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1998年7月11日土曜日 1998年7月バリ日記 (はる食日記)

6月20日から7月11日まで、 インドネシアに旅行してきました。
主にバリ島に滞在し、一度、隣のロンボッ島も訪れています。
そこで、このバリ島旅行の前半と後半に分けて掲載します。

 


 

この頃の通貨レートは、市中で1円=約100Rp(ルピー)でした。半年前に旅行した頃より、レートは3分の1、 すなわち日本円はインドネシアルピーに対して3倍の価値を持つようになっています。一方で、 インドネシアの物価は平均すると約2倍というところです。外国人や金持ちを相手にしているところでは、ドルと連動して、 物価上昇以上の値上げですし、市中の市場や食堂などでは、値上がりしたり、していなかったり、まちまちです。

 


 

7月1日(水)  晴れ ウブッ
昨年の10月末、ウブッに初滞在したとき、このあたりの水田はみな収穫間際だった。それから8カ月、おそらくは2回の田植えと、稲刈りを過ぎて、 ちょうど今、3回目の田植えをする季節になったらしい。6月終わりから7月中にかけて植えられた苗は、 9月終わりから10月中に収穫のときを迎えるのだろう。年に3度、田起こしにはじまり、代かき、田植え、草取り、稲刈り、脱穀、 藁取りを繰り返すのは、それはそれで忙しかろう。それをすべて人力や、せいぜい牛の力を借りる程度であるから、熱帯の稲作は大変である。また、 ときには大豆や落花生やとうもろこしなどをつくることもあるという。水の管理を考えた上で輪作も行なうわけである。
広い面積を栽培している農家には、牛の代わりに耕運機を持っている人もいた。また、家鴨を飼っている人も多く、 田植え前の水田でせっせと除草をしている姿もあった。
夕暮れになると、田の草取りの人に混ざって、おそらくは蛙であろう、夕食のおかずを獲る人の姿もある。
空の汚れていない南洋の夕暮れは美しく、今は月が日に日に太っていく。青い空は日暮れとともに空全体が赤く染まり、 遠くの椰子の木やバナナを影絵のように浮かび上がらせて、漆黒の闇へと落ちていく。満天の星。細い月。

市場にて、山羊のスープを食べる。じっくり時間をかけて煮込まれ、ニンニクの香りとタマネギの甘さが山羊のうまみを完全に引き出している。 香辛料の少ない、薄味のスープは、スジや脂身もとろとろで、実にうまい。これは、うまい。

食:8時、トマトまぜオムレツはさみトースト、フルーツ(スイカ、パパイヤ、パイナップル)、紅茶
食:10時、ナシソトカンビン(山羊のスープとご飯)、紅茶。ふたりで6000Rp。
食:11時、ラージビール、バナナハニージュース18000Rp。
食:12時、ナシゴレン(私)、ガドガド(薄焼き卵とキャベツ、白菜、もやし、人参炒め、ピーナッツソース)、ライス(水底)、 パイナップルジュースふたり分、8000Rp。

 


 

7月2日(木)  晴れ ウブッ
今日はお葬式。誰のお葬式かは、分からない。数日前に旅行代理店が「大きなお葬式があるよ」と張り出したので、そのツアーに参加した。そう、 バリではお葬式も公開するのだ。バリの葬式は、基本的に火葬であり、大きな御輿を鳴り物入りでかつぎ、海まで運んで、火をともす。ところが、 この葬式にはものすごいお金が必要であり、普通の人はなかなか葬式を出すことができない。そこで、人が死ぬとまずは土葬しておき、 お金持ちの葬式があると、それに便乗して火葬することになる。ということで、ひとりの大きな葬式は、集団葬式となり、 まったく祭日のようになってしまう。数千を越す人が集まり、物売りや屋台、食べ物屋が出て、観光バスが押し寄せ、 さらにそれ目当ての物売りも集まるというすごい状態である。この日は、いくつもの道路が封鎖され、御輿が練り歩き、灼熱の砂浜に人々が集まる。 午前中にはじまった儀式は、夕方に火葬されるとかで、人々も暑さにうんざりしながらも、よい葬式を上げようとたたずんでいた。 大きな火葬は4時だとかで、1時半にはそこを出て帰ることとなった。
泊まっているデワンガバンガローに併設されているレストランに行ったところ朝食メニューの中にRed Rice Teaなるものがあった。 バリ島では今も赤米や黒米を栽培しており、この赤米の色を生かした玄米茶を供しているのである。
夕食は、クブクカフェでベジタリアンフードとする。エビ抜きのクルプックは、玄米入り煎餅になっていて、味もまったく煎餅と変わらない。ご飯も、 分つき米で噛みごたえがあった。水底は、ナンカ(ジャックフルーツ)に挑戦。煮るとマグロのほほ肉のような食感になる。 種があるのがかえって不思議なくらいだ。

食:8時、バナナカスタードパンケーキ、フルーツ、紅茶
食:9時、赤米茶(私)、アイス(水底)4500Rp。
食:12時半、ミーバッソ(肉団子入り、スープ麺)2杯で10000Rp! おーい、高いぞ。
  椰子の実ジュース500Rp。
食:14時、鶏の唐揚げ、フライドポテト、サラダ(人参、キャベツ、トマト、ご飯、ビール小(私)、焼きそば、アイスティー(水底)、 23500Rp。
食:18時、ベジタリアンカレー(ジャガイモ、人参、ナス、ブロッコリー)、長豆ともやしの煮物、タフとテンペの煮物、玄米クルプック、 分つきご飯、トマトとキュウリ、コピ(私)、ナンカ(ジャックフルーツ)の煮物とパイナップルジュースの他は同じ(水底)23000Rp。

 


 

7月3日(金)  晴れ ウブッ
宿替えをする。DEWANGGAから、以前のJATIへ。理由は、朝食と部屋の清潔さ、価格においてJATIの方に分があったからだ。しかも、 前回の部屋ではなく、より明るい二階の部屋にしたので、暗さの心配がなくなった。
実は、この旅行に出かける前、髪を切ろうかと思っていたのだが、時間がなくそのまま出発してしまった。 別に切らなければならないほど長くはなかったのだが、私の髪の量が多いため、少し梳いておきたかったのだ。こちらにくるなり、 少々風邪気味になり、髪を切ることができなくなった。夜は寒いので、切るととたんに風邪がひどくなりそうだったのだ。しかし、昼間はとても暑く、 体温調整が難しくなる。
風邪気味も治ったことだし、念願の散髪に行くこととした。床屋は、マッサージなども兼ねるエステサロンで、髪も切ってくれる。頼むと、 まず髪を洗ってくれ、それからおもむろにはさみを取り出し、鶏の羽根をむしるような勢いで刈りはじめた。髪梳き用のはさみを入れ、 えりをかみそりでじょりじょりやるのも含めて、正味15分。最後にもう一度洗い、ドライヤーを軽くかけて、終わったのでも正味20分であった。 価格は15000Rp。早い、安い、力強いおば様の迫力に、髪を切られるだけで疲れてしまったが、楽にはなった。
夕食後、ティルタサリのレゴンダンスを見に行く。日本人観光客を中心に、観光客、それに地元の人、子どもたちを入れると、 300人以上が集まっていたのではなかろうか。大変な人気である。たしかに、演出、照明のいずれも、他ではないような洗練があり、 様式美があった。よくも悪くもショー的なのである。まあ、見せ物なのだから、それでいいんだけどね。

食:8時、焼きそばオムレツ。フルーツ
食:ナシチャン(揚げ小豆、テンペゴレン、アヤムゴレン、サテ、鶏の唐揚げ入り酢豚風、もやしと長豆のカレー煮、クルプック、トマトとキュウリ) 、パパイヤジュース(私)、ナス入りトマトスパ、パイナップルジュース、ココナツクリームパイ(水底)36000Rp  
食:小松菜と鶏肉が入ったスープ麺(ふたり)、オレンジジュース(私)、パパイヤジュース(水底)15000Rp。

 


 

7月4日(土)  晴れのち雨のち曇り ウブッ
1日ツアーに参加。ギャニャールのイカット(かすり織り)工房、クルンクルの王宮跡、ブサキ寺院、バリ・アガ村、クサンバの塩田などを回る。 我々の目的は塩田のみである。小さな漁村は、この地域最大の塩田地域であり、塩づくり用のひなびた小屋が砂浜にいくつも立っている。塩づくりは、 まず、砂を浜よりも高く積み上げ、10メートル四方ぐらいの台地を完成させる。そこに海の水をなんども汲み入れ、強い日光にあてる。 この作業を繰り返し、濃い塩水まじりの砂を今度は小屋の中にある木枠で作った風呂桶のようなものに入れる。すると、 この風呂桶の側面下部にある水抜き口からちょろちょろと濃い塩水がろ過されながら出てくる。これを樋を通して、 椰子の木をくりぬいて作った長さ1.5メートル、幅60センチぐらいの桶に貯めていく。そして、この桶の塩水を、 砂浜にしつらえた溝のある台に流し込み、乾燥させて塩の結晶をとるのである。この台は、長さ1メートル、幅50センチ程度で、 50センチほどの足がつけられ、高床になっている。雨がふったら、竹と藁でできた屋根を置いて流れ去るのを防いでいる。
できた結晶は、水分を含みやすく、また、にがりも残ったままの純度の低いものである。それゆえに、あの精製塩にある強烈な刺激はなく、 まろやかでまったりとした味わいになっている。未精製塩はにがりを多く含んでおり、必ずしも多量に摂取することがよいとは言えない。しかし、 少量を適宜料理に使う上においては、実に奥行きのある味を出してくれる。
さて、バリヒンズーの総本山ブサキ寺院では、途中から一転雲がわき、遠くで雷が鳴り出し、しばらくすると暴風とともに激しい雨が降りはじめた。 暴風雨はしばらくやまず、高地であってただでさえ涼しいところに気温は下がる。雨に打たれた人々は身体を震わせていた。 私のような不信心な者が来たことで、バリヒンズーの神のつむじを曲げたのだろうか。
1963年、当時のスカルノ大統領が、観光のため、高僧の意見を聞かずにブサキ寺院の大祭を開かせた時には、そのさなかに、 ブサキ寺院のある霊峰アグン山が噴火を起こし、多くの人が犠牲になったという。信仰心の豊かなところでは、 人と世界がいまだに共感と交流を持っているのだろう、あながち関係ないとは言えまい。
途中の道で、タマリンドの木を見る。実がたわわになっていたので、むしって鞘をあけ中のねっとりした実を食べてみた。 スモモジャムの砂糖を抜いて、梅干しほどの酸味を加えたような味だった。水底によると、 これを鞘ごと発酵させていわゆるタマリンドペーストをつくるという。カレーなどの煮込み料理には欠かせまい。

食:8時、半熟目玉焼きのジャッフル、フルーツ(スイカ、バナナ、パイナップル)
食:13時半、ビュッフェ形式の観光レストランにて、ご飯、野菜スープ、白菜などのチャプチェ、ジャガイモ、人参などのカレー、サテ、豚のサテ、 春巻、長豆煮、タフゴレン煮、ミーゴレン、ナシゴレン、クルプック、果物、紅茶など、ひとり税込み30000Rp、つまり60000Rp。
食:20時、ご飯、ジャックフルーツ入り野菜辛いスープ、バリライスワイン、パイナップルラッシー(私)、ジャックフルーツと長豆、人参、 タフなどのあえ物、パイナップルラッシー(水底)、19500Rp。

 


 

7月5日(日)晴れ時々曇り、にわか雨、 ウブッ
ここが熱帯だと感じるのは、木のてっぺんに赤や白の花が咲き乱れるところと、花の蜜や、 年中いたるところでなっている木の実を糧にして無数の鳥や虫が飛び回り、鳴き交わしているところである。夜明けから、深夜まで、 声の主は変われども、鳴き声がやむことはない。
水と太陽と大地と風、この過剰なほどの豊穣は、ひとえにひとえに自然のめぐみである。
同じような豊穣を、フィリピンのネグロス島で見ることができた。この豊穣の下で、食べるものがありながら、 飢えて死ぬという状態があることはまったく信じられない。このバリ島ではどうなのだろうか。すくなくとも、米を換金作物として、 また税としてとる歴史があったことは間違いないが、自給的性格や、社会的相互扶助という中では、 村八分などの社会的制裁によるものやまったくの天災でなければ、飢え死ぬという状況はなかったのではなかろうか。文化的な豊かさと、 自然の豊穣と、田に働く人の姿を見ていると、そのような気がしてならない。

食:8時、フレンチトースト、フルーツ(パパイヤ、バナナ、パイナップル)
食:12時、ナシチャンプル(豚皮揚げ、鶏唐揚げ、テンペゴレン、サテ、ソーセージ、ミーゴレン、ゆで玉子、長豆ココナッツ和え、 キャベツと人参、ご飯)、アイスティー、以上ふたり前、クルプック1枚。11500Rp
食:13時、マルキッサ(パッションフルーツ)ジュース(私)、スイカジュース(水底)6900Rp。
食:16時、ソトアヤム、豆腐の中華風炒め、ご飯、ビール小2本(私)、スパゲッティしいたけ入りカルボナーラ、ラッシー(水底) 69000Rp。
食:20時、ミーゴレン、パイナップルジュース(私)、グライアヤム(チキンカレー)、ご飯、アイスティー(水底)11000Rp。

 


 

7月6日(月) 曇りのち晴れ ウブッ、 クタ
ムハンマド降誕祭にて、インドネシアの祝日。
今日はクタまで買い物に出かける。久しぶりのクタはやはり喧騒に包まれていた。心なしか日本人観光客の姿が目立つ。ああ、 夏休みシーズンに入っているのだ。ずっと、新聞もテレビもない生活を送っているので、今、日本で何がどうなっているのかは分からない。 そういえば、どこかのテレビでクリントンが中国を訪問していたような気がするのだが、どうなのだろう。
炎天下、買い物を済ませ、帰りのバスまで時間があったので、レストランに入る。たまには、ということで、サンドイッチのたぐいを食べた。 このレストランに入った直後、2時半頃、突然スコールがはじまる。雷を伴ったどしゃ降りにあっという間に人の姿はなくなり、 車だけが水しぶきを上げながら走っていた。と、そのとき、雨の中を走る人の姿が。にこにこしながら傘と雨がっぱを持っている。売り子である。 とても嬉しかったようだ。おめでとう、雨が降り続くといいね。

夕方、王宮にレゴンを見に行く。ウブッは4時頃から雨だったらしく、いつもの王宮内の露天ではなく、 その横の簡易ステージで行なわれることになった。いつもは、演舞の周囲を適当にとりかこんで椅子が置かれ、座るのだが、今日は、 全員が正面を向くスタイルでちょっと雰囲気も違う。また、屋根があるせいと、ステージが1段高いせいか、音の通りがまったく異なり、 ガムランの高音と、太鼓、銅鑼の低音が響き、人の声などの中音がまったく響かない。これはこれで独特の雰囲気ではあるが、 音を楽しむならば露天の空に抜けていく音を聞くに限る。

食:8時、緑色のバナナパンケーキ、茶
食:12時、ナシチャンプル(ご飯、じゃが人参カレー、長豆の煮物、サンバル、甘いナッツとテンペゴレン、つけ揚げ、ゆで卵)、 パパイヤジュース(私)、ナシソトアヤム(鶏、トマト、春雨、ココナッツミルク、レモングラスなど)、スイカジュース(水底)12500Rp。
食:15時、クラブハウスサンド、スイカジュース、コーヒー(私)、ハンバーガー、パイナップルジュース、コーヒー(水底)34000Rp。
食:21時、ナシチャンプル(アヤムゴレン、クルプック、豚肉サテ、小豆煎り、長豆とココナッツなどの和え、ナンカ=ジャックフルーツの煮物、 ゆで卵)、ブルム、ビール(アンカー小)、(私)、アヤムジュル(ご飯、小豆煎り、長豆とココナツ和え、鶏肉とココナッツの和え)、 レモンジュース(水底)、ポテトサラダ(ジャガイモ、ゆで卵、きゅうり、マヨネーズ、コショウ)22000Rp。

 


 

7月7日(火) 晴れ、 ウブッ
朝からおじさんが畔の草刈りをしている。ていねいに刈って、ちょっと草を選んでから袋に詰めていく。鶏や豚の餌にするのだろうか。
昨日から買い物モードに入っている。お土産などを一斉に購入。あっという間に金が飛んでいく。
昼食は、かねてより狙っていたムスリムパダン屋。昼頃でかけて食べたが、やはりうまい。カレーソースのかかり具合が絶妙である。
夕食は、サテ&ソトカンビン(山羊)の専門店へ。入ると、黙っていても、山羊のサテと山羊のモツスープが、盛りのよいご飯と一緒に出てくる。 サテは、甘辛く、どこまでも柔らかい。スープは、ハチノスやレバ、ガラなどが入っていて、どれもとろとろに煮え、ニンニクやタマネギ、 唐辛子やココナッツミルク、あるいは、わずかなターメリックなどと混ざりあい、最後にたらしたケチャップマニスとレモンの甘み、酸味と、 トラシのコクと調和してすばらしい汁となっている。これらをごはんの上に渾然一体とかけ、混ぜ、汗をかきながらいただくのである。うまい。 至福の時である。

食:8時、トマト、チーズ、半熟目玉焼きのトーストサンド、フルーツ、紅茶。
食:12時、アヤムゴレン、テンペゴレン、茶っぱ煮、インゲンキャベツ煮、チャベ(唐辛子煮)、ご飯、アイスティ(私)、アヤムがオタック (羊の脳みそ)煮になったものを水底、8400Rp。
食:17時半、サテカンビン、ソトカンビン、ご飯の定食(二人分)、8000Rp。
食:夜食に、ボンタン、ニンニク豆、茶など。

 


 

7月8日(水) 曇り晴れ時々雨、 ウブッ
このところ雨が多い。洗濯物がパリッと乾かないので、臭くなってしまうのが辛い。
満月(前夜)ということで、アルマ(美術館)前のオープンステージで特別公演のレゴンを見る。見せ物用のレゴンと言っても、 1時間のうち約40分がトランスダンスであり、ランダに扮した男を、踊りを踊っていた少女ひとりと、数人の男性が鉄製のクリス(短剣) で刺していく。何度も、何度も刺し、時には、刺す側の男性や、支えになったり、危険を避けるために舞台にいる何人かの男性も刺されたりする。 ランダ役を刺している女性をさらに刺したり、とか、激しい限りである。この刺されるランダと刺す女性ひとりをふくむ数人、 それに舞台周辺のひとりふたりがトランス状態になっている。
いくら刺される側が腹に何かを巻いていても、鉄の短剣が折れ曲がるまで刺され続けては、普通の状態では危険である。女性などは体重が軽いため、 腹と背の両方から刺されると浮き上がってしまうくらいである。
最後に折れ曲がった10本近い短剣を、おやじが持ってきて、「どうだい、こんなに硬い物を使っていたんだ」と触らせてくれたが、 確かに厚い鉄板の短剣だ。
このトランス刺し続け、いくらでも突いてみやがれ、突いてやるが始まってから終わるまでの間、観客は呆然、写真のフラッシュは光らず、ただただ、 「おいおい、痛いよ。すごいのはわかったから、一体いつまで続くんだい」状態で舞台に目が釘付けになるのであった。そして、もちろん、この間、 ずっとガムランは高く低く鳴り続けるのだった。ふうう。
このアルマ特別公演では、水とお茶菓子(ふたつ、日本の和菓子に似た体裁だが味は違う)がついてきた。
市場で、赤米、黒米、白米を買う。赤米はあまり売っていない。ようやく見つけた店の婆さんは、「赤米でナシゴレンを作るとグッド」と言っていた。 その横で、にいちゃんが儀礼には欠かせないんだとも言った。

食:8時、バナナパイナップル入りパンケーキ、フルーツ、紅茶。
食:10時半、緑色の米団子、中にやし砂糖シロップ、外はココナッツフレークがついているお菓子、市場で買い食い(水底)1000Rp。
食:11時、ミックスジュース(ふたり)11000Rp。(カフェにて)
食:12時、バビグリン定食、アイスティー(ふたり)12000Rp。
食:17時半、アルマカフェにて、ナシゴレン(クルプック、サテ、アヤムゴレン付き)、パイナップルジュース(私)、カルボナーラ、 みかんジュース(水底)49500Rp。
食:20時半、ガドガド(テンペゴレン、タフゴレン、ゆで卵、キャベツ、人参、長豆のピーナッツソース、クルプック、キュウリ、トマト、ご飯)、 ビール小(私)、テンペカレー(テンペ、長豆、人参、ジャガイモ)、ご飯、アイスティー(水底)、16400Rp。

 


 

7月9日(木) 晴れ、 ウブッ
満月。ウブッ中心部からわずかに離れた水田が広がる平地に、満月の光が闇をついて降り注ぎ、闇の中の姿を浮かび上がらせる。いたるところで、 満月の儀式が執り行われる。チャロナランダンスを見たのだが、小さな村で、登場人物だけでも100人を超えるのに、観客はわずかに8人。 素朴な民衆芸能が、8人の前で繰り広げられ、そして、その芸能の最後は、そのまま村の満月の儀式に移っていった。そこに境目はなく、 不思議な気持ちのままその場を立ち去ることになった。

食:8時、フレンチトースト、フルーツ、紅茶。
食:10時半、ビール(大)(私)、ミックスジュース(水底)、19500Rp。
食:12時、ナシチャン屋のブンクス(お弁当)、紅茶、クルプック、お菓子、6500Rp。
食:17時半、パダン屋にて。コロッケ、テンペゴレン、アヤムゴレン、茶っぱ、唐辛子、カレー汁、ご飯。紅茶(私)、ナス煮、アヤムゴレン、 テンペゴレン、タフゴレン、茶っぱ、唐辛子、カレー汁、ご飯、紅茶(水底)、11500Rp。
食:21時、パパイヤラッシー(私)、ミックスジュース(水底)、6000Rp。

 


 

7月10日(金) 曇り、 ウブッ
6時過ぎに目が覚める。窓の外からは、今まさに沈もうとする満月が見えた。東から昇ろうとする太陽に負けじと、ひときわ明るさを増し、 消えかかった闇の中に、闇の女王が退出するといった風情。竹の銅鑼が鳴り、鳥達が騒ぎ立てた瞬間でもある。
昼過ぎ、とても暑い。陰はひんやりとしている。風が心地好い。近くで鳥が鳴きわめいている。ロスメンの屋根では、 藁葺きの補修をするため職人達が数人上がって、会話を交わしながら働いている。暑いだろう。田んぼの向こうにある川沿いの森では、 少年が木を揺らしていた。何かがいるようだ。時折、大きなとかげや、リスや鳥が動く。大ネズミもいる。田んぼには藻が繁殖し、蛙が陣を引く。 鶏はどこにでもおり、時を選ばずに鳴く。そして、無数の鳥の鳴き声。対岸のホテルにはプールがあって、外国人ツーリストが騒いだりもするが、 今は静かで、ボーイの白い服がゆらゆらと歩いている。小川には、昨日の満月儀礼用お供えがいくつも流れ、平行する用水路は、 水をたたえて流れている。蝉が鳴きはじめた。

食:8時、ジャッフル(半熟卵入り)、フルーツ(スイカ、パパイヤ、バナナ)、紅茶。
食:10時半、市場にて。ナンカスープ、豚や鶏、豚皮揚げ、ソーセージなどのナシチャン市場定食、紅茶、7500Rp。
食:12時、ウブドラヤにて、小倉アイス(ふたり)、アイスティー(水底)、パイナップルジュース(私)、23000Rp。
食:16時、ミーアヤム(水底)、ヌードルスープ(私)、アイスティー(ふたり)、16500Rp。
食:17時、アイスティー(水底)、レモンジュース(私)9500Rp。
食:21時、パダン屋ブンクス、アヤムゴレン、ナス煮、コロッケ、茶っぱ、チャベ、ご飯(私)、ゆで卵煮、タフ煮、コロッケ、茶っぱ、チャベ、 ご飯(水底)、8000Rp。クルプック別沿え、500Rp。

 


 

7月11日(土)  ウブッ 曇り晴れ
最終日となった。明け方突然雨が降る。

食:8時、トーストサンド(チーズ、卵、トマト入り)、フルーツ、紅茶。
食:10時半、市場のお菓子(米団子黒砂糖入り)10個1000Rp、蒸しパン1個500Rp、バッソ2杯蒸し米入り5000Rp。
食:12時、ブンクスでパダン。鶏煮、テンペ、茶っぱ、チャベ、ご飯、ソース(私)、タフ煮、テンペ、茶っぱ、卵煮、ご飯、ソース、 6500Rp。
食:17時、ナシチャン、アイスティー10000Rp。
食:20時、ハンバーガー1個、オレンジジュース2杯、12500Rp。空港にて。
食:機内、23時、軽食。

デンパサールの市場にてデンパサールの市場にて。

唐辛子ウブッの市場にて。唐辛子

ナシチャンナシチャンのブンクス行列行列、儀式らしい

 

[はる食日記 |1998年7月11日 ]

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