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10月07日水曜日 1998年10月1週 (はる食日記)

6日、今期の初鍋!嬉しいねえ。

 


 

1998年10月1日(木) 雨
 気温は高いが雨は降る。やむことを知らずに雨が降る。東京では、9月の空は平年よりも8割弱の日照であったという。つまり、ほとんど曇りか雨。 洗濯物がたまり、部屋がじめじめしてくる。我が家には、粘菌、カブトムシの幼虫、糠床、味噌など、生物、微生物をたくさん飼育しているので、 当然、いろんなものが部屋にいる。ゴキブリはあまり見ないが、やはりいる。ヤモリもいる。どうも先日、家のどこかで卵から孵ったらしい。 小さなヤモリをよく見かける。ダニもいるが、ついに今日、ノミを発見してしまった。やばい。
 晴れないかなぁ。
 今日は、味噌汁に気合いを入れる。毎回同じだが、煮干しでダシをとり、小松菜と長葱、ワカメの味噌汁をつくる。味噌は自家製のもので、 昨年秋のものを使っている。
 夕食の味噌汁は、やはり煮干しでダシをとり、チンゲン菜、シメジ、長葱、油揚げに呉汁の素を入れ、 味噌とコチュジャンを使った韓国風キノコ味噌汁である。シメジが実に香り高く、とてもおいしかった。これに溶き卵を入れる。

食(私):12時、押し麦入ご飯、小松菜と長葱とワカメの味噌汁、納豆、砂肝の南蛮漬け。
食(私):18時、押し麦入ご飯、小松菜と長葱とキャベツ、ワカメ入名古屋インスタントラーメン。
食(私):23時、押し麦入ご飯、韓国風キノコ味噌汁、豆モヤシとキャベツと油揚げの野菜炒め、納豆、砂肝の南蛮漬け。

 


 

10月2日(金) 晴
 飛行機に乗って鹿児島空港へ。それからバスで熊本県水俣市へ行く。エコ水俣モニターツアーに参加するためだ。水俣の自然と人をどうやって市民、 旅行者がともに楽しむかということであるので、大いに楽しみたいと思う。
 バスの中で、お弁当が出たのだが、最初のおもてなしとして実にすばらしいものであった。食材のすべてが、水俣で得られたものである。それを、 ごくごく普通に料理して、詰めてあった。中でも、煮しめと大根まびき菜の落花生和えは絶品。干しタケノコのキンピラも、 なるほどこういう調理法があったかと納得した。
 気持ちよく、市内に入り、軽く全体のレクチャーを受けた後、水俣病の資料館へ。そこは、ヘドロ埋め立て地のまん中、 かつては岬であったところに建てられている。手作りの資料を見て、歴史などを学ぶ。印象的だったのは、 今も世界各国で同じように有機水銀中毒が起こっていることを知ったこと。また、有機水銀濃度が高くなった海で、 それを分解する様々な細菌が増えていたという事実は衝撃的だった。人間はおろかな行為を繰り返すが、自然は、常に、 新しい状況に対処しようとするのだ。
 その後、初期の患者であり、癒しの場として近年漁師であることを再開した杉本栄子さんの話を聞きに、作業場を訪れる。海と向き合い、 水俣病と向き合い、人と向き合う真摯な、そして、すべてを包容する人の姿に感動した。杉本さんはカタクチイワシのジャコ漁を主体にしており、 その釜ゆでから販売までを行なっている。漁業を続けるためには、作る人が売る人になる必要があると、杉本さんは言う。同感である。 ジャコを空煎りし、醤油と唐辛子で味付けしたものがふるまわれたがとてもおいしく、嬉しかった。秋には、岩牡蠣もたくさんとれるそうである。 うらやましい。
 ちなみに、杉本さんの住む、水俣病被害の最もひどかった茂原地区は、水俣の最南端に近く、すなわち熊本県と鹿児島県の海側の県境であり、 すぐ先は出水市や高尾野となる。私の父方の実家は、高尾野であり、幼い頃、よく里帰りをしたものだ。
 夜は、市長なども交えてのパーティー。

食:12時、お弁当…栗のおこわ、干しタケノコのキンピラ、寒漬け、煮しめ(里芋、ゴボウ、 インゲン、干し椎茸、干しタケノコ、人参、コンニャク、エビ、卵焼き)、鶏の唐揚げ、ミニトマト、レタス、大根まびき菜の落花生和え、 アジの南蛮漬け(タマネギ、人参)、ミカン。この原料がすべて水俣産というところ、すごいではないか。(私)
食:19時、パーティ…地ビール、パエリア、ソーセージ、タコサラダなど。(私)
食:21時、焼酎。
その頃、水底は…
夜:八王子KEIO21内の寿司屋にて、もじばけ姫とともに寿司の食べ放題。イカ、アジ、コハダ、サンマなどたらふく食べる。京王の広報誌 「あいぼりー」を見た、と言うと、タラバガニのサービスも。腹、ぱんぱん。

 


 

10月3日(土) 晴
 引き続き水俣。本日は、数人ずつに分かれて地域に遊ぶ日。私は、久木野地区という水俣川源流に近い山の中へ。森を楽しむ。石垣の棚田を散策し、 むかごや柿などを楽しんだりする。また、湧水の冷たさに感動し、森林育成のための除伐にひいひいと汗を流し、あえぎ、檜を鋸で引きながら、 その香り高さを満喫した。
 朝は、残念ながら、まったくの旅館料理であり、書くのも億劫である。日本中、どこに行っても、大きな旅館の朝食は知れている。大量調理、 大量に人をさばき、コストを抑えるためにそうなるのだろうが、やはり納得がいかない。
 昼は、山で炭火に田楽がかけられており、ゆず味噌でいただいた。また、地場産の香り米が入ったおにぎり、たくあん、ヤマメの塩焼き、鯉こく、 鯉の洗いと、山ならではの料理に舌鼓を打つ。湧水を使った料理だけに保健所からはいろいろと言われるらしいが、この旨さは、 塩素を入れては成り立つまい。水がうまいからこそ、飯がうまいのである。おにぎりを人の分まで食べる。
 夜もまた、同様に、手作りの料理。昼の田楽に入っていた豆腐、コンニャクもそうだったのだが、ここでもまた、豆腐も、コンニャクも、 地元産の大豆やコンニャクイモを使ったまったくの手作りである。ざっと、夕飯のメニューを並べると、 棚田でとれたヒノヒカリは生産者の小島トシエさんもまだ食べていない新米。アイガモの味噌汁は、 アイガモ農法で水田除草に活躍してくれたアイガモを使用。味噌も手作りである。葱や、生姜も、久木野産。キュウリと大根の酢の物ももちろん、 久木野産。キュウリの浅漬け。煮しめは、掘り立ての里芋、自家製こんにゃく、自家製干し椎茸、醤油は県産大豆のもの、イカは水俣産、 大根は久木野産ときたものだ。冷や奴は、大豆が久木野産で、ニガリは同じ熊本は天草産のもの。天ぷらは、おからに野菜を入れた古里揚げ、 細切りのサツマイモ(唐芋)をカニの脚に見立てたガネ揚げ、ピーマン、ナス、カボチャ、キビナゴと来て、 それらの衣の小麦粉も久木野産という念の入りよう。キビナゴと水俣湾産太刀魚の刺身。キビナゴは、やや水俣からは離れるが、 それでもすぐ近くの海でとれるもの。ちなみに、古里揚げの「古里」は、久木野の中でも宿泊したあたりの地域名。古里揚げは、 大豆生産者でもある中村タエ子さんのオリジナルとか。
 食事のあと、大豆の中村さん、米の小島さん、それに専業林業家と懇談。山の主や川の主の話がすうっと入ってくるような不思議な夜となった。
 
食:7時半、旅館朝食…ベーコンエッグ、ピンク色の辛子明太子、練り物、太刀魚の一夜干し、 漬け物、色が赤い小梅干し、薄い豆腐の味噌汁、味付け海苔。ご飯。
食:12時半、山にて…香り米入りおにぎり、ヤマメの塩焼き、鯉こく、鯉の洗い、ゆず味噌田楽(里芋、焼き豆腐、こんにゃく)、漬け物、水。
食:18時、ごはん、アイガモ汁、煮しめ、天ぷら、冷や奴、漬け物、酢の物、刺身。ビール、焼酎。
ちなみに水底は…
朝昼:ナスとトマトを炒め、ヨコイのソースとともにスパゲティを食べる。オレンジジュース。
夜:もじばけ姫宅泊。マカロニグラタン、とうふとネギの味噌汁、鍋炊き飯(焦げあり)、もじの買ってきたポテト。

 


 

10月4日(日) 晴
 モニターツアーなので、その締めくくりのシンポジウム。好きなことをしゃべりちらす。水俣では、今日がほとんどの小学校で運動会。 シンポジウム会場の隣が小学校で運動会をやっていた。午前中シンポジウムが終わり、会食をして外に出ると、小学生たちのかけっこなどをよそ目に、 大人たちは料理を広げ、焼酎を飲み、すっかり宴会モード。地域コミュニケーションの場だから、これでいいのだ。しかし、 立って子どもを見ている大人の多くはビデオカメラを回している。昔は、2、3枚写真を撮ればぼんやりできたのに、 今はビデオだからつきっきりで大変だ。焼酎を飲めばいいのに。その後、ツアーとは分かれて人吉の実家に戻る。夜は、 球磨郡上村で無農薬の茶農家をやっている「ゆきっ茶」さん一家が来訪。夫婦とも父の教え子ということで、焼酎を飲む。

食:7時半、ご飯、アイガモ汁、納豆、海苔、天ぷらの残りなどで朝食。ご飯がおいしい。(私)
食:13時、チラシ寿司、煮しめ、落花生豆腐、刺身コンニャク、カシワとゴボウのすまし汁、干しタケノコのキンピラ、大きな川ガニ、 ヨモギもちなど。(パーティー料理で、全部は食べられなかった・私)
食:19時、焼酎、ビール、鯛の刺身、煮しめ(椎茸、コンニャク、昆布、芋がら、干しタケノコ、インゲン、里芋、カボチャ)、 スパゲッティサラダ、カレーライス、鯛のすまし汁、芋がらとキュウリの酢の物、思いつきの餃子(野菜餃子)(私)。
その頃、水底は…
朝昼:ゴーヤと豆腐のチャンプルー、納豆、グラタンの残り、ごはん、味噌汁の残り。
夜:宅配ピザ2種、鶏のあぶり焼き、ポテトパフ、ラザニア、お茶。

 


 

10月5日(月) 晴のち曇り
 人吉から鹿児島空港経由で東京へ。おみやげを買いあさる。人吉のスーパーでは、恒例の皮付き黒豚バラブロックを。さらに、 洗いゴマ1kg袋なんていうのを売っていたので、安さとボリュームに感動して購入。また、干し納豆なるものが熊本市の特産であることを発見し、 購入。どんな味がすることやら。
 空港では、韓国フェアをやっていたので、少々高かったがペチュ(白菜)キムチを購入。いよいよキムチシーズンだ。
 水俣で、杉本さんの煮干し、アオサを買っていたので、アオサとキムチがすばらしい香りを放つ。飛行機はともかく、 羽田から新宿までのバスで匂ったこと請け合い。まあ、よかろう。
 家に帰り、水底の料理を食べる。やはり家飯は落ち着く。ご飯は、私が土鍋で炊いた。飯炊き男の復活である。

食:10時、カレーライス、バリ(魚)の煮付け、味噌汁。(私)
食:13時、7種わりこそば。(私)
食:18時、小ぶりおにぎりセット。(私)
食:22時、麦入りご飯、油揚げと大根、大根葉の味噌汁、豆腐と里芋のシーチキンすだち味噌和え、カボチャと干し椎茸と鶏と昆布と大根の煮付け。 (私と水底)
そして、水底の朝昼は、
朝昼:ごはん、納豆、ピザの残り、ゴーヤチャンプルーの残り。
おやつ:3色だんご、オレンジジュース。

 


 

10月6日(火) 雨
 木犀が香り雨でけぶる、秋の終わりを感じさせるような東京の1日であった。そこで、初鍋の儀を執り行う。やはり、気温が20度を下回ったら、 鍋だろう。昨日、キムチと黒豚バラ肉を購入して帰ったら、白菜とエノキ、小松菜と大根が届いていたので、気分はすっかり鍋。1日中、 鍋気分で過ごし、夜になって気合いを入れて鍋を仕込む。まだ、野菜の甘みは足りないが、それでも野菜たっぷりの鍋は身体を温め、心を満たす。 きっと土鍋というのがいいのだ。土鍋の保温力が、野菜をおいしく包み、楽しませてくれる。ご飯を炊いても失敗しないのは、鍋のおかげだろう。
 鍋は、干し椎茸のダシと、干し椎茸、エノキ、白菜、黒豚、小松菜、豆腐、大根、韓国春雨にキムチ。すだちや酢醤油、ゆずこしょう、 ゴマだれなどでいただく。

食:12時、セロリとバジルのチーズ雑炊、煮物の残り、味噌汁の残り。
食:21時、鍋、ご飯、煮物の残り、ポテトサラダ。

 


 

10月7日(水) 雨
 あれ、雨だ。まだ降り続いている。六本木にあるインドネシア料理屋で昼飯を食べる。竹ガムランが流れる雰囲気のよい店である。昼飯は、 ナシチャンプルー、すなわちいろいろおかずのせご飯になっていて、ますますバリ島気分が盛り上がってよい。しかし、油はサラダオイルであって、 ヤシ油ではなく、米は日本の米であって、バリ米ではない。
 実は、正直に言うと、7月にバリ島から帰ってきたとき、はじめて日本の米を家で炊き、口にしたのはよかったが、違和感が残ったのである。 このねとねとする口の中で甘い物質はなんだろう、と。もちろん、米がまずかった訳ではない。立派においしい米だ。バリの米が、 とびっきりうまかったという訳でもない。あれは、あれ。これは、これだ。
 でも、そう感じてしまったのだ。
 おかずを引き立てていたのは、どちらの米だろう。
 もちろん、日本の米には、日本のおかずがあり、彼の国の米には、彼の国のおかずがある。優劣ではない、好悪でもない。
 それでも、自分の舌や身体で味わった違和感はなんだったのだろうか。
 今日、日本のごはんとおかずでナシチャンプルーをやってみたら、やっぱり、日本のお弁当のようなものになってしまった、という状態を味わって、 あの日の舌の感覚を思い出してしまった。

食:9時、喫茶店でサンドイッチとコーヒー。(私のみ)
食:13時、六本木のインドネシア料理店で、春雨中華スープ、ナシチャン(焼きそば、牛サテ、鶏のカレー煮、野菜炒め、ピクルス、揚げ卵)、 マンゴプリン、バリコピ。
食:21時、昨日の鍋にスパゲッティと春雨を入れて、味付けして食べたもの。ゴーヤと長ナスのチャンプル。

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10月14日水曜日 1998年10月2週 (はる食日記)

1998年10月8日(木) 晴
 秋晴れなので、掃除をする。円が急騰していて、大変よ。一時115円だって。つい先日まで140円台とか言っていたのに。 1日の上げ幅としては、自由市場になって以来のことらしいですわ。経済は複雑になるばかり、ってとこでしょうか。
 本日、秋田よりお米が届く。うるうる。実は、昨日で日本米の在庫がほぼつきていて、今日は残りの2号に麦を足して炊いたのだった。嬉しい。 もちろん、注文したから来たのだけど、いつもの20kgに餅米も合わせて来ましたよ。真空パックしてあるから、白米でも大丈夫。嬉しいなあ。 嬉しくて、ため口になってしまった。
 水俣で購入したアオサをお湯でさっと戻して、醤油をかけたら、これがうまいのなんの。海の香りをご飯にのせて、ばくばくばくばく。 さらに納豆にまぜると、もうたまりません。
 ああ、秋だなあ。
 夕飯は、自家製ラーメンスープのラーメン。スープは、豚バラ肉、煮干し、セロリ、カピ、醤油、味醂、ニョクマムでとったもの。麺は、購入品。 これにゆで卵とキクラゲ、大根葉、ワカメをたっぷり入れて、豚バラ肉とともに食べる。うまし。

食:12時、麦入りご飯、味噌汁(里芋、カボチャ、サツマイモ、大根、大根葉)、アオサ、納豆、 キムチ、ぬか漬け。
食:19時、豚バラ煮込みラーメン、キムチ、冷やご飯。

ラーメン。自家製です。おいしそうでしょ


 

10月9日(金) 晴
 秋晴れなので、仕事をする。1日中パソコンに座っている。運動不足という言葉が頭の中をぐるぐるする。そうだ、明日は、体育の日なのだ。
 晴れて嬉しいので、洗濯する。気持ちよく乾燥するのがなによりもよい。太陽の恵みである。
 届いた新米の胚芽・七分米を食べる。ナッツのような芳香がただよい、米のかぐわしさとともに食欲をそそる。 あきたこまちで胚芽を残すのは大変難しいようであるが、おいしいので生産者にはぜひがんばって欲しい。新アイテムにするそうだ。
 残っていた豚バラ肉煮込み汁を使って韓国風豚汁をつくる。これに飯を入れて食べると、いやあ、うまい!  豚バラ肉とジャガイモの甘みがコチュジャンの辛さとまざりあって、奥行きのあるうま味にかわる。とろとろに溶けた豚バラ肉は、 噛むほどに味が出て、そして、舌の上で溶けていく。皮付き黒豚肉の神髄である。水底は、皮の下のゼラチン質に感動している。

食:12時、胚芽・七分米、韓国風豚汁(豚バラ、ジャガイモ、里芋、タマネギ、大根、大根葉、 ゴボウ、ショウガ、味噌、コチュジャン)、ゴーヤとナスのゴマ味噌炒め、キムチ、ぬか漬け。
食:19時、阿佐ヶ谷のタイ料理屋でカレー、鶏皮揚げ、春雨サラダ、焼きビーフン、焼きめしなどなど。

 


 

10月10日(土) 晴のち一時雨
 体育の日らしい天気。しかし、夕方雷が鳴り、わずかに雨が降る。
 こるまめというものを入手した。先日、熊本に行った際、スーパーで見つけた商品だが、品名は「干し納豆(こるまめ)」となっており、原材料が 「納豆、小麦粉、食塩、唐辛子、調味料(アミノ酸等)」とある。表面は、小麦粉と塩と納豆ネバネバの名残で白く、中は納豆色の大豆である。 食べると、納豆の香りが凝縮されていて、舌の上ではじける。商品説明には、お茶漬けやおつまみにとあるが、果たしてお茶漬けに使うものだろうか。 納豆という発酵加工食品をさらに高度な保存食として仕立て上げた品と言えましょう。
 ちなみに、100g200円弱。賞味期限や製造年月日が入っていないのは、保存食としての自負でしょうか…。

食:12時、韓国風豚汁ラーメン、ご飯、ゴーヤナスのゴマ味噌炒め、キムチ。
食:20時、胚芽・七分米、煮物(ひじき、カボチャ、干し椎茸、大根、ジャガイモ、高野豆腐)、ワカメとタマネギの味噌汁、こるまめ。

 


 

10月11日(日) 晴
 快晴である。しかし、なにやら昼過ぎまで惰眠をむさぼってしまった。
 水底の風邪がぐずついていて、なかなかなおらない。どうも腹にきているようで、ひどくはなさそうだが調子はよくない。そのくせ、 起きたら水底がキャベツ、セロリ、タマネギのパスタを作っていた。オリーブオイルとニンニクが効いておいしい。そして、 水底はふたたび腹痛を覚える。
 よって本日から、やむを得ない日を除き、当分の間、油控えめ料理宣言とする。
 まずは、タマネギとジャガイモを塩、こしょう、ベイリーフでしっかりと煮込み、それにチーズを加えたスープ。アオサの醤油煮、 ワカメのかぼす酢和え、ゴーヤのゴマ味噌和えと、油脂分を使わず、湯通しや煮ることで味を整える。
 元々、一緒に暮らすまでは食生活が不規則で、外食が多かったこともあって、自炊するときには油・ 砂糖をほとんど使わない料理をしてきたのである。油抜きは得意とするところ。もちろん、魚やチーズなど食材に含まれる油などはかまわないし、 少量の油は利用するが、こってりは中止である。どんな料理が飛び出すか、お楽しみに。

食:13時、野菜スパ。残りご飯、残り煮物。
食:21時、七分胚芽ご飯、残り煮物、アオサの醤油煮、ゴーヤのゴマ味噌和え、ワカメ酢、タマネギとジャガイモのチーズスープ、塩鮭、ゆかり、 ふりかけ。

ゴーヤのゴマ味噌和え

塩鮭(塩をしなおしたもの)

韓国製キムチ

 


 

10月12日(月) 晴のち曇り
 昼間、会議のため外出。お弁当が出る。夕方、友人のN氏とコーヒーを飲みながら、夕食談義。彼は、一人暮らしでサバイバルな生活をしている。 最近、自炊に目覚め、コツコツと貧乏自炊に楽しみを見いだしている。しかし、ガスコンロは、携帯コンロひとつ、鍋はひとつ、 それに炊飯器はあるが、冷蔵庫はない。彼は、「今日は炊き込みご飯に挑戦しよう」と言って私にアドバイスを求めた。 野菜は大豆をもやしにした大豆もやしがあるきりだという。その他に、アオサ、昆布、醤油、味噌、塩程度しかない。そこで、彼に、ひじきと油揚げ、 酒の購入をすすめた。それだけあれば、おいしい炊き込みご飯ができるであろう。その後も、塩の使い方や、常温での肉の保存方法、簡単な煮物、 蒸し物などについて話をしているうちに、私も炊き込みご飯が食べたくなり、急いで家に帰った。
 わが家には、ひじき、油揚げの他、干し椎茸、レンコン、ゴボウがあったので、これに醤油と味醂、酒で味をつけ、 くだんの七分胚芽米にて土鍋で炊き込んだ。炊き込みの場合、白米と違ってぶつぶつ音がしないので、火を強めたり、 止めるタイミングが難しかったが、なんとかうまく炊きあげ、炊き込みご飯を堪能することができたのである。

食:10時、コーヒー、ジャーマンドッグ。(私のみ)
食:12時、お茶漬け(水底のみ)
食:13時、お弁当、ご飯、エビフライ、豚カツ、シーチキンサラダ、蒲鉾、卵焼き、キュウリ、トマト、オレンジ、キャベツ、レモン、レタス、 キュウリの漬け物、お茶(私のみ)。
食:20時、炊き込みご飯、サツマイモとレンコンと葱の呉汁味噌汁、アオサの佃煮、ゴーヤゴマ味噌和えの残り、塩鮭の残り、ゆかり、ふりかけ、 こるまめ、キムチ。

炊き込みご飯

 


 

10月13日(火) 曇りのち雨
 昼間、会議のため外出。出かける前に飯を食う。少し肌寒いので、久しぶりに大豆づくし汁をつくる。豆腐、油揚げ、呉汁の素、 味噌とすべて大豆からできているもので味噌汁を作り、葱を刻み入れるものだ。大豆がいろんな表情を見せてくれて、食べ飽きない。 煮干しをいつもより多めに入れ、だしをしっかりとることがポイントだが、ふつうの味噌汁である。呉汁の素のおかげで身体が温まるのでお試しあれ。 なお、呉汁の素がない場合、大豆を軽く炒ってから、すりつぶすとよい。
 夜は、荻窪でエコロ芸人・パント末吉さんのライブ。
 夕食は、かねてより気になっていたメキシコ料理を試す。はじめてのところなので、コースを2つ頼み、様子を見る。最初に、キュウリと大根、 キャベツをすべて千切りにした山盛りサラダが出て、少々驚いたのだが、これについてきた2種類のドレッシングソースがすばらしく、 あっという間に生野菜をたいらげてしまった。1種類は、酢、リンゴ、クミンをベースにした果実系、甘酸っぱいもの、もうひとつは、 クリーム系だが、クリーム類は使っておらず、タマネギ、ニンニク、マスタード、酢、オリーブオイル、香辛料でクリーム状にしたてたもの。 どちらも、肉などにつけて食べてもうまそうである。
 もう一品、黒豆と豚肉のスープも満足。小豆などの黒豆をどろどろに煮込み、塩、豚肉が入ったもので、塩と豚入りぜんざいのようなおももち。 しかし、うまい。

食:12時、炊き込みご飯、大豆づくし汁、塩鮭、アオサの佃煮、キムチ、ゆかり。
食:21時、メキシコ料理。サラダ、黒豆と豚肉のスープ、アボガドのサラダ、鶏肉の香草焼き、羊とタマネギのトマトソース炒め、 メキシカンライス、トルティーヤ、タコス、シャーベット。ビール(私)、コーヒー(水底)。

 


 

10月14日(水) 雨のち曇り
 昼間、会議のため外出。夜は、友人の結婚パーティのため横須賀へ。肌寒かったので、起きるなり温かいうどんをこしらえる。水底に好評なり。 以下、つゆの作り方を記す。
 干し椎茸、桜エビを1時間ほど水で戻す。そのまま火にかけ、沸騰したらカツオブシをシャコシャコ削って、湯に入れる。みりん、 薄口醤油を入れて大体の味を決め、葱を刻んで煮込む。また、今回は、豆腐も入れた。最後はうどんを茹でて、このつゆで食べるだけである。 レシピにならない? ならないんです。料理は一期一会。
 夜は、バイキング形式。水底が、イベントで米5kgを当てる。さすが、米大王。

食:11時、うどん。
食:19時、パーティ料理。バイキング形式によるもの。肉類中心。主なものを挙げると、スモークサーモン、生ハム、羊のチョップスティック、 クリームコロッケ、コロッケ、タコの揚げ物、寿司、蕎麦、ハッシュドビーフ、サラダ各種、シュウマイ、餃子、カニピラフ、 スパゲッティミートソース、ラザニア、酢豚、サンドイッチ、ピクルスなど、それにケーキとムース、果物。

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10月21日水曜日 1998年10月3週 (はる食日記)

ようやくサンマの写真…しかし、一口食べてから撮るとは。

 


 

10月15日(木) 曇り
 遠くの台風が影響しているのか、蒸し暑く、風が強い1日。10月も半分。日記を読み返してみると、外出が多かったせいもあるだろうが、 肉をほとんど購入していないことに気づく。先月末に水底がつくった砂肝の南蛮漬け、それに、熊本で購入した黒豚皮付きバラ、 都内で購入した鶏モモ1枚、以上である。ところが、外出すると、よく肉を食べている。外食すると、調子が悪いのは、そのせいであろう。別に、 肉が悪いというのではない。肉は、旨い。特に、コラーゲンのようなものは肉ならでは。ただ、肉では、腸内の微生物が喜ばないのだ。 野菜をたっぷりとると、腸の調子がすこぶるよろしくなる。これが、野菜中心になってしまう理由でもある。

食:12時、レタス春雨スープ、ご飯、キュウリのマヨサラ、ゴボウとレンコンと油揚げの煮物、 キムチ。
食:20時、韓国風春雨味噌汁、ご飯、塩鮭、納豆、キュウリとキャベツとソーセージのサラダ、ほうれん草のおひたし。

夕食のサラダ。たまにはこーゆーのも。


 

10月16日(金) 曇り時々雨
 蒸し暑い、1日中風が強い。昨日と同じだ。ついにエアコンを入れてしまった。なにやら今月は忙しいようで、せっせと働いている自分がいる。 働くと言っても、打ち合わせや会議で外に出るのと、部屋にこもってパソコンの画面や資料とにらめっこするだけなのだから、しようがない。 すぐに運動不足による体調不良がやってくる。いいものを食べているが、それだけでは人間あかんのだ。適度な運動、 できれば畑作業のようなものを1日数時間すればよいのだが。

食:13時、押し麦入り胚芽七分米、ほうれん草とワカメの味噌汁、塩鮭、天ぷら(サツマイモ、 レンコン、タマネギかき揚げ)、キムチ。
食:21時、トムヤムアヤムのビーフン、ご飯、キムチ、塩鮭、天ぷらの残り。

天ぷら。サツマイモがおいしいんです
天ぷら。タマネギだけだけど、甘い

 


 

10月17日(土) 雨、曇り
 台風の日だが、東京は静かなものである。昨日とは違って少々肌寒い。
 先日、結婚パーティでもらった新米を炊く。昨日までの胚芽七分米とは全然違う。炊き加減がややこしい。食べると、新米コシヒカリである。甘い。
 水底がビビムパブを食べると言って、ゼンマイ、豆モヤシ、人参のナムルと、ニンニクとゴマたっぷりのコチュジャンタレをつくる。 さらにサンマの刺身をこしらえる。私は、飯を炊き、サンマの塩焼きと、キュウリと人参とタマネギ入りのポテトサラダ、 油揚げとワカメの味噌汁をこしらえる。
 ふたりでがつがつと食べてしまった。どんぶりは危険だ。

食:12時、昨日の麺の残り(私)。
食:12時、台湾小皿料理屋で会食(水底)。
食:20時、ご飯、ゼンマイ、豆モヤシ、人参のナムル、サンマの刺身、ポテトサラダ、味噌汁、キムチ、サンマの塩焼き。

ビビムパブ。サンマの刺身です。


 

10月18日(日) 晴
 明け方激しい風で家が揺れた。日中は晴れたが強風であった。洗濯して、午後からは、知らない町探索に出かける。遠出の散歩である。 3時間ほど歩き回り疲れて、甘味屋に入った。ちゃんとご飯を食べずに出てきたので、水底はきしめんに目がくらむ。私は、 ぜんざいとおいなりのセットに目がくらむ。
 夜は、広島風お好み焼きの夕べである。豚バラ肉、キャベツ、豆モヤシ、少量のタマネギ、スルメ天、干しエビ、イリコ粉、カツオブシ、青海苔、 麺、卵が層状に焼かれ、蒸されていく。広島風お好み焼きは、ピザであり、包み蒸しサラダである。

食:16時、甘味屋。
食:21時、広島風お好み焼き、ご飯、人参とゼンマイのナムル、ポテトサラダ、キムチ。

 


 

10月19日(月) 晴
 日本消費者連盟で打ち合わせなど。魚柄仁之助氏に電話で講演を依頼する。すぐに了解してもらえた。一度、直接話を伺いたかった人なので、 楽しみである。
 魚柄氏は、俗に「ひと月9000円の食費」とか「貧乏料理のテクニック」などの言葉で知られているが、実のところ日本などの伝統的な乾物、 保存食をうまく使って、栄養も、味も、見た目も、気持ちも豊かになる料理を紹介したり、 その背景にある食生活や農業のあるべき姿などを表現している人なのである。自分の家に、自分が1カ月、 2カ月は暮らせる食料があるという基本姿勢は、我が家と同じであり、我が家以上に徹底していて共感がもてる。
 夜は、水底が春雨と人参、豚バラ肉、レモン、唐辛子、パクチー(コリアンダー)などでつくる、タイのサラダ「ヤムウンセン」を仕込む。私は、 レンコン、ゴボウ、人参、大根、生姜、油揚げと、水底が残した豚バラ肉を使って、根菜味噌汁を仕立てる。ずいぶんと寒くなってきたので、 身体があたたまるものが欲しいのだ。

食:13時、コーヒー、オープンサンド(私)
食:13時、スパゲッティバジルソース(水底)
食:20時、大麦入りご飯、根菜汁、ヤムウンセン、キュウリとキャベツのサラダ。

 


 

10月20日(火) 
 ここ数日、貰い物の新米コシヒカリを食べている。くれた人に申し訳ないので、あまり批評めいたことは書かないでおこうと思ったのだが、 なるほど、と思う部分もあったので、やはり書くことにしよう。
 私も、水底も、自他共に認めるコメ食いである。ここだけの話だが、調子にのるとおかず少々、コメ3合をふたりで軽く平らげることもある。
 ところが、新米コシヒカリを食べはじめてから、ふたりで1合半も入らない。コメが。さらに、それから数時間、ふたりとも胃がもたれてしまい、 ガスがたまってしまう。
 どうしたことか。
 ふつうに3合食べるときは、直後は苦しいものの、しばらくすると俄然調子がよくなるのに、コシヒカリはとたんにもたれて、 眠くなるが寝苦しいというつらい気持ちになってしまう。
 それに、おかずに合わないのだ。
 甘くて、甘いだけで…。
 きっと、このコメは、我々がふだん食べている有機米よりも高いのだろう。そして、食べるひとは、お茶碗に1膳で満足してしまうのだろう。
 こりゃあ、コメの消費量が落ちてもしょうがない、という感じである。
 ここからは想像だが、このコメには、微量成分が欠けているのではなかろうか。化学肥料中心でつくられているために、稲の根にも葉にも力がなく、 微量な「力の素」になりそうなものが足りないままにコメの形をとるのではなかろうか。だから、腸の中で、微生物もふだんとは違い、 ガスが溜まったりするのではなかろうか。
 あと、数キロ。早く、いつものコメに戻りたいと、高級コシヒカリ新米を前にため息をつくふたりであった。
 でも、くれた方への名誉のために申し添えると、そこら辺のまずいコメとは比べもんにならない位、質のいい、おいしいコメなんですよ。ただ、 我々のわがままというヤツです。
 水底が、コショウとクミンの効いた豆スープをこしらえる。南アジア風でうまい。

食:13時、チャーハン、根菜汁の残り、サラダの残り、ヤムウンセンの残り。
食:21時、ご飯、豆スープ、イカのトマト煮。

 


 

10月21日(水) 曇りのち雨
 とても寒かった。冬が来るのではなかろうか。このところ、野菜が高いというニュースをよく見るようになった。長雨や天候不順で、葉菜、 根菜ともに不作である。ここから持ち直せば、年末には回復するのだろうが、どうだろうか。あまりあてにできまい。
 百姓さんもつらいのだから、あるものを食べてしのごうと思うのが人情というものだが、おっとどっこい、 太平洋の空を渡ってレタスが飛んでくるという。いやあ、91年の不作の時には、船便でレタスが来たものだが、今度は空ですかい。 それだけ金をかけても儲かるときた。しかも、レタス。水と空気のかたまりではないか。それを、貴重な燃料と、空気を汚して、 わざわざ日本の食卓へ。おいおい。
 輸入食品というものは、そのまま、産地国の土と水である。産地国では、日本よりも貴重であるべき土と水をわざわざ日本に渡しているのである。 そして、日本は、それを有機物の形で購入するものだから、豊かな大地が過剰になり、海に溢れ出して汚れてしまう。
 困ったものだ。
 新米豪華コシヒカリ対策として、炊き込みご飯を思い立ち、結構する。干し椎茸、人参、大根、ひじき、煮干し、干しエビ、ゴボウ入りである。 どうだ、まいったか、と思ったが、やはりコシヒカリは手強い。
 夜は、寒いので湯豆腐に。ところが、敷いた昆布に大根が入り、小松菜が入り、えのきが入るから、調子が狂う。あげくに、 水底が簡単うどんを打ったため、それも入る、魚のつけ揚げも入るときた日には、これはもう湯豆腐ではなく、湯豆腐なべ、うどんすき風。これに、 すいません、ちょっとざせつして、古米でも肌になじんだあきたこまちを炊かせていただきます、ということにあいなった。許せ。

食:12時、炊き込みご飯、豆スープの残り、イカのトマト煮、ワカメと小松菜の味噌汁。
食:19時、手打ちうどん入り湯豆腐鍋、タマネギとジャガイモの手作りベーコン炒めチーズがけ、ごはん。

手作りベーコン。できたてがうまい。

| カテゴリ:はる食日記 | 1998年10月3週 | 1998年10月21日

10月30日金曜日 1998年10月4週 (はる食日記)

26日、鶏モツの煮物。野菜がうまいぞう

 


 

10月22日(木) 晴
 実はここだけの話だが、引っ越しを検討している。ちょいと郊外に出て、空気がいいところに住みたいと考えている。それでもあまり田舎ではなく、 都心に30分あたりというのが、甘いところである。それでも、山と川に近くなりたいと思うところであり、候補地をうろつく。
 さて、数日前に、水底が自家製ベーコンをこしらえてくれた。豚バラ肉の味付け薫製である。薫製は、中華鍋と金属製ボールを活用する。 部屋中に桜のチップのくすぶる香りがしてすこぶるよい。できたてのベーコンほどうま味のあるものはないと思う。 ほんのちょっとでも立派な調味料になるのがうれしい。このベーコンとチーズを使った料理に凝ってしまう。
 夜は、水底が餃子に取り組む。豚バラ肉、ニラ、キャベツ、ニンニク、ショウガ、タマネギ入りである。私は焼くだけ。でも、今回は、皮を購入。 お腹がすいていて、すぐに食べたかったのだ。

食:鍋の残りうどんみそ味、人参とジャガイモの手作りベーコン炒めチーズがけ、ご飯、 炊き込みご飯の残り。
食:麦入りご飯、ワカメと油揚げ、小松菜の味噌汁、餃子。人参とジャガイモの残り。

 


 

10月23日(金) 曇りのち雨
 寒いのでこたつを出した。まだ、扇風機をしまっていないのに、である。つい1週間ほど前は、30度近くまで気温が上がったのだが、 世界は曇ったまま寒くなってゆく。水底の動きがにぶくなってきた。どうやら冬眠するらしい。
 ついつい料理が身体を温めるものになってしまう。今日は、昼間水底が外出していたので、手抜きをしてラーメン。手抜き…いや、実は、 餃子ラーメンが食べたかったので、積極的にインスタントラーメンにしたのだった。餃子の次の日は定番です。
 夜は、洋風おじや。人参、ジャガイモ、タマネギ、ベーコンを炒めて、牛乳で煮立たせ、そこへご飯を入れ、最後にチーズで仕上げる簡単料理。

食:14時、ご飯、インスタントラーメン(餃子、ニラ、ワカメ、卵入り)。(私のみ)
食:14時、ココア、チーズトースト(水底)。
食:20時、洋風おじや、キュウリとキャベツのサラダ、餃子の残り、チーズ餃子揚げ。

 


 

10月24日(土) 曇りのち雨
 寒いぞ。今日は、友人宅で飲み会。男3人と水底である。友人のひとりが、35歳の誕生日を迎えたので、それを祝う。私たちを除いた男二人は、 30代働き盛りのサラリーマン。この不況期に、だからこそ、できる人間には皺が寄りまくる。そこで、彼らは、疲れ切り、それでも働いてしまう。 つい、1年前まで、できるとは言わないが忙しく働いていた私としては、少々見ているのがつらいところもあるが、 私よりも楽観的な人間達なのでなんとかなるだろう。くだらないことを喋りながら飲食するうちに昼寝をしてしまう。

食:15時~豆モヤシのナムル、コーンとツナ入りポテトサラダ、ジャコのピリから、それに水底が、 タイ風春雨サラダをこしらえる。それに、牛と砂ギモの焼き肉。野菜は、椎茸、えのき、ピーマン、モヤシ、キャベツ。さらに、 キャベツと豚バラ肉の焼きそば、ご飯。ケーキ、ビール、ワイン。

 


 

10月25日(日) 晴
 快晴。本当によく晴れたので喜んで洗濯する。寒くなってきたので、睡眠時間が長くなる。いや、夜遅くまでパソコンに向っているからか。
 昨日が濃い食事だったのであっさりとしたにゅうめんを作る。干し椎茸、かつおぶしだしに、人参、大根を煮込んだもの。薄口醤油とみりんのつゆ。
 夜は、水底がトマト豆スープを作る。トマト缶、ジャガイモ、豆、塩豚、タマネギ、それにスパイス各種。
 この正式名:豆もチリトマト煮。
食:14時、にゅうめん、にらたま。
食:21時、麦入りご飯、トマト豆スープ、塩豚キャベツ炒め、納豆。

 


 

10月26日(月) 晴、曇り
 日経『サイエンス』を読む。ずっと前に購入したものを何気なく手にとって読み始めたら、 DNAを利用したコンピュータの素となる実験が詳細に説明されていた。えっと、馬鹿な私のおおざっぱな理解で説明すると、コンピュータは、 つまるところ、入力(読み込み)、出力(書き込み)、計算(足したり、引いたりする)ことで、基本的なことはなんでもできる、という前提がある。 ゲームも通信も、その結果であると。で、DNAは、4つの塩基(ATGC)から成り立っていて、切り取ったり、貼り付けたり、 タンパク質を作ったり、というコンピュータにとって必要なしくみはできている。だから、DNAを合成したり、コードを読みとったり、 分別することができれば、コンピュータ化は可能だよ、と。基礎はできているから、あとは応用技術だけよ、ということらしい。
 21世紀の後半には、今のようなハードなコンピュータが、こんなものに置き換わるのだろうか。すると、コンピュータウイルスは、 まさにウイルスになるのかな??
 コンピュータが人間に感染することもあるか。すると、コンピュータ人間とか、コンピュータを組み込んだ犬とかができそうな…。なんか、 すごい世界ができそうですね。
 生態系はもつかな??
 ジャガイモを揚げて、ワカメ、キャベツとともにインスタントラーメンに乗せてみる。これはいいアイディアかも。 インスタントラーメンに豚バラの白煮とスープを加える。別にインスタントラーメンでなくてもいいのに、といつも思うのだが。
 夜は、鶏のモツを購入したので大根、里芋、こんにゃく、豆腐と煮込む。レタス丸ごと使って味噌汁をつくる。野菜がおいしい。コロッケは、 ちょっと訳ありで購入品。

食:14時、ご飯、ラーメン、豆スープの残り。
食:21時、麦入りご飯、レタス味噌汁、鶏モツの野菜煮込み、コロッケ。

 


 

10月27日(火) 曇り時々雨
 火曜日は、資源ごみ収集の日である。昨夜、ビン類を整理しておいたので、朝は数時間寝た後に起き出して、3往復ほどビンを出しに行く。 オレンジジュースのビンが多いのに気づく。このところ、近所のスーパーでポンジュースを購入していたからだ。愛媛のポンジュースは、 愛媛産みかんジュースと思われがちだが、実は、輸入オレンジとのブレンドである。そのため、 かつてはポストハーベスト農薬が検出されたこともあった。今も、そうなので、ちょっと残念だが、市販されているほとんどが、 濃縮果汁還元で輸入品というところからみても良心的な方である。実は、季節によっては、 ポンブランドで国産ミカンストレート果汁というのが販売されている。なぜ紙パックなのかは分からないが、知っている限り紙パックのものだ。 こういうのが通年出回ればいいのだが。
 やはり、国産ミカンジュースはおいしい。
 とても寒い1日。ずっとパソコンに向っていた。
 最近、揚げ物の機会が多い。揚げるコツをつかみつつあるので、どうしても練習したくなるのだ。それと、 サツマイモの天ぷらがとてもおいしいからでもある。ということで、本日も、サツマイモ天、カボチャ天、タマネギとマイタケのかき揚げ、 イリコの天ぷらをこしらえてしまった。
 夜は、先日来煮込んでいた豚バラ肉の実とスープを使ってカレーをつくる。豆数種類を半日水にひたし、さらに別に煮込んでおいてから、タマネギ、 ニンニク、ショウガ、人参、ジャガイモ、スパイス類で調理する。カレーといっても、あまり黄色くはない。でも、まあ、カレーのような味がする。 しいて言えば、先日の水底作豆スープにカレースパイスを入れたようなものか。


食:13時、天ぷら、鶏モツの野菜煮込み残り、麦入りご飯。
食:22時、豆豚カレー、天ぷらの残り、麦入りご飯。

豆豚カレー

切り干し大根

 


 

10月28日(水) 晴
 今日は、ちょいともの悲しいくらいよく晴れた。暑いくらいだ。ふたりであちらこちらを歩き回り、疲れる。
 このところ、水底は小麦こねたい病が再発。この1週間で、2回ほどビスコットを焼き、2回ほどケーキを焼き、さらに手抜きうどんを作っている。 お菓子の方は、水底のホームページにゆずるとして、手抜きうどんについて書いてみよう。
 これは、もともとは魚柄仁之助さんのレシピなのだが、ようするに塩を入れた小麦粉を練って団子をつくり、 それを平たくして畳んで切ったらうどんになるでしょうというものである。あら、蕎麦より全然簡単。太めに切るとほうとうか団子になるのだが、 細めに切ると、ちゃんとうどんである。しかも、割とコシがあり、旨い。鍋などにはもってこいである。今日の夜は、カボチャと里芋、 サツマイモと人参、大根、小松菜の味噌汁にしようと思っていたら、いつの間にかうどんが打たれていたので、うどん入りとなり、鍋も土鍋が登場し、 ほとんど鍋。
 うれしいねえ。鍋がおいしい季節とは。
 ところで、野菜が高いですね。有機野菜はベースが市販の野菜より高いけれど、どこも契約栽培で仕入れているので価格が比較的安定しています。 だから、あまり気にならないのだけれど、やはり、スーパーなどで見ると高い! まはーる(インドネシア語)!
 これにつけこんで、緊急輸入が大流行。ありゃりゃ。

食:12時、麦入りご飯、豆豚カレー、納豆。
食:17時、ツナとタマネギのジャッフル、コーヒー(私)、紅茶(水底)
食:23時、手抜きうどん入り根菜味噌汁、麦入りご飯、長芋とろろ。

 


 

10月29日(木) 晴、曇り
 毎日洗濯できるのはうれしい。実は、昨日転居先を決めてしまった。
 発作的かつ衝動的に決めてしまったので、我ながら唖然としている。
 値段と広さと環境が決め手であったのだが、実はとても広い。
 ただし、少々山の上である。林の中と言ってもよい。ということは、土があるのである。
 と言っても、畑ができるほどではないが、梅や大根を干したり、堆肥を少々こしらえたりするぐらいのことはできそうだ。引っ越しは来月の末。 それまでばたばたしそうだし、我が家に大量にある保存食を少々減らす必要もあろう。
 これから1カ月、料理が変りそうである。

食:12時、手抜きうどん根菜味噌汁とろろ入り、麦入りご飯。
食:20時、麦入りご飯、切り干し大根の煮つけ、味噌汁、あじの開き、カレーの残り、高菜漬け。

 


 

10月30日(金) 曇りのち雨
 今、私のパソコンの壁紙は、スペースシャトルがまさに打ち上げられた瞬間の写真である。青い空に白い機体がわずかに浮いている。そして、 その下からわき上がる雲。ジェットの噴射。
 ジョン・グレンというひとりの老人が、あらゆる手段を使って再び宇宙を目指し、その夢を現実にした。アメリカが湧いている。よいことだ。
 宇宙への夢は、1960年代の米ソ冷戦構造の中で、ミサイル開発競争の派生物として幕を開けた。そのため、 冷戦が終結すると人々はまるで宇宙に使う金が1円もないかのように振る舞いはじめた。人類が月に最後に行ったのは、 もう30年近く前のことである。
 70年代、いや、80年代にはできるはずだったスペースコロニーは、ようやくこれから研究施設の建設がはじまる。もう、 20世紀は終わろうとしているのに。
 私は、人類が宇宙に出て欲しい。私自身も、機会があるならば、その夢を得たい。
 地球という生きた星は、この宇宙のこの界隈に見あたらない稀な存在である。
 そして、たったひとつしかないということは、いつ何かが起こって生態系が破滅的な状態になるかも知れないではないか。 100億という人口を抱え、社会的閉息感が高まりつつある中、宇宙を新たな生活の場として見いだすことは、ひとつの可能性であろう。同時に、 宇宙に人類が生活の場を広げるということは、地球という生きた星をもうひとつ増やす行為でもある。すなわち、フェイルセーフとしての 「もうひとつの地球」であり、極言するならば、地球の繁殖行為でもある。
 人類が、その行為により、地球を汚し、苦しめ、生態系に蹂躙を加えているのならば、贖罪もまた人類によってなされることを望みたい。
 ああ、ちょっと熱くなっているな。
 ところで、スペースシャトルの乗員は何を食べているのでしょうか。NASDAやNASAのホームページを見ると、乗っていたりするのだな。 これが。
 あじの開きは冷凍していたもの。昨日に引き続きさっと焼いて食べる。
 夜は、水底がトマト、ジャガイモ、チーズ、煮たの、焼いたのわわわわあ。と、イタリア系ジャガイモトマト頭になっていたので、タマネギ、 ニンニク、ジャガイモ、人参、トマト、鶏肉をそれぞれフライパンで焼き、チーズとパン粉を載せてオーブンで焼き上げてみた。 それにケチャップなどを付けて食べる。焼き料理だが、どこか鍋っぽい。

食:12時、麦入りご飯、あじの開き、豆腐と小松菜の味噌汁、切り干し大根の残り、高菜漬け、 納豆。
食:22時、麦入りご飯、イタリア風焼き鍋、豆腐とワカメと大根の味噌汁、切り干し大根の残り、高菜漬け。

イタリア風焼き鍋


 

10月31日(土) 晴
 今日から3日間、水底は長野の山奥で修行する、いや、昆虫採集である。どうやら道なき道の果てにある山宿に泊まるらしい。 こんにゃくがおいしいというので、食記録が楽しみである。
 私の方は、これから3日間、ジャンクなものになるのだろう。ひとりだと、作るのが突然めんどうくさくなる。食べる人がいないと、 気持ちが入らないのだろうな。土鍋でご飯炊くのも、ねえ。
 そういえば、久しぶりに朝にご飯を食べた。
 午前中、電話があって、午後から学校給食関係での栄養士の集まりに行く。小学校の机とイスは小さくて堅い。3時間ほど座り続けていたら、 腰がいたくなった。
 この話の中で、「飽食の中の飢餓」という言葉があった。太りすぎ、食べ過ぎなのに、栄養は欠乏し、 身体はストレスを持ってしまっているという状態である。
 子どもたちの多くがその状態にあるというが、大人もそうであろう。

食:5時、ご飯、豆腐と油揚げとワカメとサツマイモの味噌汁、オムレツ、高菜漬け、ふりかけ、 こるまめ、イタリア風焼き鍋の残り。
食:12時、かき揚げそば。
食:20時、ご飯、ワカメと油揚げと大根の味噌汁、キャベツサラダ、コロッケとメンチかつ。

いつもの味噌汁。

| カテゴリ:はる食日記 | 1998年10月4週 | 1998年10月30日

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