む。水底は仕事にいくというので弁当をこしらえて渡した。はるかに栄養と彩りのバランスがとれているもの。まあ、作り手の食事というのはこんなもの。
食:22時頃、ピエンローに麺添え。ご飯、玉子と豚肉のココナッツ醤油煮。自家製キムチ、切り干し大根。また、ピエンローである。冷蔵庫に良質の豚バラ肉と鶏モモ肉と白菜があったのだから仕方がない。お腹が苦しい。食べ過ぎだ。



1.21
水底は妹と「ラヂオの時間」に行く。
食:11時半頃、昨日のピエンローで雑炊。
食:18時頃、日本酒を飲む。たくさん飲む。何を食べたっけ?鶏肉などを食べたような。
食:24時頃、ラーメンを作って食べた。おなかがすいたような気がしていたらしい。



1.22
晴。気持ちが悪くて明け方目が覚める。しばらく眠れなかったが、日が昇ってから寝る。やがて起きる。夜は、新宿にギョウザを食べに行く。水底の知人と。
食:昼頃、タイ製の焼きそば。うむむむ。日清製。
食:19時、新宿老辺餃子館にて餃子、皇帝鍋、雑炊、紹興酒などをくらう。



1.23
雨のち曇り。朝ご飯を食べる時間がなく、寂しくも午前中はコーヒー2杯。
食:12時半、目黒本町の郵便局前にある南天食堂で定食を食べる。肉ニラ炒めという名の野菜炒めとラーメンとご飯。ラーメンは、東京ラーメンあっさり味だったが、野菜炒めは実に美味かった。もちろん、グルソーはたっぷりだが、香りと炒め具合が絶妙。さすが、満席だっただけのことはある。
食:15時半、お茶。鯛焼きと干し柿を外出先で御馳走になる。しぶい。
食:19時半、韓国の夕べ。水底妹とS氏を含め4名で。ケジャン、キムチ、自家製キムチ、チャプチェ(韓国風中華野菜炒めという感じかな)、鶏のトック。チャプチェは、人参、キヌサヤ、生椎茸、赤唐辛子、牛肉、春雨、ニラ、タケノコ。それぞれを別に炒めて混ぜ、調理するめんどくさい料理。今回は、水底作。



1.24
晴。
食:11時半、ご飯の炊きあがりを待つ。昨日のチャプチェ、トック、キムチ、ケジャンに納豆を食べる。
食:17時頃、中華まんの皮だけのものにコロッケとメンチかつ、チャプチェなどをはさんで食べる。お好みソースとマヨネーズが美味い。
食:21時半、ご飯、チゲ鍋。豆腐、豚肉、キムチ、白菜、葱、モヤシ。



1.25
晴。大学時代の友人宅でカニ鍋新年会。友人夫婦、同期3人の男、僕、水底。
食:14時30頃。ズワイガニを茹でたもの。しめサバ。自家製キムチ。高菜漬け。野沢菜漬け。ズワイカニとタラの鍋、白菜、大根、人参、葱、白滝、マロニー、椎茸入り。ぽん酢とゆず胡椒で食べる。一通り鍋が終わったところで、卵とじの雑炊。絶品。ビール、日本酒。その後、水底作ザッハトルテとコーヒー。食べ終わったのが6時頃かな。



1.26
晴。
食:10時頃。一昨日のチゲ鍋にうどんを入れて食べる。ご飯、キムチ付き。
食:13時半頃。チャンポンを作る。鶏肉、エビ、白菜、キャベツ、人参、ブロッコリー、キヌサヤ入り。
食:20時頃。水炊き、手羽元と昆布でダシをとり、大根、人参、里芋、白菜、舞茸、天ぷら(ねりもの)、鶏肉を入れたもの。シンプルかつおいしい。鍋続きでも飽きないおいしさである。酢醤油にゆず胡椒を使用。水底は当然ゆず風味ごまだれ。キムチ、ご飯。



1.27
晴。33歳になった。水底を仕事に出すためにお弁当を作る。
食:8時半頃、ご飯と昨夜の水炊きに白菜を足したもの。
食:13時頃、インスタント中華麺にキャベツ、塩豚などを加え、焼きそばにして食べる。ご飯とキムチ。お弁当用に作ったコーン炒め、ブロッコリーなども食べる。白菜の炒め煮も。
食:18時頃、下北沢のフォコラーレにて。イタリア料理の店。ワタリガニのトマトクリームソースパスタ、ほうぼうのグリル、地鶏のグリル、ゴルゴンゾーラチーズなどをビールとともに。デザートには、パッションフルーツのソルベ。水底は、プリン。自家製のパンがおいしい。



1.28
晴。
食:8時頃、一昨日の水炊きの残りだしで雑炊、それとご飯。
食:13時頃、韓国インスタントラーメン2種。大豆もやしや豚肉、葱、ブロッコリーなどを添えて。
食:20時頃、水底が作ってくれた。大豆とトマトに人参、ジャガイモ、セロリなどが入ったシチュー。里芋のニンニクパセリ芋サラダ。ラムチョップのバジルソース添え、モヤシのナムル。ご飯。



1.29
晴。1月の後半は、日記が乱れている。生活が乱れているからだ。ああ。水底は、料理&昆虫関係の友人宅に遊びに行ってしまった。
食:9時頃、昨日のシチューとご飯。里芋サラダ。
食:13時半、六本木の吉野屋牛丼並。
食:21時頃、納豆3種。ご飯。キムチ。変わり豚汁。豚耳、牛内臓。豚汁は、豚肉、ジャガイモ、里芋、ブロッコリー、キャベツ、キヌサヤ、人参、干しエビ、ジャコ、韓国天ぷら入り。水底の友人「あのよろしさん」の味噌、ごま油で味付け。



1.30
晴。国立科学博物館へ粘菌を見に行く。水底の料理関係の友人2名と一緒。粘菌展で4人とも顕微鏡やルーペにかじりつき、しつこく長居する。ボランティアのじいさまが哀れと思ってか「熱心な方」と見なしたのか、飼育セットをくれた。粘菌の入った寒天培地と、純水、エサとなるオートミールである。粘菌はすくすくと育っている。この粘菌展で研究者が撮影した映画をやっていた。これが実におもしろく、粘菌についてよく理解でき、生命の不思議を教えてくれる力作であった。なかでも、時間を300倍ということは、ものすごく長い時間コマ撮りした粘菌が脈打ちながら動く様は、圧巻であった。そのフラクタル構造。血管や神経網、葉脈などにみられるのと同じルール。生命ならではの秩序と存在感。後の予定があったため、時間に気を取られていたのが残念であった、もう一度、ゆっくりとみたい映画である。
食:9時、ご飯、昨日の汁、キムチ、黒豆。
食:13時半、飯田橋で立ち食い天ぷらそばといなり寿司。
食:21時頃、ご飯、モヤシと葱の味噌汁、豚カツ、テンペフライのキャベツ添え、キムチ、黒豆、クルクップ、ヨーグルトマンゴージュース。



1.31
晴。髪を切る。
食:13時頃、キャベツと天ぷらのチャーハン、テンペ、クルクップ。ヨーグルトマンゴージュースリンゴ入り。
食:16時頃、ショートケーキ1個、茶、クルクップ。
食:21時頃、ご飯、キムチ、鍋。鍋は、昆布、手羽先、鶏肉、豚肉、韓国天ぷら、大根、人参、白菜、大豆もやし、里芋、ビーフン。水炊きである。

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